撮影:志津野裕計、石橋瑠美、三浦庸古 秋冬の食卓の「あと一品」に、覚えておくと便利なのが「きのこバター」。
5分でつくれるシンプルな料理ですが、実はきのこの種類によって、合う調味料と合わない調味料があるそうなのです。
今回は、料理研究家・小田真規子さんの著書『23時のおつまみ研究所』(ポプラ社)から、5日続いても飽きないという「平日きのこバター」5種をご紹介。
小田さんオススメの組み合わせでつくってみたら、「平日の副菜、ずっとこれでもいいかも……」と思うほどのおいしさでした。
きのこバター+調味料、テッパンの組み合わせは?
本書『23時のおつまみ研究所』は、香りや食感などの要素を際立たせることで、あらゆる食材を「つまみ化」する方法を、ROOMIEでもおなじみの人気マンガ家・スケラッコさんによるマンガやイラストを交えて楽しく教えてくれる一冊。
きのこを炒め、仕上げにバターと調味料を加えるだけの「きのこバター」も、きのこと調味料の組み合わせにこだわることで、極上のつまみに早変わりします。
えのきバターの鉄板はブラックペッパー。ポン酢は△「えのきブラックペッパーバター」(本書30ページより)
例えばえのきは、とろっとした食感と甘みが特徴。仕上げにブラックペッパーのようなパンチのある調味料を使うことで、お酒に合う「切れ味」が出てくるとのこと。
筆者も試してみましたが、バターの力で一層甘くなったえのきと、ブラックペッパーの刺激が相性抜群! 噛みしめるほどじわじわとおいしく、えのきのポテンシャルに驚きました。
逆に、えのきと合わない調味料はポン酢。えのきの優しい風味が、ポン酢の酸味に負けてしまうそうです。
しめじはめんつゆと相性◎。塩とは合わない「しめじめんつゆバター」(本書30ページより)
つるシャキ食感が楽しいしめじは、香りにそれほど主張がありません。そこで合わせたいのが、味が完成されているめんつゆ。2倍希釈なら小さじ2ほど加えるだけで、お酒に合う一品に。
合わないのは塩バター。しめじは他のきのこよりもうまみを感じにくいため、塩だけだと味がシンプルすぎて、お酒に合う強さが出ないといいます。
しいたけのテッパンはしょうゆ。めんつゆとの相性は△「しいたけしょうゆバター」(本書31ページより)
独特の香りを生かしたいしいたけは、シンプルに小さじ1~2ほどのしょうゆを足すのがベスト。
合わないのはめんつゆバター。しいたけの存在感が強いので、めんつゆとの組み合わせはトゥーマッチだそう。
エリンギバターの相棒はにんにく! ポン酢はNG「エリンギにんにくバター」(本書31ページより)
特徴的な食感で、やや酸味のあるエリンギ。小田さんのオススメは、にんにく(にんにくチューブ小さじ1/2)で酸味をカバーしつつ、輪切りにして食感を際立たせること。
実際につくってみると、独特の噛みごたえがにんにくとよく合って、「うま!」と声が出るおいしさでした。
合わないのはポン酢バター。エリンギとポン酢の酸味が重なり、うまみよりもすっぱさが勝ってしまいます。
まいたけにはポン酢が合う。ブラックペッパーとの相性は△「まいたけポン酢バター」(本書31ページより)
香りもうまみも強いまいたけは、「ポン酢くらいマウントをとってくる調味料でないと負ける」と小田さん。ポン酢は小さじ2杯でOKです。
あまり合わないのはブラックペッパー。まいたけの香りが和風寄りなので、ピリッとさせたいなら「七味のほうが合うかも」とのことでした。
基本の「平日きのこバター」のつくり方
5種の「きのこバター」は、仕上げの調味料が違うだけで、つくり方はほぼ同じです。
<材料>
きのこ…1パック(100g) サラダ油…小さじ1 バター…10g<共通のつくり方>
1. きのこは小房に分けたり、ほぐしたり切ったりする。
2. フライパン(20cm)に油を中火で熱し、きのこを広げる。えのきとエリンギはここで塩(2つまみ)をふる。2分焼く。
3. 上下を返しながら1分炒め、バター、調味料(各きのこの調味料を参照)を加えて混ぜる。
(『23時のおつまみ研究所』31ページより引用)
おいしく「つまみ化」するコツは、最初からバターで炒めないこと。バターには水分やタンパク質が含まれているので、きのこよりも先に焦げてしまいます。
先にサラダ油で炒めて、きのこの香りを引き出すことで、バターとの相乗効果が最大に! ぜひ試してみてください。
1週間保存できる「塩漬けきのこ」を常備しておこう!
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