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山の見える団地で暮らす。DIYや古道具を取り入れた53㎡ふたり暮らし(香川県)|みんなの部屋

2021/12/15 14:00 投稿

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香川県は市街へのアクセスもよく利便性もありながら、穏やかな瀬戸内海と徳島県との県境に連なる讃岐山脈の自然に挟まれた住みよいエリア。

中心部から車を走らせた先に、今回ご紹介する奈央さんの住まいはありました。

お名前(職業):奈央さん(建築関係/インテリアコーディネーター)
場所:香川県
広さ:53㎡/2LDK
築年数:41年
住宅の形態:団地
間取り図:

 

普段はインテリアコーディネーターとして住まいに関わられる仕事をしている奈央さん。休日は山へと足を運んでは景色や食事を楽しまれているそうです。

そんなアクティブなライフスタイルだからこそ目指されていたのは、「帰りたくなる家」でした。憧れだったと話す団地での暮らしと心落ち着く住まいづくりの工夫についてお話を伺ってきました。





お気に入りの場所

古さに愛着の湧く台所

あえて「キッチン」ではなく「台所」と呼んでいる調理場は、昔の収納棚などで懐かしさが残る場所。作業兼収納棚をDIYし、機能面でも使いやすい空間になっていました。

「この古さに愛着が湧きますね。毎日立つ場所なので、気に入ったものを置きたいという気持ちで整えています」

収納棚の一部は扉を外して、見せる収納に。使用頻度の少ない季節ものの土鍋やガスコンロ、夏もののグラスなどを収納していました。

キッチンペーパーホルダーはご自身で付けられたもの。

「最近、同棲をはじめて冷蔵庫が大きくなったので、キッチン収納を減らさないといけなくなりました。今はキッチン横のカーテンレールにS字フックを付けて、吊るす収納も活用しています」

大好きな古道具に囲まれたリビング

大きな窓から光がたっぷり入るリビングは、奈央さんの好きなインテリアと小物に囲まれた空間。

「昔から集めている本や、雑貨、定期的に購入する植物と、とにかく好きなものに囲まれた落ち着く空間です」

本棚にはもともと靴箱だったものを活用し、雑誌や古道具の入ったはDIYで作成したもの。テレビ台にはりんご箱を活用。

それぞれ用途も手に入れた場所もバラバラであるにも関わらず一体感があり、味のあるインテリアとしてよりお部屋を魅力的に見せていました。

収納の工夫が光る趣味部屋

リビング横は趣味部屋として活用。押入れは襖を取って大好きなアウトドアギアを収納するスペースとして活用していました。

「コロナ禍の最初はリモートワークのスペースとして活用していたのですが、少し落ち着いた頃に2人とも好きだったアウトドア用品のためのスペースに変更しました。今では休みの日にここから荷物をさっと取って山へと出かけています」

収納には、有孔ボードとカゴを効果的に活用。

カバンや帽子は有孔ボードを活用した掛ける収納に、置き型のアイテムは端にボックスで仕分けて、いつでも取り出しやすいようにしていました。

逆に使用頻度が低いものはカゴに入れ、天袋スペースで保管。それぞれに違った表情のあるカゴは、インテリアとしても魅力的ですね。

山登りが特に好きだと話す奈央さん。山で拾った好みの石などもまとめてディスプレイしていました。

以前押入れを使っていたリモートワーク用の場所は、ひとり用のデスクへとお引越し。こちらはお知り合いが住まいをリノベーションするときに譲ってもらったインテリアなのだとか。歴史を感じるつくりは、しっかりとしていて存在感がありますね。

この部屋に決めた理由

山の見える団地での暮らし

ご実家も近い高松市内での暮らしから、転職などを機に探したのは、かねてより住んでみたかった土地での暮らし。これまでよりも落ち着いたエリアで団地暮らしを理想に、物件探しをはじめたのだそう。

「これまでよりももう少し田舎で、団地暮らしを目指して物件を探しはじめました。何軒か内見した後で訪れたのが今の住まいでしたが、その日に即決したほどピンと来た住まいでした」

「住まいに入った第一印象として、それまで見てきた壁紙や床を新しくした住まいではなく、所々に昔の名残や古さが残ったリノベであったのがよかったんです。

そして何より一番の決め手は景色でした。部屋の窓から見える山に心奪われたんです。山にある団地のため、自然に囲まれてとてものどか。帰宅するための最後の坂道を登るたびにテンションがあがります」

残念なところ

山が近いがゆえに気になる寒さ

念願の団地住まいということで、古さゆえの不便なことはありつつも気になるほどではないと話す奈央さん。

「水回りなど古さを感じるところはありますが、不便さはないですね。強いて言えば山の方なので冬が寒いくらい。エアコンじゃ全然暖まらなくて、ストーブとブランケットで凌いでいます」

お気に入りのアイテム

台所をより使いやすくしたDIYの作業台

お気に入りのスペースである台所をより使いやすくしているのが、DIYでつくったという作業台。シンクの作業スペースの狭さをカバーする、なくてはならないインテリアになっていました。

「この作業台があることで、台所がとっても使いやすくなりました。こういう動作のときにこれがあったらいいよねみたいな、使い勝手を自分で考えながらつくるのが好きなんですよね」
 

「収納も使いやすいように2段にしています。下の段は布を使って隠す収納に。上の段は料理の際に読む本や器など、使用頻度が高いものを収納しています」

靴箱をリメイクした本棚

お部屋の壁面と同じ白をベースとした本棚は、もともと靴箱として使われていたもの。出会いのエピソードと意外な機能性が光っていました。

「仕事関係で工事現場から廃棄される予定だった棚を、大工さん、お施主さまから譲っていただき、自身でリメイクしました。色を塗ろうかとも考えたのですが、置いてみると壁の色合いとも合って違和感がなく、そのまま使っています」

「もともと靴棚だったこともあり、可動棚になってるんです。自分で抜かないといけないんですけど、収納するものに合わせて高さの変更が可能なので、とても便利ですね」

ついつい迎え入れてしまうスツールたち

室内の各所に置かれていたスツールたちは、どれも思い入れのあるものばかり。使い勝手のいいインテリアなのだそう。

「母から譲り受けたものや蚤の市、古道具屋さんで購入したものなど、手に入れた場所はバラバラですが、どれもデザインが好きで気に入っているものばかりです」

「座るためとしてはもちろん、植物を置くスペースとしてなど用途はさまざまです。部屋の中では使い切れていないものもあるので、友人からは何人家族なのかとツッコミが入ることもしばしばです(笑)」

暮らしのアイデア

「帰りたくなる家」をつくる

家での時間を大切にされている奈央さん。住まいの整え方にも日々の心がけがありました。

「自分のお部屋をつくる上でも大切にしているのは、帰りたくなる家をつくるということです。仕事をしていると、家にいる時間は少ないけれど、その少ない時間がほっと落ち着けることはすごく大事だと思います。疲れたときにも、“早く家に帰りたいな”と思える家にしたいなと思っています」

「綺麗に片付きすぎているより、程よく住まいに生活感がある状態が好きなんです。片付いてなさすぎるともちろんストレスになるので、例えば朝行くときにせめて洗い物だけしていくとか、テーブルの上だけ拭いていくとか、そういう、出るときも帰ってからも心地よいと感じる小さな取り組みを大切にしています。完全に自己満なんですけどね(笑)」

見せる収納で常にお気に入りの何かが見えることも「帰りたくなる家」に繋がるポイントなのだそう。愛着の湧く住まいづくりは日々の暮らし全体をよくしてくれることにも繋がっていくんだなぁ。

「仲間外れ」をつくらない

落ち着ける空間づくりをする上で新しいものを迎え入れる際、それが今あるものの中で仲間外れにならないかは常に考えているそう。

「新しくものを追加するときに違和感が生まれないように、共存し合えるものを選ぶようにしています。何でもかんでも好きなものばっかり買ってしまうと空間の世界観が合わなくなってしまうので、家に入れるときに合うかなというのは常に考えて買うようにしていますね」

住まいと相性が合うものが見つかるまではとことん粘ると話す奈央さん。お気に入りの時計が壊れてから1年経った今もまだ、ピッタリのものが見つからずに探し続けられているというエピソードに、確固たる信念を感じました。

これからの暮らし

大好きな山の中で住まいを手掛けてみたい

山やアウトドアが心から好きな奈央さんだからこそ、理想はより山に近く、自然に囲まれた住まいで暮らすことなのだそう。

「まだまだ妄想レベルなのですが、次に住むならもっともっと田舎の山の中にある、古い平屋の一戸建てが理想ですね。自分で住まいを手掛けたり、考えたりするのもすごく好きなので、好きなようにリノベーションして住んでみたいです」

話せば話すほど山への愛が溢れる奈央さん。最後に、そこまで惹かれてしまうきっかけはなんなのか聞いてみました。

「最初はシンプルに山で食べるご飯が美味しく感じたことだったんです。何気ないご飯でも環境が変わるとこんなに感じが変わるんだということに驚きました。今もなおその感動は変わらなくて、そうした暮らしが日常になるような山での暮らしが叶えられたらなと思います」

取材数日後のInstagramのタイムラインには早速、有孔ボードにかかるバッグと大山に向かう写真があがっていました。この先も山の景色、そして帰りたいと思えるお部屋の風景がいくつも連なって理想の暮らしへ続いてるようです。

Photographed by tsubottlee

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