まずマインドフルとはなにかというと、アメリカの医療界や心理学界で話題の瞑想法の一種。「気をつける、意識する」といった状態を示す言葉です。
多くの刺激がある中で、細かな部分に気づき、その気づきを判断や評価することなく観察し続けること。“瞬間を生きる”という人間の姿勢を指します。
ただ、忙しい現代を生きる私たちにとって、マインドフルになるというのはなかなか難しいことです。日々のストレスでつい多くのことを見落としていたり、逆に小さなことに捕らわれて悩んでしまったり、とマインドフルの反対の「マインドレス」な状態になりがちです。
マインドフルを培っていく瞑想法を「マインドフルネス瞑想法」といいます。心理学や医療界で研究が進められ、健康へのいい影響が多く発見されています。脳の働きにも強く影響して、免疫力があがったり、鬱や不安症に効くというのは、もはや当たり前の知識となってきました。
そこでアーティチョークの登場。これを食べることで、身体が否が応でもマインドフルになることを覚えてしまう。
初めてレストランでこれをみたとき、「どこをどうやって食べるの?」と思いました。あまり日本ではなじみがないかもしれませんが、今の時期ぐらいに多くみられるお花のつぼみです。
ただ、蒸したアーティチョークを食べるのはとても面倒。お花といっても、花びらと思しき部分はかたくて食べれたものではありません。食べるのは根っこの部分や花びらの付け根のあたり。やわらかく、お芋のようなほっくりした食感で、おいしく食べられます。でもその部分はほんの少しだけなので、かじりついて、歯で花びらの柔らかい皮を歯でそいで食べる感じです。
まるでマインドフル瞑想をしているかのように、1つ1つを大事にとって、レモンバターにしっかり浸して、歯でそいで食べる。そして、また次の花びらに手を出し、同じ行動を続けます。
マインドフルさというのは、ただゆっくり何かをすることではなくて、ちゃんと意識が向かないといけないのです。このバターが手につくので、それをナプキンで拭きながら、という行為も意識なしにはできないこと。普段、食事をゆっくり味わっていない人にはイライラもするかもしれない食べ物ですが、逆にこれを楽しむことで、すべての動きも考えも落ち着いて、自然にマインドフルな状態に。
しかも、これが結構おいしいのです。次から次に硬いだけのように思える花びらに手が伸びてしまう。
この面倒くさい食べ物をゆっくりと食すことで、心も体も穏やかで健康な状態に近づけるのです。
How I used an artichoke to teach my children about mindful eating [the kitchn]