アフガニスタン出身のデザイナーMassoud Hassani氏が制作したこの不思議な物体、実は風力によって砂漠の上を転がる地雷除去装置なんです。
オランダでデザインを学んでいるMassoud Hassani氏は幼い頃に兄弟たちと一緒に遊んでいたオモチャから着想を得て、この「Mine Kafon」と呼ばれている装置を制作しました。中央のコア部分から伸びる竹でできた無数の脚。そしてその先に取り付けられたフリスビーのようなお皿部分、ここで砂漠に吹く風を捕まえ、地雷が埋められた危険地区を縦横無尽に動き回るというもの。
中央部分にはGPSのチップを搭載しており、どのルートを通ったかをコンピューター上で把握することができます。今までの地雷撤去にかかる費用は一基につき1200ドル。しかし、この「Mine Kafon」の制作費用はわずか51ドル! なんと4200円程度なんです! しかも一度爆発をしても、脚が数本吹き飛ぶだけ。そのあとも動き続けることができ、一つの「Mine Kafon」で3~4基の地雷を撤去することができるそうです。
公式サイトでは彼がTEDで行った公演、ロイターによるインタビューなどの動画を見ることができます。サイトから寄付をすることもできます。興味のある方は一度ご覧になってみて下さい。
2013年にはMoMAのコレクションにもなるという「Mine Kafon」。何もない砂漠の上を転がり続ける不思議な球体。その異様な光景はインスタレーションのようでもあり、壊れても動き続ける姿には美しさすら感じてしまいます。
[Massoud Hassani]