場所:熊本県熊本市
広さ:39㎡/1LDK
家賃:65,000円
住宅の形態:築1年 賃貸アパート
間取り図:編集部作成
お仕事柄、たくさんの住まいに関わられている福住さん。近年おうち時間が増える中で自身の暮らしにも変化をつけようと、広々としたこの物件に移り住みました。
そんな福住さんのお部屋には、日々を楽しみ、穏やかに過ごしていくための工夫がたくさん。自身が毎日を充実して過ごすための部屋づくりについて伺いました。
■目次1. お気に入りの場所
–寝ることに集中できる、仕切りつきの寝室
–毎日清々しい気持ちになるキッチン
2. この部屋に決めた理由
3. お気に入りのアイテム
–気持ちをリセットするアロマフォーススプレー
–受け継がれた歴史を感じさせるフラワーベース
–心を落ち着かせてくれる照明たち
–つくり手の思いを感じる「kikiキャニスター」
4. 暮らしのアイデア
–自分が好きなものだけで暮らしを構成する
–場所だけ決めてざっくり収納する
–気分で選択できる暮らしづくり
5. これからの暮らし
お気に入りの場所
寝ることに集中できる、仕切りつきの寝室以前は1Kの部屋に住んでおり、寝室という概念がなかったという福住さん。今回の住まいでは寝室づくりをすること自体が新鮮だったのだそう。そのワクワク感が表現されたような寝室は、お部屋の中でも特にお気に入りの空間となっていました。
「ヴィンテージのキャビネットには、ボシャルウィットとアンティークのペンダントライトなどを飾っています。キャビネットにお花を飾ったら、コーディネートが完成するんです。夜は暗めの灯りにして、キャンドルで癒されていますね」
壁に飾られているドライフラワーは、行きつけのお花屋さんで寝室用につくってもらったもの。
「大物のインテリアは前から使っているものばかりなのですが、一緒に置いて馴染むアートやアイテムを加えていけたらと考えています」
「日々の暮らしの中で疲れたなと感じた時は、少し早めにベッドに入ってゆっくりする時間を大切にしています。リビングと仕切れる住まいになった分、寝ることに集中できるようになったのがよかったですね」
毎日清々しい気持ちになるキッチン倍近く広くなったというキッチンは、使い方も過ごし方もできることが広がり、居心地のいい空間になっていました。
「前の住まいでは作業スペースも限られていて、なかなか何かやろうという気が起こらなかったのですが、広くなったことで料理やお茶の時間が楽しめるようになりました」
「コーヒー豆やハーブティーの入ったガラスキャニスター、ポット、グリーンやお花を飾っていて、お気に入りのものたちが目に入るたびにキュンとしてます」
キッチンに飾られているグリーンの中には、弟さんがつくられたというものもありました。白が基調の空間ということもあり、こうした色合いがより映えて見えますね。
「キッチンからの眺めも好きですね。真東に掃き出し窓があって明るく、毎日清々しい気持ちになれます」
毎日必ず立つ場所だからこそ、気分が上がる空間にすることが、日々の暮らし全体を豊かにしてくれることに繋がりそうですね。
この部屋に決めた理由
おうち時間を楽しめる、広くて明るい空間コロナ禍でおうち時間が増える中、新たな住まいで暮らしに変化をつけようと考えられた福住さん。ネットで間取りを見る中でピンときたという現在の住まいは、実際に足を運んでから即決したほどに気に入った空間だったのだそう。
「前回の住まいが1Kで少し窮屈だったこともあり、広めのお部屋を探していました。偶然見つけたこの住まいは日当たりもよく、趣味の写真が家でもたくさん撮れそうで、内見で訪れた日に即決できましたね」
「適度に収納はありつつ、内装の色合いにクセのないシンプルな部屋だったこともよかったです」
シンプルだった住まいを、1年でここまで整った空間に変身させた福住さんのコーディネート術にも驚かされますね。
お気に入りのアイテム
気持ちをリセットするアロマフォーススプレー1日の始まりから終わりまで、暮らしの中で、気分を変えるタイミングとして使われていたのがアロマなどの香りもの。特にお気に入りなのが、Ayame Organicのアロマフォーススプレー。
「日々の暮らしの中で、いいこともあれば大変なこともたくさんあるので、できるだけフラットな状態に戻せるタイミングづくりを大切にしています。
香りものはお気に入りのお店で定期的に購入しています。サードメディスンで自分の状態に合ったアロマを調合したオーダーメイドの香水、掃除や部屋の芳香としても使える精油、ルームスプレーは手放せないアイテムですね」
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受け継がれた歴史を感じさせるフラワーベース住まいに彩りを与えるお花たち、それらを飾るフラワーベースもまた、大切なアイテムの1つとなっていました。中でも一番のお気に入りだと話されていたのが、ご家族の実家で見つけられたサントリーのガラスピッチャーなのだそう。
「最初は少しずつ住まいに足していったお花が、今では本当に欠かせないものになりました。生花は大好きなお店で購入し、花瓶はいただいたものや陶芸でつくったもの、リサイクルショップで見つけた掘り出し物などいろいろです。特に祖母の実家で見つけたガラスピッチャーは、受け継がれた歴史とデザインの可愛らしさを感じさせてくれるアイテムになっています」
フラワーベースはブランドや価格などで決めず、琴線に触れたものを集められているという福住さん。
「いいものはたくさん世の中にあると思うのですが。自分が大切にしたい物を見つけ、どうセレクトしていくかが、コーディネーターという仕事柄もあり、お部屋づくりの楽しいところだと感じますね」
肩肘張らず、自分にとって好きなものを中心に空間をつくっていくことが、より居心地のいい住まいづくりに繋がっていそうですね。
心を落ち着かせてくれる照明たち住まいでの時間が心落ち着くものになるようにとセレクトされていたのが照明たち。スマート家電なども増えていく中で、あえて「スイッチを入れる」行為を大切にされていました。
「今使っているアングルポイズと木のペンダントライトは、福岡のアンティークショップeelで購入しました。どちらも照明としての機能性はもちろん、デザインの美しさも気に入っています」
「仕事でデンマークの暮らしについて話を聞く機会があり、『家に帰ってパチ、パチ、と部屋中のランプの明かりをつけて回って、室内がじんわりと明るくなっていく』という暮らし、営みについての話を聞いた時に、とても素敵な暮らしのシーンが目に浮かんで、いいなと思ったのがきっかけで照明の使い方が変わりました」
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つくり手の思いを感じる「kikiキャニスター」キッチンで使われていたDRAMA STUDIO(ドラマスタジオ)の「kikiキャニスター」は、福住さんの職場が手がけるYARDで販売されていたもの。
「お店自体が作家さんの想いのある商品を厳選して取り扱っているのですが、その中でさらに自分でも気に入ったものとして大切に使っています。木の削り出しでつくられたこのキャニスターは、使うときはもちろん、使わずに目にはいるだけでもキュンとしますね」
暮らしのアイデア
自分が好きなものだけで暮らしを構成する住まいを見渡すと特定のブランドやメーカーで揃えられたものはほとんどなく、福住さんが好きだと思えるもので構成された様子が伺えます。
「昔はSNSで多くの方が使っているものが自分の欲しいものだと思っていたころもあったのですが、だんだんと自分が本当に好きなものだけを選んで使いたいという思いが強くなっていきました」
「住まいをつくる上でも新しいものや特定のジャンル、ブランドだけでコーディネートするより、バラバラでも自分が本当に好きだと思えるものでお部屋づくりをしています。古くても味わいがあるものや、生花や観葉植物など定期的に変えられるものも混ぜるのが好きです。好きなものに囲まれた暮らしは、自分自身も大切に扱える気がしますね」
場所だけ決めてざっくり収納する暮らしの中で無理なく、でも散らからない整ったお部屋づくりのために意識されているのが、場所だけを決めたざっくり収納。
「シンデレラフィットのような決めすぎた収納が苦手で、片付けが負担になりすぎないように、場所と入れ物となる籠などだけを決めて、後はざっくり収納するようにしています」
「つくり手さんや販売者さんの想いに共感して購入することが多くて、見ていて気分が上がるものは隠さず、ディスプレイ感覚で飾って収納することも意識していますね」
気分で選択できる暮らしづくり決め込みすぎない暮らしは収納だけでなく、普段の生活の中でも意識されていました。
「ブランドや種類にこだわりすぎず、その日の気分で選択できるようにすることを大切にしています。香りや入浴剤、ハンカチなどの身につける衣類や、コーヒー、紅茶などの口にするものまで、日々のルーティーンで好きなものから選べる感覚が楽しく心地いいです。何でもない日もいい日にできる気がします」
これからの暮らし
挑戦と体験で伝えていける部屋づくりお部屋づくりに工夫をこらすことで、日々の心地よさを大切にされている福住さん。実生活を通じて暮らしへの知見が溜まり、仕事にも広がりを見せているそう。
「仕事で住まいを提案する身として、自分の暮らしを通じて生活を擬似体験するという意識を大切にしています。新築やリノベーションを自らが行っていなくても、使うものやコーディネートを部分的でも自分の生活に取り入れて試してみることが、自信をもって提案する上では大切だと思っています」
「その観点で今、興味があり、挑戦したいことは、アートを取り入れた暮らしです。勉強して部分的にでも暮らしに取り入れてみたいですね。
将来的には植物や花が育ちやすくて、家具やインテリアと一緒に暮らしになじむ家に住みたいです。部屋中を植物だらけにしたいとかではなく、好きな花を中心に、花のある暮らしや部屋づくり、家づくりを考えてみたいですね」
小さな変化はつけつつも、今の心地よい暮らしやフラットな気持ちに戻れる部屋づくりはこれからも大切にしていきたいと話す福住さん。
日々、多くの気づきが芽吹く部屋から、現在の住まいはもちろん、提案を通じてお客さんのお部屋にもたくさんの心地よい空間の花を咲かせていきそうです。
Photographed by tsubottlee
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