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日本でもこんな家が!? 巨木が支えるモダンな百年住宅

2013/08/28 18:30 投稿

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エントランスを入ると、開放型34畳の大LDKと大きな吹き抜けの中心に太さ40センチもの巨木が! 日本でもこんな迫力ある家づくりができるとは。



国産無垢材を使って大空間・大採光の家づくりを手掛ける、「住宅で失敗しないための7つの自己防衛策」の筆者・松岡在丸(まつおかさいまる)さんのご自宅は、まさに日本の木の良さを体現する驚愕の家。

今回、松岡さんに家づくりのポイントと「ティンバーフレーム」や「大心柱耐震工法」について詳しくお話を伺うことができました。



-どうしてこんな凄い巨木を家の中心にしようという発想が?

「日本でも太い木がたくさん入手できる」という国内の木材業者の話を耳にして、山林保有者と共に山に入りました。そこで樹齢100年を超える立派な杉の木を目にして驚き、「この雄大な木の迫力をもっと家づくりに反映できないか」と考え、どんな家にしたら「100年住宅として次世代に残したいと思える住まいになるか」とイメージし、この家をプランニングしたんです。

毎月多くの見学者がありますが、一般のユーザーだけでなく、建築業界関係者の方々もこの家を見て感動してくださいます。一見すると鉄筋コンクリート住宅に見えますがれっきとした木造住宅で驚かれます。特に、南側に張り巡らされた28枚のガラス、そしてその後ろにある屋上バルコニーで家族でバーベキューを楽しんでいる様子などを知ると、遊びに来たいといううれしい声をいただきます。



-松岡さんが「100年住宅」にこだわる理由は?

若かった頃、輸入住宅の営業マンとしてたくさんの住宅を売っていましたが、バブル崩壊と共に会社が倒産しました。多くのお客様に夢を売る仕事として住宅業界に留まる決意でいましたが、実際には建てた家で必ずしもお客様のライフスタイルが優雅になっているわけではなく、ローンに悩まされたり家族が不仲になっている例があったりすることに素朴な疑問を抱き、「家のあるべき姿」を求めて何度も「欧米住宅研究旅行」を遂行したんです。

そこで目にしたのは、ほとんどの家が70年以上、いや、100年以上使われていて、子や孫にしっかりと引き継がれていることでした。日本のサラリーマンのようにローンに悩まされることなく、収入が低くても比較的優雅に暮らしているという世代がたくさんいたことに驚かされました。

将来には土地が値下がりすることが予想されている日本において一般の方が余裕を生み出すには、子供に継げる、または30年経っても高く売れる家をこの日本でも建てる必要があると感じ、海外の100年住宅「ティンバーフレーム住宅」を真剣に追求しようと思ったんです。



-「ティンバーフレーム住宅」とはどんな住宅ですか?

アメリカ人の多くが将来の目標として掲げるような、大断面無垢材を使う伝統的な軸組み工法です。日本の在来軸組構法と仕組みは似ていますが、家を100年以上使うことを前提として太い無垢材を住宅のフレーム(躯体)に使用し、災害に対しても強く建ち続けるよう頑丈に作られ、広いリビングや大きな吹き抜けなど、大空間を作るのに必要な基本技術です。

日本の古民家や神社・仏閣を見ても、太い柱と太い梁(柱と柱を結ぶ横架材)で構成されたものは100年以上経っても地震に強いものが多いですよね。



-松岡さんが名付けた「大心柱耐震工法」とは?

当時は日本で太い柱が手に入るとは思っていなかったので、海外から木材を輸入していました。ところが国産の太角材も加工できるということから、国産材を使い、ティンバーフレーム工法のノウハウを適用し、日本人のライフスタイルに合わせた家づくりをしようと思って、山で見つけた立派な巨木を中心に家づくりした結果、これは「大黒柱」という呼び名よりも「大心柱」がふさわしい、と思ったんです。

家族の歴史を支える、ある意味で心のよりどころともなる「心」という文字を使った「大心柱」は、日本の五重塔やスカイツリーに採用されている「心柱」の概念のように、周囲の柱や壁からの振動を中心の柱に伝えるというコンセプトにもピッタリと思いました。

また、これから起きると言われている大地震・大災害に対しても、既存の耐震等級を大幅に上回る耐震性能を持って頑丈に建ち続け、同時に大吹き抜け、大LDK、外光をふんだんに採り入れる大開口を可能にする構造躯体を有する建物として、「大心柱耐震工法」という名称がその性能を表わすと考えました。



-読者の皆さんにメッセージをどうぞ

家づくりはハードウェアだけでなく、住む人のライフスタイルを含めたソフトウェアとのバランスが大切です。単純に頑丈な家を建てても将来売れるとは限りません。バリアフリーで、明るく広く快適で、全体的に使いやすく、人が集まりたいと思うようなプランにするには日本の既成概念だけでは足りないと考えています。欧米社会やアジア諸国の中にも素晴らしい住宅は多く、そうした建物からインスピレーションを得て日本のテクノロジーにうまく融合させていくためには、それなりに勉強しないといけません。

現在、月に二回(主に土曜日)、無料のハウジング・スクール(家づくり勉強会・相談会)の時間を取り分けており、すでに家を建てる計画のある方、将来家を建てたいと考えている若い方も、事務所を訪ねてきてくださいますので気軽にご相談ください。いい家を建てたいと考えているユーザーの皆さんを、応援しています。頑張ってください!

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この家に住み始めた直後から、家族が「昔から住んでいる家みたいだね」ととても馴染んだそうです。大胆さだけでなく、ここには紹介しきれなかった随所のこだわりについてもお聞きすることができ、とても勉強になりました。

松岡さん、ありがとうございました!

プロフィール
松岡在丸
1951年大阪府生まれ。ハウジング・ワールド代表/元祖・住環境アドバイザー/家づくりエージェントとして「大心柱耐震工法」をはじめとする100年住宅の建設に従事。平均年収の方でも建てられる100年住宅のアドバイス、各種セミナー、「住宅で失敗しないための7つの自己防衛策」「大震災に勝つ! 100年持つ! 最高の木造住宅を『安く』『無垢材』でつくる方法」の執筆など、多岐にわたって活躍中。無料の勉強会・相談会などを通して、2万人を超えるユーザーに無料でノウハウを提供している。「大心柱耐震工法」の家は、毎年、棟数限定で施工しており、最近はプランニングを評価する「ハウジング・クリニック」も受け付けている。

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