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移住で家賃半分、広さは1.5倍に。シンプルな賃貸マンションをふたりでアレンジして暮らす(奈良県奈良市)|みんなの部屋

2021/11/24 12:30 投稿

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奈良県は、有名な寺院や芸術作品も多く、歴史ある街並みを残す奈良市。

近隣の府県にもアクセス可能な最寄り駅から歩いて数分の集合住宅街に、今回ご紹介する一貴さん、純子さん夫妻のお住まいはありました。

お名前(職業):一貴さん、純子さん(ともに会社員+自営業者)
場所:奈良県奈良市
広さ:80㎡ 3LDK
家賃:90,000円
築年数:34年
住宅の形態:マンション
間取り図:

絵:純子さん

 

純子さんの転職をきっかけに移住した奈良の住まいは、東京に住んでいた頃の約半分の家賃にも関わらず、以前の1.5倍近い面積の広々とした空間。

お仕事でまちの人々と密接に関わり、愛着のあるものたちに囲まれながら磨かれているお部屋について、お話を伺ってきました。




お気に入りの場所

好きなものしか置いていないリビングダイニング

おうちの中で特に滞在時間の長いリビングダイニングは、居心地のよさを重視してアイテムを選んだ空間。

「ゆっくりくつろげるソファスペースと、ふたりで食事やお茶の時間を楽しむダイニングで家にいるほとんどの時間を過ごしています。食器棚カウンターも作業が行いやすく、お気に入りです」(純子さん)

光がたっぷり入る南向きの部屋ということもあり、リビングダイニングはとにかく居心地がよさそう。ダイニングテーブルもソファもふたりにピッタリなサイズ感になんだかほっこりしました。

使い勝手のいいキッチンカウンター

カウンターキッチンへの憧れからはじまり、作業スペースを増やすために購入したというのがキタジマの業務用スチールラック。これがとにかくあってよかったと思える使い勝手のいいスペースなのだとか。

「お部屋を考える際にいつもレイアウトを書き出すのですが、このスペースの空きが気になったのと、食器棚を置きたいという思いもあり目に入っても気にならない無骨なものを探しました。

注文時に買い間違えて想定より大きめのものが届いてしまったのですが、その分、作業面積が広くなって使い勝手のいい空間になりましたね」(純子さん)

「料理を置くスペースとしてはもちろん、宅配便の荷物を開けたり、お部屋に飾る花を生けたりと、あってよかったと思える空間です」(純子さん)

「夜にiPadで映画を見たり、ちょっといいお酒を楽しんだりするときにバーのような感じで使うこともあります。ダイニングやソファスペースとまた違う目線や雰囲気で過ごせるのがいいですね」(一貴さん)

やりたいことを詰め込んだ押入れデスク

和室は全面、ご主人がワークスペースとして手掛けられた空間。大型モニターとネオンが光り輝く押入れデスクは、和室であることを忘れてしまうクールな世界観がつくりあげられていました。

「最初はワークスペースとして使う想定ではなかったんですが、スペースとして押入れが余っていたのと襖のデザインが可愛くなくて外した際に、机として使えるんではないかと思うようになりました」(一貴さん)

「襖を全て外すとスペースが広く取れたこともあり、大型のモニターを購入することができました。広さは正義だと感じましたね(笑)」(一貴さん)

デスクチェアは胡座をかいて座れるほど座面が広く、畳を傷つけないように脚の接地面積が広いものを活用されていました。これは作業が捗りそう。

「押入れのフレームに好きなものを集めて囲まれている感じが秘密基地っぽくて好きです。仕事をするにあたって、こうしたテンションが上がる空間は大切にしています」(一貴さん)

本好きのふたりが厳選した本棚

寝室にはIKEAの本棚。本が好きで毎週のように本を買っているというおふたりが、特に目に入る場所に置いておきたいと選び抜いた本が並んでいました。

「引越しを繰り返す中で、その都度、持ち続ける本は見直しています。それでもやっぱり減らなくて物置スペースに段ボールで詰め込んだものもありつつ、ここには度々手に取りたくなるものだけ絞り込んで置いていますね」(一貴さん)

ベット下を覗くと、ここにもビッシリ本が収納されていました。本当に好きなんだなぁ……。

この部屋に決めた理由

理想の環境が叶う極力シンプルな部屋

おふたりにとって縁のなかった奈良の土地。最初は純子さんの仕事の都合で、単身で住む場所を探すことになったのだそう。

「当時、東京にいた夫がこちらに来ても大丈夫なように、京都からの新幹線も利用しやすい立地で探していました。そのほか仕事のできるスペースがあることや、ふたりとも本が好きだったので書店の近くなど、いくつか条件を設定しました」(純子さん)

東京と同じ家賃でも物件の選択肢は広がるため、リノベされた住まいなども視野に入れて探し始めたものの、いい物件に出会えず。それであれば自分たちで手をかけていこうと探されたのは極力シンプルな住まい。

「東京の住まいでは機会がなかった団地のような住まいにも憧れがあって、このお部屋はそうした雰囲気と真っ白な空間、日当たりのいい南向きの大きな窓も気に入って決めました」(純子さん)

残念なところ

クセのある水回りの壁面

シンプルな空間を目指されていたからこそ、気になってしまったのはクセのある部分。LDKと対照的に水周りはおふたりが気になる見た目になっていました。

「ピンクタイルのトイレにブルータイルの浴室と、メインルームとは対照的な水周りのデザインに思わず困惑してしまいました。白壁でよかったのに……(笑)。

古さが残るリノベになっていて、自分たちで手を加えるにも水周りは難易度が高いため、どうしても気になり続けてしまいますね」(一貴さん)

お気に入りのアイテム

居心地のよさがどこでも叶うソファ

リビングスペースでふたりの心を掴んで話さないMOMO NATURALのソファは、東京生活から使い続けている愛着のあるインテリア。

「大人が横になれるぐらいの大きさのソファが欲しかったんですが、前の家の入口玄関が狭くて動線的に大型のソファの搬入が難しかったんです。そこで解体的できるものかつ、ヴィンテージっぽいものをと探す中で行き着いたのがこのソファでした」(純子さん)
 

解体できる機能性を活かして、奈良に引っ越した今も大活躍のソファですが、ご主人から見ても居心地がいい場所になっているそう。

「十分にくつろぐ上では座面の奥行きと、背もたれにもなる肘掛けがあるのはよかったですね。まさに身を任せて読書や作業に集中できます」(一貴さん)

食の写真が映えるローテーブル

お仕事柄、食に関する写真を撮る機会が多い純子さんが3年悩んで選んだのが、THE DAY STACKのローテーブル。ヘリンボーン柄の天板が美しいインテリアです。

「食が美味しく写るようにと撮影用に買ったと言っても過言ではないインテリアです。実際に名古屋のお店にも足を運んでみて、天板とアイアン脚の組み合わせのインダストリアルっぽい雰囲気が気に入り、購入しました」(純子さん)

エピソードが浮かぶ器たち

食のためにテーブルを選ぶほどの純子さんだからこそ、よりその食に近い器にもこだわりがありました。

「食への思い入れが強い分、その見た目や味にまで影響を与える器へも関心が強くなりました。実際に窯元に足を運んでお話を伺ったり、食器が好きな友人から紹介してもらったり。どれも購入したときのエピソードが語れるくらい思い入れが強いですね」(純子さん)

「特に鳥取県の岩井窯さんで購入した器は、チゲなどのスープはもちろん、グラタンなどにもピッタリです。外側の鈍色と内側の釉薬による照りの組み合わせがとても気に入っていて、使う度にテンションが上がりますね」(純子さん)

思わず衝動買いしてしまったマルチカバー

普段のモノ選びはじっくり時間をかけるご夫妻が、思わず衝動買いしてしまったと話すのがSlowdown Studioのマルチカバー。寒い日の膝掛けはもちろん、ソファにかけているだけでも絵になるアイテムです。

「なかなか手に入らないものだったこともあり、見かけて気に入ってからすぐ購入しました。大型の家具と違って、購入した後に使い道を考えられる雑貨類は、好みに合えば思い切って購入することも多いですね」(純子さん)

暮らしのアイデア

吊るすで増やす収納スペース

住まいの中で印象的だったのが吊るす収納。植物も小物もバックも吊るされて使いやすくなっていましたが、特にオススメだというのがマグネットフック。

「Amazonで購入したよくあるマグネットフックなのですが、これが大活躍しています」(純子さん)

「耐荷重量が十分にあるのがいいんですよね。そんなに重たいものでなければ気兼ねなく掛けられます」(一貴さん)

「前の住まいからキッチンでは吊るす収納を多く使っていたのですが、今回の住まいで玄関ドアの箒を吊るそうとしたことをきっかけに、マグネットフックの便利さに気づきました。吊るすことで収納スペースも増やせるし、持ち出しや片付けもしやすくなるのでオススメです」(純子さん)

見ているだけで幸せになれる愛着の湧くモノ選び

モノ選びでは、愛情が湧くかどうかを大切にしていると話す純子さん。思い入れのあるものたちだからこそ、しっかり目に見える、見せる収納が中心になっています。

「長く使うものであれば多少高価でもいいもの、大切にできるものが選び方の基本にあります。愛着があるからこそ、出していると幸せな気持ちになりますね」(純子さん)

お部屋のコーディネートにおいては、ベースの家具はややメンズライクでベーシックな色合いのものに。ファブリックや生花で可愛さをプラスしていました。

「東京での最初の住まいでは、お互いのひとり暮らしの部屋のカラーが全然違っていて、家具が合わないこともありました。ただ暮らしの中で徐々にお互いが心地よいものが分かってきて、この住まいになってからは部屋づくり中に揉めたことは一切なかったですね」(一貴さん)

これからの暮らし

和室を楽しめる部屋づくり

今は一貴さんの仕事場としてのみ使われている和室は、今後もっと楽しみ方を増やしていきたい空間なのだそう。

「東京での住まいにはなかった広い和室を、もっとくつろげる空間にしたいなと思っています。ずっと使い続けたいと思えるちゃぶ台を探していたのですが、ようやく見つかったので、まずはそれに向けて貯金ですかね」(純子さん)

2拠点で自然と触れ合える住まいへ

もしも住まいが変わるなら?という問いに対して語られたのが、自然溢れる住まい。川辺で今の住まいよりももっと多くの植物に囲まれる暮らしが理想にありました。

「広いベランダ、ルーフバルコニーで植物を育てたり、ぼーっとビールを飲んだり、BBQができるたりするようなスペースが住まいにあったらいいなと思います」(純子さん)

「東京での住まいと比較して家賃が安くなった分、別の拠点があっても面白いかなと思ったりもしますね。

奈良も山手の方で水周りなどがまだ古い一軒家だと安く手に入るようなので、平日は今の住まいで、週末などまとまった休みのタイミングでは自然豊かな土地で住まいを整えながらの2拠点生活も面白そうです」(一貴さん)

純子さんには、奈良のクリエイターさんたちと仕事をする中ですごく印象的だった言葉があったのだそう。

「『目の前で困難に出会しても、少し外に目をやれば数千年前から流れている川や遥か昔に建てられた歴史的な建築物があって、自分が悩んでいることは大したことではないように思えてくる』という話を伺ったときに、この土地の力を感じたんです」(純子さん)

新しい土地での住まいと人との出会いが、暮らしに、そして人生観に大きな影響を与えたと話すおふたり。

歴史あるまちの中で、ご夫妻の目指すライフスタイルもまた、この土地の次なる歴史を築く大切な役割を担っているようでした。

Photographed by tsubottlee

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