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いまサンフランシスコ、ポートランド、ニューヨークといった都市を中心に話題になっている「サードウェーブコーヒー」。スターバックスが巻き起こしたセカンドウェーブを経て生まれた、新しいコーヒーのあり方です。

サードウェーブコーヒーでは、シングルオリジン(ブレンドされていない生産地域が明確なコーヒー)が主流です。もちろんフェアトレード。コーヒーショップでは時間と手間をかけて育てられたスペシャリティーコーヒーが、バリスタによる丁寧な手さばきでサーブされます。

さらにサードウェーブコーヒーの特徴として、自分の好きな豆を買って家で楽しむ、というスタイルがあります。というのも、サードウェーブのカルチャーでは、コーヒーショップ自体がお客さんに対してとても教育的。おいしい入れ方、豆の種類について、バリスタとお客さんとの間でコーヒーにまつわる会話が日常的に交わされています。そして、カッピング(コーヒーのテイスティング)も頻繁に開かれているそうです。



先日、ルーミーで『サードウェーブ!:サンフランシスコ周辺で体験した最新コーヒーカルチャー』という本をご紹介しました。(アマゾンにて電子版が発売中です)今回はその著者である茶太郎豆央さんがカッピングを開催してくださいました。



カッピングをするのは、サンフランシスコで人気のコーヒーロースターの豆4種。バッグには産地の農園について、詳しく情報が明記されています。今回は、各ロースターの特徴が味わえるようにと、産地はすべてルワンダに統一されていました。




計りで豆の量を正確に測り、ミルで挽いてお湯を注ぎます。ドリッパーに入れたフィルターをお湯で湿らせて、コーヒー豆をセット。沸騰してから30秒くらいおいたお湯を注ぎます。お湯の量は豆に対して15~20倍くらい。たとえば、豆を15g入れた場合は、お湯は300mlぐらいがいいそうです。



まずはじめは、Blue Bottle Coffee。とても知名度が高い、サンフランシスコのサードウェーブの先駆けとなったロースターです。さわやかな酸味と甘みがありました。あっさりしていて飲みやすかったです。



次は、FOURBARREL。かなりパンチがある味でした。ローズヒップティーのようなフローラルな香り。冷めるとよりすっきりとした味になりました。日本人が慣れ親しんできたコーヒーとはかなりギャップがあります。



3番目は、Ritual Coffee。こちらもかなり酸味がきいています。まるでレモンティーともいえるような酸味です。苦味はほとんどありません。こちらもFour Barrelと同様に、少し日本人には飲み慣れない味。冷めるとこうばしい甘みが後味として残ります。



最後はCoffee Bar。薪でローストされたので、豆の香りは少しスモーキー。こちらもすっきりとした後味。日本のコーヒーに近いほどよい苦味がありました。

こうやって4種飲み比べると、同じ産地でも驚くほどに味が違います。編集部内でも好みは大きく分かれました。そして、淹れたてと冷めてからの味の変化も楽しむことができました。

Hario V60 pourover how-to from tonx on Vimeo.

実は、茶太郎豆央さんがサードウェーブコーヒーに注目したきっかけは、サンフランシスコで日本のコーヒー器具、HARIO V60というドリッパーを頻繁に見かけたことでした。

インテリジェンシア(Intelligentsia)というコーヒーショップが作ったこちらのビデオをきっかけに、HARIO V60が広く知れ渡ったとのこと。今回のカッピングでも使用したもので、中心へ渦を巻くスパイラルリブと、大きな一つ穴が特徴です。

いまや多くの北米のコーヒーショップでHARIO V60が使われているそうです。日本のコーヒー器具がアメリカで大きなムーブメントを起こしているとは驚きでした。

日本にもじわじわサードウェーブがきているようです。ワインの銘柄を楽しむように、コーヒーも味わい比べてみる。まずは自分の好きな味を知ることが、自宅でおいしいコーヒーを楽しむための近道なのかもしれません。

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