最寄駅から徒歩で10分ほどの場所に、今回ご紹介するあーさん夫妻のお住まいはありました。
お名前(ご職業):あーさん(会社員)、旦那さん(会社員)、おあげ(犬)広さ:1LDK+WIC 81㎡
リノベーション費用:約1,400万円
築年数:築33年
住宅の形態:マンション
以前は都内で働かれていたご夫妻ですが、転勤をきっかけに暮らしはじめた福岡を気に入り、夫婦一緒に移住を決意。
広々として開放感のあるお部屋は、ご夫婦だけでなく、愛犬のおあげちゃんにとっても居心地がよく、過ごしやすい環境であるよう。
「今回のマンションリノベーションで、リノベがもっと好きになった」と話すおふたりと1匹のお住まいにお邪魔してきました。
お気に入りの場所
明るく、開放感のある土間玄関玄関ドアを開けてまず驚いたのが、広く開放感のある土間スペース。思わずどこで靴を脱げばいいのか伺ってしまうほどでした。
「デザイナーさんからはじめ、玄関スペースは複数パターンを提案してもらったのですが、この広い玄関に思わず『カッコいい……』と感動してしまって。
その分お風呂場のスペースは狭くなってしまったのですが、玄関の広さに惹かれ、このレイアウトに決めました」(あーさん)
「非日常感のある家にしたいという思いもありました。玄関はどうしても暗くなりがちなスペースだと思うのですが、リビングからの光を取り込む窓を設置してもらって、より開放感が増しましたね」(ご主人)
ちなみにマンションの通路に隣接する窓はルーバー窓にしたことで、人通りも全く気にならないそう。
愛犬も喜ぶ、ひと続きの間取り土間玄関の奥にはウォークインクローゼットがありました。
お住まいはキッチンを中心に、その周りをクローゼット、寝室、浴室と配置することで、ぐるっと一回りできる導線に。
「コンセプトに犬が家中を駆け回れる住まいというのがあって、梅雨で散歩にいけない時期でも動き回れるようにと作ってもらいました」(ご主人)
作業スペース付きのカウンターキッチンカウンターキッチンは、リノベーション時にいちばんにお願いしたというスペース。
ここではあーさんが作業しながらご主人が料理をして、一緒の時間を過ごすことが多いそう。
「リノベの参考資料を見て回る中で、カウンターキッチンにしたいという思いが強くて。加えてサイドのスペースを広げてもらうことで、ミシン作業用のスペースも確保してもらいました」(あーさん)
また、キッチンカウンターは足場板とモルタルを組み合わせて作成。
土間玄関から続く、全体のインテリアとの相性もピッタリです。
「好きなカフェなどを参考に、キッチンにはモルタルを使いたいという要望は出していました。
その際、経年変化による割れ目をデザイナーさんが気にしてくれて、傷の付きにくい材料をミックス、塗装も私たちが好きなクラフト感を出してくれて、とても気に入っています」(ご主人)
キッチンの対面には食器棚も用意。
通路も広めで、リノベ前までは難しかった、ご夫婦揃っての作業も難なく行える広さがありました。
「住まいとしては、土間とリビングの境になっていることも含め、このキッチンが中心になっていると思います。
食べたり飲んだりが好きなので、まさに理想のキッチンになりました」(ご主人)
土間スペースが広い分、冬場の寒さが気になるところですが、実際はストーブひとつで十分な暖かさがあるそう。
マンションの断熱材がしっかりしていることもあり、帰宅時も暖かいと感じることがほとんどだとか。
人も愛犬もくつろげる小上がりスペースバルコニーに繋がる小上がりは、愛犬のおあげちゃんのことも考えて作られたスペース。
「元々、窓の位置が少し高めにあり、バルコニーで遊ばせるのは人の手が必要でした。
小上がりを作ることで自分でバルコニーに出ていきやすいのはもちろん。日当たりもいいので、よく日向ぼっこしているのを見ては、作ってよかったなと感じています」(ご主人)
「木材には栗の木を使い、表面の加工も複数見せてもらって今の形になりました。
塗装はしていませんが、横になっても硬すぎず触り心地もよくて、私たちにとっても心地よいスペースになっていますね」(あーさん)
たっぷり当たる日の光と、見晴らしのいい景色。
ここでコーヒーやお酒を片手にゆったりするのは本当に気持ちよさそうですね。
この部屋に決めた理由
愛犬が心ゆくまで駆け回れるルーフバルコニー転勤をきっかけに福岡への移住も考え始めたご夫妻が、最初に見つけたリノベーション会社。
当初は興味本意で、いい物件が見つかったら連絡が欲しい、くらいの温度感だったそう。
「リノベ会社の方から、内覧にお声がけをいただいた1件目の物件でしたが、即決していました。
ペット可の物件もなかなか見つからない中で、ペットOKかつ、満足いくまでおあげが走り回れそうなルーフバルコニー付きの住まいは、これ以上ないと思ったんです」(ご主人)
その後転勤のない会社へ転職活動を行い、福岡を拠点とする仕事へ。
その行動力に驚いてしまいますが、理想の住まいが見つかったことが移住の後押しになったんですね。
日当たり良好、見晴らしのいい大きな窓周辺に高い建物がないこともあり、大きな窓からはたっぷりの光が。
「日当たりのよさはすぐに実感できました。前居住者である会社経営者の方が社員との懇親会用にBBQなどで使用するのみの部屋だったこともあり、マンションの築年数に対して綺麗な状態で残っていたのもよかったですね」(ご主人)
残念なこと、気になること
風をとても強く感じる決め手でもある見晴らしのよさは、逆にデメリットを生むことも。
「風はダイレクトに当たるので、かなり強く感じます。住む前は予想もしていなかったので、風の音にはすごく驚かされることがありますね」(あーさん)
「窓も大きいので、何かぶつかって割れたら、というのを台風時期になると恐怖に感じますね。
いまのところは何も被害はないし、見晴らしのよさは外からの視線を気にせず住めるというメリットでもあるので、どこを取るかの話だと思い、割り切っています」(ご主人)
水回りの広さと位置関係「本当はもうひと回り大きなお風呂にしたかったのですが、いまの間取りにするにはトイレとお風呂の位置を変えられず、ゆったりサイズの浴槽にすることはできませんでした。
でも、絶対に無理だと感じた一番小さいサイズは回避でき、肩湯が出る浴槽を勧めていただいたので、結果的にいまのお風呂で満足しています」
マンションリノベだと、水回りの配置が決まっている分、難しく、また注意が必要ですね。
お気に入りのアイテム
空間にピッタリの全身鏡玄関の奥に立てかけられている全身鏡は、玄関空間にマッチした古道具のようなデザインが印象的です。
「全身鏡は家に合うものをかなりの数見て回りました。
journalstandardFurnitureで見つけたこのデザインがすごく気に入ったのですが、予算をオーバーしてしまい悩んでいたところ、私の姉妹が購入してくれました。置いてみたところサイズ感もピッタリで、すごく気に入っています」(あーさん)
作業スペース用のアーコールチェア「ミシンスペースで使っているアーコールチェアも、福岡にあるalbumさんの実店舗で見て気に入ったインテリアです。肘掛が付いていて奥行きもあるので、長時間の作業でも疲れず重宝しています」(あーさん)
カウンターキッチンとの色や素材感との相性もいいですね。
キャンプでも使っている作家さんの器白が美しい正島克哉さんの器は、ご夫妻ともに気に入っていって重宝している食器のひとつ。
「耐熱性になっているので、見た目だけでなく機能性も高くて気に入っています。最近ではキャンプに持ち出して使用しました」(あーさん)
「使っているうちに焦げ目がついてきたのですが、なんだかそれも味になって気に入っています。
ただ、家でサラダなど盛り付けて使うときには気になるので、先日展示会が行われた際に買い足しました。使い分けしながら長く使えたらと思います」(あーさん)
PC台として使っている文机文机はずっと探されていて、最近、ようやく見つけられたという古道具。
「パソコンはずっと椅子の上に置いて使っていて、蚤の市でお気に入りのデザインを探そうと思っていたのですが、今年はイベント自体がなかったので決めきれずにいました。
そんなときにリノベ関係で知り合った雑貨店COLEZOさんで購入。いろいろ見て回りましたが、デザインも気に入って納得のいくインテリアになりました」
暮らしのアイデア
家具や器は、見て、触った上で購入するあーさん夫妻が大切にされているのは、実際に触れて「いい」と思ったものを選ぶということ。
「家具や器は蚤の市や陶器市、展示会等で実物を見て触って確認するようにしています。お店の方や作家さんとお話するのも好きですね。家具は古いものに惹かれます」(あーさん)
リノベをきっかけに、作り手の方と知り合う機会も増え、そうした縁から購入されているものも多いのだとか。
“人の顔が見えるモノ選び”って素敵ですね。
愛着のある物だからこその見せる収納「キッチンにかっこいい造作棚を作っていただいたので、こつこつ集めたお気に入りの器たちを、すっきりとカッコよく見えるように飾ることを心がけています」(あーさん)
キッチンに限らず、あーさんのお住まいは全体的にスッキリとした印象を受けます。何か意識しているポイントはあるのでしょうか?
「ものを持ちすぎないように意識しています。
加えて目に見えないスペースを作るとどうしても雑になってしまうので、キレイを維持するために極力見える収納を考えていますね」(ご主人)
これからの暮らし
ルーフバルコニーの使い方を考える決め手でもあった“広々ルーフバルコニー”ですが、使い方はまだまだ模索中とのこと。
「夏場は家庭菜園として大葉やエゴマを育てて、摘んだものをそのままBBQで食べたりしていましたが、冬場は寒さが厳しくて、活かすのが難しかったですね」(あーさん)
「居住スペースよりも広さがあり、タイルを敷くにもコストがかかり過ぎるのと、タイミングが合わず、面倒で手をつけられていません。
幸い塗装材が柔らかいのか、おあげは走りやすいみたいなので、愛犬の運動スペース以外の活用法はこれから考えていけたらと思います」(ご主人)
新たなリノベーションにもチャレンジしていきたい現在の住まいが完成した際、すぐにあーさんの頭に浮かんだのが、次のリノベーションへ思いだったそう。
「今回のリノベーションが楽しかったので、いつか古民家リノベーションもしてみたいですね。
薪ストーブや縁側など、マンションでは難しいスペースも持ってみたいです。また、そこでごはんと雑貨のお店をやりたいですね」(あーさん)
ご友人にプレゼントされるぬいぐるみやイラストなど、お住まいにはあーさんの作品が散りばめられていました
「料理が得意な旦那さんがごはんを作り、私が布小物や犬グッズを作って販売できたら楽しいだろうなと思っています」(あーさん)
リノベーションもインテリアも、あーさん夫妻が育んできた人の繋がりの輪の中で、築き上げられてきたお部屋。
コロナ禍で最近は自粛されているものの、自宅での食べ飲みが好きなおふたりがご友人を招いて食事をされる中で、また新しい人や情報に触れる機会にもなっているのだとか。
住み始めてから1年が経過し、今後新たな出会いが加わって、お部屋にどんな変化が生まれるのか。これからとても楽しみな、あーさん夫妻とおあげさんのお部屋でした。
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