※本記事は2022年10月4日に公開された記事の再掲載です。
Text by 田邉愛理
Image via Getty Images
コーヒーハンターとして世界各地を駆け回り、未知なるおいしいコーヒー樹を探し出してきたJosé. 川島良彰(ホセ かわしま よしあき)さん。
ここでは、José. 川島さんの著書『人生を豊かにしたい人のための珈琲』(マイナビ出版)からコーヒーを楽しむヒントを紹介。José. 川島さん流のおいしいコーヒーの淹れ方をご紹介します。
実は「エコ」じゃなかった、クラフト紙のフィルター
密林に埋もれ忘れられたコーヒー樹を求め、キューバを探索するJosé. 川島さん。
写真提供/株式会社ミカフェート
José. 川島さん曰く、コーヒーは自分で抽出しなければいけない面倒な飲み物だけれど、自分で好きなようにコントロールできるのが魅力、とのこと。
挽き目をちょっと細かくすれば濃くなるし、粗くすれば薄くなる。沸騰したお湯や高温で淹れると苦みが出やすく、低温にすると酸味が出やすくなります。ひとつの銘柄だけで朝・昼・晩と、異なる味にもできる──そんな創意工夫の楽しさが、日常にちょうどいいアクセントをつけてくれるのです。
「コーヒーはフルーツ」であり、独特の甘味と酸味を味わってほしいというJosé. 川島さん。おすすめのお湯の温度は87度前後だそう。
いちいちお湯の温度を測るのが面倒くさかったら、沸騰したお湯を湯煎するためにサーバーに入れて、そのお湯をドリップポットに戻すと90度近くに下がります。
それから粉を量ったり、量った豆を挽いたりしているうちに適温になります。
(『人生を豊かにしたい人のための珈琲』56ページより引用)
さらに、ろ紙(フィルター)の選び方にもポイントが。私はいつも白いろ紙ではなく、なんとなくナチュラルそうな薄茶色のろ紙を使っていたのですが、José. 川島さんの選択は違っていました。
ろ紙の材質は、真っ白な漂白のものがいいでしょう。未晒しの茶色いクラフト紙は見栄えから「エコ」のように思われていますが、実は製造に非常に多くの水を使います。
また、紙の匂いもするので抽出面でもマイナスです。
(『人生を豊かにしたい人のための珈琲』65ページより引用)
いずれにせよ、まずはろ紙を丸めてカップに入れて熱湯を注ぎ、紙の匂いがするかを確認してみてほしいとのこと。匂いがなければ、よく言われる「ペーパーに熱湯をかけて匂いを落とす」作業は不要です。
お湯は「やさしく置く」イメージで注ぐ。おいしい淹れ方を伝授
細かい淹れ方の作法は、José. 川島さんが代表取締役を務める「株式会社ミカフェート」の動画を参考に。吉祥寺や六本木にあるミカフェートのカフェでは、こちらの手順で丁寧に淹れたハンドドリップコーヒーを味わうことができます。
筆者も吉祥寺のカフェでいただいてみたのですが、すっきりした酸味が絶品!真っ赤に熟れたコーヒーの果実が自然と思い浮かぶような、フルーティでみずみずしい味わいでした。
もたれる感じも一切ないので、今まで苦手だった人も「あれ? コーヒーっておいしいぞ……!」と衝撃が走るかもしれません。
「超浅煎り」を無理して飲まなくてもいい
「コーヒーはフルーツだからこそ、酸味と甘味を楽しんでほしい」とJosé. 川島さん。
写真提供/株式会社ミカフェート
いわゆるサードウェーブ・ブーム以降、北欧などで流行する超浅煎りのコーヒーがもてはやされる傾向がありますが、José. 川島さんによると、コーヒーは浅く煎るほど酸を強く感じるそう。
北欧の硬水で抽出すれば酸は抑えられますが、日本の軟水ではそれがストレートに出てしまう、とのこと。「トレンドだからといって浅煎りを無理して飲まなくてもいい。美味しいコーヒーは、自分で飲んで、自分で見つけて欲しい」と語ります。
あなた自身のコーヒーとの接点を見つけ、コーヒー趣味をより幅広く、奥深いものにしてください。そうすれば、まさにコーヒーこそが、あなたの人生をより豊かにしてくれることでしょう。
(『人生を豊かにしたい人のための珈琲』177ページより引用)
世界を旅するJosé. 川島さんが「冒険心に満ちた壮大なロマン」にコーヒーへの夢を感じるように、コーヒーとの接点は人それぞれ。自分らしく味わう喜びに、改めて気づかせてくれた一冊でした。
ハンドドリップコーヒー、人数分をまとめて淹れるとおいしくない。その原因はね…
コーヒーを飲んだあとの胸やけは、「豆選び」と「挽き方」で解消できるかも!
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