この度、その記念すべき第1回目となるイベントがオンライン上で開催されたので、さっそくレポートをしていきます!
参加してみると、トップクリエイターたちを巻き込んだトークセッションや、学生向けコンテストの開催など、インテルの決意と本気度がひしひしと伝わってきました。
「インテル® Blue Carpet Project」とは?
まず、「インテル® Blue Carpet Project」ってなんだ? という多くの方のために、インテルの鈴木国正代表取締役社長がイベントの開催に至った理由を語りました。
クリエイターの表現手段が多様化したことに加え、クリエイティブな活動を行うためのPCやIoT機器などのデバイスが低価格化したことも影響し、クリエイションとテクノロジーの関係はますます密接なものになっていっています。
InstagramやYouTube、TikTok、Twitterなどのプラットフォームを活用して発信を続けるクリエイターたちは世界中で5,000万人を超え、クリエイター・エコノミーの市場規模は2021年5月時点で約1,042億ドル規模に拡大しているのです。(鈴木氏)
多くの人が、クリエイティブな活動を始める機会が増えているとのこと。さらに、次世代を担うクリエイターの育成において、教育機関との連携をとることの重要性についても話しました。
インテルのテクノロジーがクリエイティブな創作活動の中に介入することで、そこから生み出されていくコンテンツをより多くの人の元に届けることができるのではないでしょうか。インテルのコーポレートカラーである“ブルー”をプロジェクトタイトルに入れ、その青いカーペットの上でクリエイティブ活動を盛り上げていきたいと思っています。(鈴木氏)
つまり、インテルと若手クリエイター育成の場が連携することにより、さらにコンテンツをおおくの人に届けられるようになる、という思いのもと始まったのが「インテル® Blue Carpet Project」ということのよう。これはなんだかおもしろいことが始まりそうですね。
クリエイターをテクノロジーで支援する
説明したのは、インテル第二技術本部の安生健一郎部長。
では、具体的には何をするか。続いては、そんなイベントの概要について。
「インテル® Blue Carpet Project」では、当社のテクノロジーによってクリエイティブシーン全体の底上げをし、創作活動との橋渡しをしていきます。
クリエイティブの最前線で活躍するクリエイターが主役になれる機会を創出すること、そしてそこから生み出されていくコンテンツがよりたくさんの人々に届くように支援をしていくことがこのプロジェクトの目的です。(安生氏)
すでにプロとして働いている人はもちろん、次世代のクリエイターとなる可能性を秘めた学生たちにも、インテルの優れたCPUを搭載したPCを提供。最先端のテクノロジーで、彼らの可能性の拡大をサポートするそう。
また、今年の夏には「インテル® Blue Carpet Studio」を開催予定であることも発表。こちらは「インテル® Blue Carpet Project」の資産を最大限に活用したワークショップで、いわゆる優劣をつけるタイプのコンテスト形式ではないようです。
ワークフロー(制作過程)もあわせて発表する、いわば作品の展示会。クリエイター同士がディベートなどのセッションを行うことで、互いの創作意欲を高めあっていくことを目的としています。そしてこのイベントには、トップクリエイターとして第一線で活躍しているBlue Carpet Clubのメンバーも積極的に参加するんだとか。
他にも、Blue Carpet Clubのメンバーによる次世代クリエイターに向けたワークショップやメディア露出の支援など、インテルが持ち得るあらゆるコネクションを駆使して活動全般をサポートする体制を整えるつもりだと語り、今後このような祭典を年に数回のペースで開催していくといいます。
クリエイターが集結! Blue Carpet Clubって?
前述の「Blue Carpet Club」とは、インテルの活動に賛同したトップクリエイターを中心としたクリエイターズ・コミュニティ。
インテルがもつコネクションと最先端技術をクリエイターに提供し、活躍の場を広げるサポートを行います。しかし、これは一方通行の提供ではなく、インテル側もまた、多くのクリエイターたちにクリエイションを教えてもらうことで、今後のインテルの技術開発に生かしていくとのことでした。
つまり、クリエイションを双方からシェアし、高め合っていくコミュニティがBlue Carpet Clubなんですね。
気になるメンバーは?そんなBlue Carpet Club第一期メンバーは、ディレクター・CGデザイナーの西郡勲氏、アニメーション作家・ディレクターの稲葉秀樹氏、ティーアンドエス代表取締役社長 THINK&SENCE部プロデューサーの稲葉繁樹氏、CONDENSEリーダーでパフォーマーのToyotaka氏、こびとのくつ代表取締役社長 ビジュアルテクノロジスト・レタッチャーの工藤美樹氏、などなど、さまざまな分野のトップクリエイターが名を連ねています。
パートナー(企業や教育機関)も続々発表!クリエイター以外にも、数多くの企業や教育機関がパートナーとしてこのプロジェクトに参加しています。
PCメーカーの「LAVIE」「VAIO」「dynabook」や、カメラメーカーの「Canon」「LUMIX]、周辺機器メーカーの「EIZO」。
ソフトウェアメーカーの「Adobe」や、クリエイティブカンパニーの「THINK&SENCE」「PIXTA」「CrowdWorks」、さらには学校教育関連の「東京藝術大学」「VOOK」「工学院大学」「デジタルハリウッド大学」などなど……、実に多種多様なパートナーが紹介されました。
バーチャル空間にもアートは必要
プロジェクトの概要についての説明が終わると、続いては京藝術大学副学長大学院映像研究科の岡本光子教授からの挨拶があり、
芸術は学ぶものであり、NFT(非代替性トークン)も大学や芸術家に対しても何かしらのメリットがあるのではないかと考えています。
バーチャル空間においてもアートや心のゆとりのようなものが必要です。そういった観点からすれば、東京藝術大学が寄与できる部分があるのではないかと思います。
と語りました。
アートとテクノロジーはいまや切り離せない関係。技術が進化するだけ、新しいアートの可能性を模索できることができると思わされます。
トップクリエイターによるスペシャルクロストークも開催
続いて行われたのはIMAGICA EEX COOの早川正祐氏をモデレーターに、Blue Carpet Clubのメンバーでもある松山周平氏、西郡勲氏、工藤美樹氏をゲストに迎えたトークセッション。
トークテーマは、「プロのクリエイターの見せ方の工夫について」「クリエイティブとテクノロジー」「現場を経験して感じる必要なチカラ」についての3つでした。これらの問いに対して、3人は以下のように述べています。
歴史や理由など、ものの本質を見極めることが重要です。テクノロジーは創造性の拡張を促すツールです。テクノロジーの進歩によって、今までは思いもしなかったことができるようになったりします。
また、現場では決して一人で抱え込まず、それぞれの知見をシェアしたり、ときにはお互いを鼓舞しあうことも必要です。(松山氏)
(プロのクリエイターの見せ方の工夫については)自分の中にあるイメージに近づけることが大切です。テクノロジーは今で言うところの“エモさ”を表現する手段です。夢を語り続けましょう。恐れずどんどん自分を発信していくことが大事です。(西郡氏)
テクノロジーはクリエイターを新しい世界に連れていく乗り物だと思っています。アートは答えのない問いですが、突き詰めていくと個を破って全体に至るような感覚になります。その境地に至るまで、自分が表現したいことを諦めずに追求する姿勢をもつことが大切です。
学び続けること、諦めないこと、新しい技術を楽しみながらキャッチアップすることが肝心です。(工藤氏)
クリエイターの仕事環境を覗き見!
クリエイター必見のトークセッションの後には、実際にクリエイティブ業界をけん引する彼らの実際の制作風景が公開されました。
パートナー企業であるティーアンドエス THINK&SENCE部のエンジニアである谷崎文香氏と、CONDENSEのToyotaka氏は、インテルのOpenVINO(AIモデルの作成方法が分からない学生やエンジニアでも簡単なAIプログラム、サービスを作成できるソフトフェア)を使用して制作したミュージックビデオを実例に、制作過程で感じたことや使い方などの制作秘話を語りました。
物理認識やセグメンテーションを利用して、特定の物体のみに被せられるマスクを生成し、書き出すシステムを構築しました。OpenVINOが書き出した映像にリアルタイムに合成を行うことで、たとえば人間だけにエフェクトをかけたり、逆に背景だけにエフェクトをかけることも簡単にできるようになりました。(谷崎氏)
ダンスの早い動きにもしっかりついてきて、手足をどれだけ激しく動かしても人間だと認識するのがOpenVINOの強みだと思います。
またストリートダンスでは身体や動きで波や幾何学模様などを表現します。しかし、例えば手で四角を作ると、OpenVINOはそれを人ではなくスマートフォンだと認識します。これはおそらく、ストリートダンスでは初めての観点だと思います(Toyotaka氏)
続いて、こびとのくつ代表取締役社長の工藤美樹氏は、デスクやオフィスなど自身の職場の風景や制作環境を公開しつつ、作品の制作過程も詳しく紹介しました。
私は20代半ばまでは油絵や陶芸、書道を学ぶアナログタイプで、その後、デジタルでレタッチの仕事をするようになりました。レタッチというと肌の修正など補正の部分を思い浮かべる方も多いと思うのですが、私の場合はひとつのクリエイションとして一から絵を仕上げていきます。
大きなポスターサイズのデータも扱うので、ひとつのファイルが45GB近くになることもあり、また一年のうち360日はAdobeのPhotoshopを起動しているので、サーバ並の安定性と耐久力が必要なのです。(工藤氏)
さらに、才能・興味の客観的把握や、地道な努力こそが能力を解き放つ鍵であること、プロフェッショナルとして生きることの責任感と使命感、ネガティブ・ケイパビリティを持つことなど、クリエイティブな業界で生き残るためのキーとなるポイントも併せて発表。
クリエイターでなくとも思わずメモを取りたくなるような、有意義で充実した時間となりました。
学生向けのコンテストの実施予告の発表も
コンテストを発表する工学院大学の伊藤慎一郎学長
工学院大学のキネティックウォール
また、工学院大学のキネティックウォールを彩る「新宿 壁フェス2022(仮)」というコンペティションが実施されることも発表しました。こちらは全国の理工系大学生、高校生、SSH校が対象だそう。
前回開催時の様子
また、美大芸大専門生向けのコンテストとしてプロジェクションマッピングプロジェクトも開催予定。
こちらは4月に応募説明会が開催され、7月には一次選考を通過した人を対象としたワークショップが開かれるとのことです。
トップクリエイターの意見が聞ける貴重な機会なので、次世代のクリエイターたちとって大きなチャンスとなるのではないでしょうか!
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