そう思って買ってみるも、意外に面倒くさかったりしてなかなか実際に作るところまでいかないのって、料理本あるあるなんじゃないかなと思います。
そんなジレンマをかかえていた私が、実際に毎日の生活に取り入れて、自炊ルーティーンの中で運用することのできた料理本を、作ってみた料理とあわせて3冊紹介します!
おかずがなくても幸せ…
一冊目は、料理家であり文筆家でもある高山なおみさんの『実用の料理 ごはん』。
目次を開くと、卵かけご飯や炊き込みご飯、おこわにちらし寿司、混ぜご飯から丼まで、お米+αで完成するレシピがたくさん。
そしてタイトルに「実用の料理」とあるだけあって、どのレシピもシンプルかつ簡単で、素材のうまみをしっかり味わえるものばかり。
白米とおかずを別々に作るとなかなか手間がかかってしまうところですが、ごはんだけで完結させてしまえれば、その分手間も洗い物も減らせます。
毎日の自炊に取り入れやすい、合理的なレシピ集なわけですね。
中でもよく作っているのが、炊き込みご飯。
具材を全部炊飯器や土鍋に突っ込んで、そのまま普段どおりお米を炊くだけで、おいしい一品が完成してしまうお手軽さが気に入っています。
今回作ってみたのは、「干し椎茸と桜えびの炊き込み」。
見た目はよくある炊き込みご飯という感じ。
しかしながら、干し椎茸と桜えびのうまみがしっかり出ていて、エスニック料理を得意とする高山なおみさんらしいナンプラーを使った味付けもあいまって、じっくり味わいたくなるおいしさに仕上りました。
こんなにおいしいのに、洗い物はほぼ土鍋とお茶碗のみでいいだなんて……。残りも冷凍しておけば翌日以降も楽しめるので、自炊の手間がグッと減りますよ。
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豚汁で自炊ルーティーンに「革命」が起きた
2冊目は、『有賀薫の豚汁レボリューション』。
一人暮らしでも持て余さないぐらいの量をつくれて、肉を食べた満足感もあって、しっかりごはんが進む。そんな楽チンな豚汁があったら、仕事から帰って急いでつくる夕飯や、リモートワークのお昼ごはんにも重宝するはず。この本で紹介するのは、そんな発想で考えた“新しい豚汁”です。
『有賀薫の豚汁レボリューション』「豚汁さえあれば今日のごはんは大丈夫。」より
スープ作家の有賀薫さんによる、一冊まるごと豚汁のレシピ本です。
スープ作家なだけあって、目次を開いて飛び込んでくるのは、「トマトン汁」「ゴーヤーカレー豚汁」「冷凍かぼちゃの黒ごま豚汁」などなど。
この発想はなかった……!と驚いてしまうような、まさに「新しい豚汁」ばかり。
しかしながら、どれも豚肉とちょっとの野菜を炒めたり煮たり蒸したりして、水をいれて、味噌を溶くだけで完成する簡単なものばかり。
「トマトン汁」の調理風景
ほとんどのレシピが、フライパンもしくは鍋1つで完成してしまいます。
今回作ってみたのは、「カリカリ豚のピーマン豚汁」。
フライパンで豚とピーマンを炒めて、そのまま水を入れて煮て、最後に味噌を溶くだけでできるシンプルなレシピです。
しっかり焼いて脂を落とした豚のクリスピーな食感と、汁にまで溶け込んだピーマンのうまみがたまらない……。
こんなに少ない手数で、ここまで満足感のある汁物ができるんだ……!というかピーマンうまっ!!とびっくりしてしまう一品でした。
これに白米と漬物でもあれば、しっかりおいしい一食が成立してしまう上に、バリエーション豊かで毎日作っても食べ飽きない「新しい豚汁」。
豚汁で、自炊ルーティーンに「レボリューション」を起こしてくれる一冊なのでした。
有賀薫の豚汁レボリューション (野菜一品からつくる50のレシピ)
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サンドイッチの視野が広がる!
3冊目は、ナガタユイさんの『サンドイッチの発想と組み立て 世界の定番サンドイッチとその応用』。
今回紹介した中では最も分厚く本格的な、もはや専門書に近い一冊です。
内容としては、「BLTサンド」「バインミー」「パニーノ」など、世界中の「サンドイッチ」の成立した背景と代表的なレシピを幅広く紹介した上で、それを応用したオリジナルサンドイッチを作るための考え方をまとめたものになっています。
しっかり読み込めばお店のオリジナルメニューを考えるための手引書としても十分使えるレベルの一冊。
しかし前半の世界の定番サンドイッチのレシピ集の部分をパラパラめくるだけでも「こんなサンドイッチがあったんだ!」「この具材はこうやって使うと良いんだな」という発見がいくつもあり、「サンドイッチ」という料理に対する視野をググっと広げてくれます。
今回は、ここで紹介されている「BLTサンド」を応用して、自分なりにサンドイッチを組み立ててみることにしました。
基本のベーコン・レタス・トマトに、ハチミツとゴルゴンゾーラチーズを組み合わせたオリジナルサンドイッチです。
基本のBLTを参考に、ベーコンはカリカリに焼き、トマトは厚切りにしてジューシーさを感じられるようにしてみました。
ベーコン・ゴルゴンゾーラの塩気とハチミツの甘みが絶妙で、トマトもジューシーでおいしい……。
サンドイッチの基本を抑えたことで、そこにアレンジを加えるだけで、おいしいオリジナルのサンドイッチを作ることに成功しちゃいました!
サンドイッチはこだわりはじめると手間がかかりますが、「具材を全部一箇所に突っ込んで食べる」料理としては、炊き込みご飯と同じくシンプルで自炊向きな料理だと思います。
色々な定番レシピを知っておくことで「冷蔵庫に余っているあの野菜で、こんなサンドイッチが作れるかも……!」という発想も、自ずから浮かんでくるようになりそう。
食材の組み合わせを考えるきっかけとして、自炊ルーティーンに新しい発想を吹き込んでくれた一冊なのでした。
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