Photographed by tsubottlee 都心らしい利便性がありながら、自然や歴史的建造物も多い東京・世田谷区。

最寄り駅のメインストリートから公園を抜け、閑静な住宅街に今回ご紹介するRiiさん、ASさんご夫婦の住まいはありました。

お名前(職業):Riiさん(会社員)、ASさん(建築関係)
場所:世田谷区
面積:約130㎡、2LDK
リノベーション費用:非公開
築年数:築35年程度
間取り図(編集部作成):

 

ご夫婦ともにルーツがある世田谷区で、今後暮らしていくことを考える際に大切にしたのが「自分たちらしさ」。そこから辿り着いたのが「リノベーション」という選択でした。

今もなお発展途上だというお部屋について、お話を聞いてきました。


■目次
1. この部屋に決めた理由
2. お気に入りの場所
3. お気に入りのアイテム
4. 残念なところ
5. 暮らしのアイデア
6. これからの暮らし

この場所に決めた理由

夫婦にゆかりのある、緑豊かなエリア

住まい探しのベースは、おふたりに馴染み深いエリア・世田谷区であること。リノベーションをするにあたって、1,000件弱の物件をリサーチしたといいます。

「夫も私もこの近くのエリアに住んでいたことから、住み慣れた街で暮らしたいという思いがありました。リノベーションのための広さや予算を考え、Excelでリストを作成して、理想の物件を探していきました。

そうして見つけたこのマンションは、希望のエリアであることと、公園のそばにあるという自然豊かな環境に惹かれて、見つけた翌日に内見へ行き、購入に至りました。

前の入居者さんが約30年住んでいたため、内装はボロボロでしたが、リノベーションを経て生まれ変わりました」

お気に入りの場所

手がける楽しみが広がっていくバルコニー

部屋探しの際の“あったらいいな”が叶ったバルコニーは、日々の息抜きや友人を招いての食事会など、おうちの時間を楽しむのにぴったりの空間。パラソルや照明などを使って、時間帯に関わらず過ごせるようになっていました。

「春になると、桜が目の前で満開になると知ってびっくり。うれしいサプライズでしたね。いまでは家の中でも一番のお気に入りです。

本当はウッドデッキを敷いて植物を並べる、といった作りたいイメージはあるのですが、具体に固まらないとなかなか着手できなくて……。まだまだ楽しむために進化させられるスペースだと思っています」

角部屋ということもあり、広く景色を見渡せるバルコニーは、取材中も思わず横になって寛ぎたくなるほど居心地の良い空間でした。春には家で花見ができるなんてとっても贅沢だなぁ。

寛ぎ方が豊富なウィンドウベンチ

寝室の窓際に設けられたウィンドウベンチは、休日をゆったり過ごすのにぴったりな空間なのだそう。

「最近、剪定されて少し量が減ってしまいましたが、豊かな緑の借景に心が癒されています。

夏の休日にベンチでゴロゴロしながら緑を眺めたり、秋の夜長にライトをつけながら読書をするのも、自分らしいひとときです」

ひとりでも、ふたりでも過ごせる広さがあるのもいいですね。

「ベンチの下は収納になっていて、地味に機能的なのも気に入っています。側面にはコンセントがついているので、テレビを持ち込み、Netflixを楽しむこともありますね」

憧れだった壁一面の本棚

書斎をつくるうえで、絶対に作りたかったというのが大きな本棚。Riiさんの本を中心に仕事に使う道具なども収納されています。

「本をよく読むので、壁一面の本棚には憧れがありました。たくさんの本に囲まれながらの読書は至福のひとときです。

最近はKindleで購入してしまうことがほとんどですが、何度も読み返すお気に入りの本は紙で買うようにしています」

ご夫婦揃って仕事は在宅が中心のため、本棚のある書斎はふたりの仕事場としても活用。出窓に面したデスクは夫のASさんがサイズピッタリに造作されたものだそう。

外の景色を眺めながら、ふたり並んで一緒に仕事ができるようになっており、ご夫婦の仲の良さが表れた設計にほっこりしました。

お気に入りのアイテム

優しい雰囲気に惹かれたキャビネット

寝室に置かれたキャビネットは、色合いもデザインもお気に入りのインテリア。

「60年代のイギリスのビンテージ家具で、キャビネットに多い角張ったフォルムではなく、丸みを帯びた優しい雰囲気に惹かれました」

お気に入りが増えていく花瓶

リビングを中心に、花を飾ったり、単体でディスプレイしたりと好きで集めてしまうと話していたのが花瓶。

「花屋で働いていた友人をきっかけに、花から花瓶まで関心が高まっていきました。

色鮮やかな1点ものから、どこに飾っても馴染んでくれるホルムガードの花瓶など、さまざまな種類を集めています」

残念なところ

避けられない虫の多さ

自然豊かな環境が魅力の一方で、避けては通れないのが虫の多さ。季節ごとにさまざまな種類の虫が顔を出すのだそう。

「緑豊かな公園と隣接しているため、夏を中心に虫が多く、虫対策グッズは必須です。

特に寝室が狙われがちで、どうやって入ってくるのか分からないものも……。自然が多い分仕方ないので、上手く付き合っていきたいと思います」

暮らしのアイデア

​​海外の“あるホテル”を参考にする

リノベーションにあたってモチーフになっていると話していたのが、旅行先のスペインのホテル「ザ・バルセロナ・エディション」。

おふたりの琴線に触れたホテルの景色を表現することを大切にしていました。

「ふたりとも気に入った『ザ・バルセロナ・エディション』の空間を参考に、部屋に取り入れるものも考えています。

たとえば、木目調のテイストを取り入れたり、色ものをポイントとして織り交ぜたりと“エディションぽさ”を思い返しながら、それに忠実な住まいづくりをしています」

​​なるべく家電で家事の自動化

取材中に物音がしたと思い振り返ると、そこにはルンバの姿がありました。日々積み重なる家事は家電を上手く使いながら効率的に行っているといいます。

「家事が好きなわけではないので、なるべく家電で自動化を意識しています。

わが家では、ルンバが2日に1回ほど部屋全体を掃除したり、食べ終わった食器はすぐに食洗機に入れて回したり。照明類もアレクサで操作できるようにしておくなど、積極的に便利な家電を取り入れ、自由な時間を確保できる、ゆとりある暮らしを大切にしています」

暮らしやすさを大切にするために、苦手なことは極力負担を少なくしているRiiさんとASさん。

物を購入する際も、おうちに合う、かつ本当に必要なものだけにすることで、物があふれることがなく、片付けの必要も少ない部屋づくりを意識していました。

これからの暮らし

好きなものとの出会いから生活を豊かに

住まいは、まだまだ発展途上だと話すおふたり。「焦らず、自分たちらしい住まいをつくる」というリノベーションを決めた際の気持ちを大切にして、これからの暮らしを考えていきたいのだそう。

「家具や内装がベーシックな分、アートや観葉植物などの彩りを増やしていきたいです。ディスプレイスペースもまだまだ空きが目立つので、好きなものや、家族の思い出が反映される空間になったらいいなと思っています。

インテリアもまだまだ発展途上で、買いたい家具のリストは尽きないですが、暮らし方にも関係するキッチンカウンターや読書用のチェアなど、少しずつ貯金もしながら自分たちの気に入ったものを集めていきたいですね」

物件選びからじっくり検討を重ね、作り上げてきた住まいだからこそ、お部屋のインテリアづくりもしっかり時間をかけて進めている姿が印象的でした。

おふたりの思いと愛着が反映された空間へ進化していくのが楽しみですね。

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