Photographed by Yo Noguchi 部屋に“色”を取り入れてみたいけれど、派手な色を取り入れるのはなかなか勇気がいる……と思っている方は多いのではないでしょうか。

たとえば部屋に小物を取り入れてみたり、花を飾ってみたり、はたまた壁の色を思いっきり塗り替えてみたり。ひとことで色を取り入れると言っても、その方法はさまざまです。



今回お話を伺ったのは、神奈川県川崎市にお住まいの野崎さんご一家。家の中を見渡すとさまざまな色が取り入れられていることに気づきますが、それでいて世界観が統一されている様子も印象的。

ここに暮らし始めてからまだ4ヶ月しか経っていないとのことですが、短い期間の中でどのようにしてお部屋づくりを進めていったのでしょうか。

名前:野崎咲彩さん(コミュニティオーガナイザー)秀幸さん(美容師)、輪くん
場所:神奈川県川崎市
面積:80㎡(3LDK)
築年数:25年
間取り図(編集部作成):

■目次
1. この部屋に決めた理由
2. お気に入りの場所
3. お気に入りのアイテム
4. 残念なところ
5. これからの暮らし

この部屋に決めた理由

これまでは都内の賃貸物件に住んでいたという野崎さんご夫婦。都内で物件を購入し、リノベーションを行うことも検討していたそうですが、思わぬ壁があったといいます。

「当初は物件を購入してからリノベーションを行おうと思っていたのですが、当時妻はフリーランスで、僕は美容師。ローンを組むにもひと苦労だったんですよね。なので、自分たちでリノベを行うのではなく、元々リノベされている物件を自分たちの空間に変えていくのもいいかも……と思い、リノベ済みのところを候補に部屋探しを進めていきました」(秀幸さん)

「リビングは20畳以上の広さがあって、横長の作りになっているかどうか。その2つが物件探しの条件でした。そういう物件って本当に少ないのですが、SUUMOで探していたらたまたまこの部屋が見つかったんですよね。それと、子どもが生まれるタイミングだったので、子育てしやすい環境であることも決め手の一つでした」(咲彩さん)

お気に入りの場所

黄色く塗られた壁が印象的なリビング

黄色い壁が華やかでありつつも、どこか落ち着いた雰囲気が漂うリビング。元々このような壁の色になっていたのかと思いきや、どうやら野崎さんご夫婦が全部塗られたのだとか! 壁のみならず、ドアの細かな凹凸にまで綺麗に色が乗っています。

「2日間かけて塗りました。壁は白かったので楽に色が入ったのですが、ドアは茶色っぽい色だったので最初塗ったときは『これ大丈夫かな?』って感じで(笑)」(咲彩さん)

別の部屋にあるクローゼット。ここもいつか色を塗る予定とのこと。

「リビングのドアは元々このくらい茶色かったんです。2度塗りしたらちゃんと色が入ってくれたので、安心しました! 白じゃなくても色がちゃんと乗ってくれるのは大きな発見でしたね」(秀幸さん)

カラフルなアイテムが並ぶ咲彩さんの部屋

咲彩さんが作った作品。かわいすぎる!

MIDORI.so』でコミュニティオーガナイザーとして働くかたわら、ご自身で『DIGITAL DETOX』というビーズアクセサリーブランドを展開している咲彩さん。以前はここで仕事をすることもあったそうですが、最近はプライベートな空間としてこの部屋を活用しているのだとか。

「仕事が大変だったときに、どうやったらパソコンやスマホから逃げられるのかをずっと考えていたんですよね……。それで、両手を使わないとビーズは編めないからちょうどいいよな〜と思って、『DIGITAL DETOX』という名前でビーズアクセサリーブランドを始めました。コロナ禍のときに始めたので、マスクストラップを作って売ったのが最初ですね」(咲彩さん)

作品作りに使うビーズや黄色いラックを始めとした、カラフルなアイテムが並んでいるところも特徴的です。しかし、カラフルでありながらも、どこか部屋の温度感は統一されている様子が絶妙。そのバランスに秘訣はあるのでしょうか。

「色の数は増えたら増えただけいいなと思っているのですが、大きい家具などはウッド系にするとか、そういうことは意識しました。大きい土台のうえに色を足していくような感じでバランスを取っています」(咲彩さん)

お気に入りのアイテム

咲彩さんが作ったビーズアイテム

部屋のいたるところにあるビーズアイテム達、なんとこれも咲彩さんの手作りでした。

「植木鉢のカバーです。これ、絶対売れると思っていて! でも、耐久チェックをしていないのでまずは自分で使ってみて様子を見ています」

こちらはダイニングにあるペンダントライト用のシェード。ビーズの色と光が反射して、幻想的な空間を演出してくれそうです。

「これ、赤ちゃんホイホイなんですよ。どの赤ちゃんも反応が良いんです(笑)。キラキラしているのがいいのかもしれないですね」

ハーマンミラーのバブルランプ

「ジョージ・ネルソンという人が作ったバブルランプです。これはもう本当、ず〜っと欲しいって言い続けていたアイテムですね(笑)」(秀幸さん)

キティちゃんグッズ

「キティちゃんが大好きで、もうガチャガチャ見つけたら絶対しちゃうんです。一番手前のキティちゃんはおばけみたいに『わ〜』ってやっているんですよ」(咲彩さん)

取材開始時には気づかなかったのですが、咲彩さんが作ったビーズのモビールにもキティちゃんとバツ丸が取り付けられていました。キティちゃん、うまく部屋になじんでいます。

拾ってきた石や空き瓶のラベル

「石を持って帰ってくる癖があるんですよね。以前石川県に毎月出張していた時期があって、まだ夫とはお付き合いしている頃だったんですけれど、お土産に毎回石を渡していました。1時間ほどかけて毎回3つくらいの石を持って帰ってくるんです」(咲彩さん)

「石に関してはあんまりいらなかったかな……(笑)」(秀幸さん)

石の他にも、咲彩さんはワインやビールなどの空き瓶を持ち帰ってくることがあったそう。リビングに飾られていたこちら、どんなアートかと思いきや、空き瓶のラベルを使って咲彩さんが作ったものなんですって!

「捨てて欲しいと言われるんですが、どうしても捨てられないものはラベルを剥がして、100均のフレームを使ってこんな感じで飾っています。“ゴミ”と言われてしまうものかもしれませんが、私にとっては宝物です」(咲彩さん)

残念なところ

エレベーターが停まらない

この部屋で暮らし始めてから4ヶ月しか経っていないそうですが、特に不便だと感じているのはマンションのエレベーターについてなのだとか。

「わが家の階にはエレベーターが停まらないんですよね。部分的に階段を使わなければいけないので、ベビーカーの移動が大変です」(咲彩さん)

これからの暮らし

引っ越してから4ヶ月ほどしか経っていないこともあり、これからも部屋のいたるところに手を加え続けたいと考えている野崎さんご夫婦。輪くんの成長に合わせて、計画していることもあるみたいです。

「輪が夜ひとりで寝られるようになったら、寝室をちゃんと作りたいなと思っています。あとは輪の部屋を作って、壁の色をピンクにしたいなって。それで、思春期になった頃に『母ちゃんバカなの?』とか言われたいです(笑)。でも、『ピンクもいいじゃん!』と思ってくれるかもしれないし、それも含めて反応が楽しみですね」(咲彩さん)

「今後、輪がこの家を巣立つときが来たら、黄色い壁を取っ払ってめちゃくちゃ広い1LDKにしたいと考えています。寝室とリビングさえあれば僕たちは暮らしていけるので。

彼が大人になった頃、ようやく『リノベーションの夢』が叶うかなって、思っています」(秀幸さん)

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