これは、昨今のおうち時間が長くなったことを機に、運動不足の解消やダイエットを目的としてランニングを選択する方々が増えていることによるもの。
周りでもコロナ禍を機に走り始めた方がたくさんいますが、やってみたものの、続けるのが難しいという声もちらほら。
ランニングをそれなりに習慣にしている自分を振り返って、あくまでも個人の経験がベースですが、あらためて継続できるコツを考えてみました。
走り続けられるコツって?
コツ1:定期的なレースの出場レースに出てみないと体感できないさまざまなことがあります。それは日常生活では味わえないものばかり。©TOKYO MARATHON FOUNDATION
初めて走った時は、ゆっくりペースだったけど、とても気持ちがよかった。
非常に清々しく、ほどよい疲労感とともに、結構走れるかも!? と自分でも認識していない違う一面を知ることができたことも、なんだか嬉しくもありました。
いま思えば、皇居1周(5km)だったけど、最後まで歩かなかったので、どこか誇らしくもあったように思います。そのときから、ランニングはぼくの心を鷲掴みにしました。
でも、続けるとなるとなかなか難しい。仕事の疲労が溜まって難しかったり、走ろう! と思った時に天気が悪くて諦めたり。
なかなかコンスタントに走れず、習慣化できない日が続きました。
ほとんどの大会ではシューズにチップを装着し、タイムを計測します。
そこで、大会にエントリーすることで、事前準備をせざるを得ない状況を自ら作り、さまざまなフルマラソンやハーフマラソンの大会にチャレンジすることに。
実際、大会にエントリーが決まったことで、明確な目標ができ、それが習慣化のきっかけ、そしてモチベーションにもなりました。それ以降、最低でも1年に1回はフルマラソンを走ることを決めています。
当初は、陸上経験のない自分が走れるのか? フルマラソンなんて完走できるのか? という不安しかありませんでしたが、とりあえずでも完走できるようになると、今度は徐々にタイムが伸びていくことに充実感がありました。これもまたモチベーションになります。
自作の応援ボードでパワーをくれる沿道のボランティアの方。ランナーにとっては励みになります。©TOKYO MARATHON FOUNDATION
また、結果はもちろん、レースならではの緊張感や沿道の声援、コースの合間に設置されているエイドステーション、走った後の仲間との打ち上げなど、単に走ることだけではない、大会を盛り上げるさまざまな演出など、ランニングの周辺には多くの楽しみ方がたくさんあったことで、またいろんな大会に出てみたいと思えたことも走り続けている理由です。
コツ2:「ランニング × ○○」の実践走り終わってからの1杯は、缶ビールだって普段の倍以上も美味しく感じます。
レースに出る楽しみはいろいろあっても、それだけではランニングを続けるためのモチベーションになりません。なにしろ、アスリートではなく、単なるファンランナーですから。
ぼくの場合は、走り終わった後のビールもモチベーションになっています。これが最高に美味い!
初めてランニングをしたあの日、走った後のビールが格別で、またその美味さを味わいたいと思ったのも、いま走り続けている理由のひとつ。不純と言われても、美味すぎるのでやめられません。
いまでは、ビールをより美味く飲むために走っていると言ってもいいほど。
「フュージョンランニング」について語る東京マラソンのレースディレクターを務める早野忠昭さん。Photograph by Kaoru Mochida
これは、先日取材した東京マラソン財団のレースディレクターの早野忠昭さんがおっしゃっていた「フュージョンランニング」というんだそうです。
どんなことでもいいのでランニングに自分が好きなものを融合(フューズ)するという考え方は、継続する過程においてはとても大切のようです。走ることだけが目的になってしまうと、継続はもちろん、途端に楽しくなくなります。
たとえば行ってみたい場所を目指すのもいい、それがお気に入りのパン屋を巡るラン(パンラン)でもいいし、鉄道が好きなら駅を巡るランでもいい。ダイエット目的でいつもの帰り道の一部を走ってみるのも立派なフュージョンランニングです。
手元の時計に貼り付けた5kmごとの目標タイム。うまくいくこともいかないことも。それもまた走ることの難しさであり、楽しみでもあります。
ぼくの場合、フューズしたのは、ビールだったということですね。
ちょっとだけでも理由付けや、目的を少し変えてみると、走る楽しさがどんどん膨らみます。もしかしたら、世界が変わって見えることもあるかもしれません(いや、本当に)。
フュージョンランニングを意識してみることも、継続のコツになるはず。自分が興味関心がある何かとぜひ掛け合わせてみて。
コツ3:憧れの東京マラソン出走と完走を目指す市民ランナーにとっては3年ぶりとなる「東京マラソン2021」。例年よりも参加ランナーの人数制限がありましたが、それでもやはり貫禄を感じました。 ©TOKYO MARATHON FOUNDATION
もしかすると、ランナーのみならずとも、一度は走ってみたい憧れのレースが「東京マラソン」かもしれません。
言わずもがな、ぼくも憧れていました。
先日行われた「東京マラソン2021」に初めてエントリー決定を知った時は、泣くほどにうれしかった。
スタート前、昂る気持ちを沈めるべく、瞑想しつつ集中を高めます。
いつか必ず出たいと思っていたレース「東京マラソン」を走るために、しっかりと準備をしておくこと。つまり、貴重な機会を無駄にしないように、そして無事に完走できるように、日々走り続けました。当選するかもわからない頃からずっとです。それがいちばん大きなモチベーションになっていたと思います。
そのくらい「東京マラソン」は特別なものだと思います。
「東京マラソン2021」を走ってみて感じたこと
感染拡大防止のために、ランナー以外はこのゲートから先には進めず、さらに体温チェックやナンバーチェックなど、しっかりとセキュリティも含めて徹底していました。
東京のど真ん中を走ることができるということだけでも、テンションが上がる「東京マラソン」。コースは見慣れた道や景色ですが、道の真ん中を走ってみると、また違う景色に見えました。
右から3人目が男子マラソンの世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ選手。生で見る彼のスピードは半端ではありません。©TOKYO MARATHON FOUNDATION
また当日は、男子マラソンの世界記録保持者であり、東京オリンピックの金メダリストであるエリウド・キプチョゲ選手や、女子の世界記録保持者であるブリジット・コスゲイ選手をはじめ、錚々たるランナーが勢揃い。
彼らと同じコースを走れることも、喜びでした。
スタート地点に移動するハナサキ。意気込みだけは負けていませんでした。
フルマラソンを走っている途中、ぼくは必ず一度は「どうして、お金を払ってまでこんなに苦しいことしてるんだろう?」と後悔するのですが(ゴール後は忘れて達成感でいっぱいになります)、今回はまったくそんなことありませんでした。
例年の東京マラソンに比べると、沿道の声援は少なく、ボランティアのスタッフの方も声援は自粛していましたが、見物客が途切れないのは東京マラソンならではの光景。それを体感できるだけでも、楽しかったです。
給水所のボランティアの方は声援を軸し、応援ボードでエールを送ってくれました。©TOKYO MARATHON FOUNDATION
声援自粛でしたが、拍手や「がんばれ!」「ゴールまであと少し!」「東京マラソン、とことん楽しもう!」など、励みになるメッセージボードもたくさん目にしたことで、終始楽しく走ることができて、ゴールまであっという間でした。
3時間28分55秒の旅は最高でしかなかった
街中にちらほら確認できる東京マラソンを盛り上げる演出。
今回まで一度もご縁がなかった東京マラソン。
ようやくランニングの神様が振り向いてくれたおかげで、エントリーできましたが、ぼくにとっては、これまで走り続けていたご褒美のような時間でした。
しかも、大会当日は、天候にも恵まれるというオマケ付き。
「東京マラソン2021」自体が2年ぶりの開催で、個人的にもコロナ以降初のフルマラソンというところもあって、とことん楽しむことを忘れずに走り終えることができました。
いつもゴール直後は、もうしばらくの間フルマラソンは出なくてもいいかなと思うんですが、今回ばかりはチャンスをもらえたらまた出たい! と即座に思えるほど、素晴らしい大会でした。
ゴール後は足が大変なことになっているので、立っているものやっとですが、心地よい達成感もまたマラソンの醍醐味です。
特に、コロナ禍においては、大会本部やボランティアの方々、沿道の方々のあらゆる協力がなければ、ぼくたちランナーも安心して走れません。走ることに集中できる最高の環境は、これまでのレースの中でも東京マラソンが最高レベル。
日本のみならず、世界中のランナーからも一目置かれるレースだということが、初めて体験して分かったこと。コース自体もさることながら、スタート前やゴール後のオペレーションが見事。
密にならないような工夫がそこかしこにあるなど、綿密なプランのもとで運営に携わるすべての方々が素晴らしかったと思います。
どうしても走ることの方に目が行きがちですが、大きな事故もなく、安心できる運営は、さすがと言えます。ランナーとしてではなく、いつかボランティアとして参加してみたいと思えるほどでした。
また次回、そしてその次と、この先もずっと「東京マラソン」をモチベーションに走り続けられたら本望です。
少しでもランニングに興味があるならば、東京マラソンを目指してはじめの一歩を踏み出してみて欲しい。きっとまた違う世界が広がるはずだから……。
もうひとつの東京マラソン、走ってみない?一般財団法人東京マラソン財団ではん「東京マラソン」のみならず、ランニングを通してさまざまな活動、企画があります。
現在エントリーを開始している「東京レガシーハーフマラソン2022」は、国立競技場をスタート・フィニッシュとする東京2020 パラリンピック競技大会マラソンコースを採用。ハーフマラソンという距離は、フルマラソンに自信がない方もぜひおすすめです。ぜひチャレンジしてみてください! 詳しくはこちら。
<東京レガシーハーフマラソン2022 開催概要>
開催日時:2022年10月16日(日)8:00 スタート ※以降、毎年10月第3日曜日に開催
コース:国立競技場をスタート・フィニッシュとする東京2020大会のパラリンピックマラソンコースを活用したハーフマラソンコース(21.0975km)
定員:15,000名
参加費:20,700円(参加料、参加記念Tシャツ、事前検査費用、参加費等返金保険料、事務手数料、消費税込み)
※チャリティランナーのみ、チャリティTシャツも提供いたします。
※完走者にはフィニッシャータオルを提供します。
疲労がたまったら着圧ソックスで疲労を抜こう
ランニング時のソックス、その重要性とは?
Photographed by Kosumo Hashimoto(1,3,7,9,10,12,14,15枚目)
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