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温室さながらの“映え”な空間に暮らしていたあの一家が、まさかの日本家屋に移り住んだワケ(吉祥寺)|みんなの部屋

2020/12/06 14:00 投稿

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30人もが集まってワークショップをおこなうことができる、温室さながらの部屋

そんなキラーワードが代名する平井さん夫妻の家が脳裏に焼き付いている読者は、きっと少なくないことでしょう。

前回取材時の様子

ROOMIE編集部もかくいうで、「みんなの部屋」連載のなかでもとりわけインパクトのあった彼らのその後については、つねに目を光らせてきました。

引越しをしたと聞きつけるやいなや、さっそく新居にお邪魔してきたのは、言うまでもありません。

名前:平井龍之進さん 好美さん 仁之丞くん チューイちゃん
職業:建築デザイナー(龍之進さん) フラワーデザイナー(好美さん)
場所:東京都三鷹市
面積:130㎡
家賃:非公開
築年数:築35年
住宅の形態:一軒家

いったいどんな家なのか、想像が膨らみに膨らんだなか伺うと、なんと、日本家屋。

コンクリート打ちっ放しの洗練された住まいから一転、思いもよらないカウンターパンチに、むしろ期待は高まるばかり。

そもそものきっかけは、お子さんが生まれたことでした。

お気に入りの場所

吹き抜けをDIY!? 理想の天井高にしたリビング

行儀よくちょこんとたたずむのは、愛犬のチューイちゃん

もとは4SLDKの間取りである一軒家。それほど部屋数は必要なかったため、子ども部屋からダイニングキッチンまでのふすまを取っ払って、ひとつづきのリビングスペースに。

この家に越してきて、まず取りかかったのがこの場所の改装だったとか。

「庭に面しているし、南側なので光もしっかり入る。日中、子どもと一緒に過ごすことになるのはこの場所だろうなと。

いちばん長く過ごすリビングだからこそ、いちばん気持ちいい場所にしたかったんです」

まずは、と取りかかったのは、吹き抜けをつくること。

「前の住まいは、天井高が3mほどでした。いっぽう、この部屋は、2mちょっと。

あの開放感が恋しくて、ならばと、吹き抜けをつくることにしたんです! DIYには一級建築士事務所のダルマトーキョーに協力してもらいました」

そして、家のど真ん中に吹き抜けを作っちゃったわけです!

「吹き抜けのまわりには手すりを付けるのが通例ですが、僕が施工することになると強度も心配だったし、手すりで光を遮ってしまうのも避けたかった。

そこで、遊具メーカーのOKABEさんに手伝ってもらって、ネットを張ることに。OKABEさんには遊具のプロとして、強度計算、ネット製作、施工補助(固定方法の指導)をお願いしました」

かくして、気持ちいい風や光を通しながら、2階の部屋も有効活用できるように。

梁にしっかりと取り付けられたフレームのおかげで、大人ふたりが寝そべっても安心&快適。

そういえば、前の住まいには2人がけのハンモックがあったっけ。家族が3人になったことが、しかるべくして、このアイデアを実現させたのかも!

部屋を開放的に見せる工夫が、そこかしこに

おなじくリビングには、吹き抜け以外にも、空間の抜けを作る工夫が見つかりました。

「リビングとダイニングを仕切っていたふすまを取り払うと同時に、その上部の土壁もぶち抜きました。それによって、目線が開けるようになったんです」

じつは、その土壁の改装にはROOMIE編集部員Tがひと役買ったとか。

「リビングの改装を手伝ってくれるひとをFacebookで募ったときに、まっさきに手を挙げてくれて。土壁を綺麗に取り去るのって意外と難しいんですが、うまくやってくれました!」

グッジョブ、編集部員T!

押入れをデイベッドに改装して、部屋を広く使う

空間を広くするアイデアは、ほかにも。

「押入れって、奥行きが広すぎて使いにくいし、そのせいで部屋も狭くなってしまうんですよね」

そこで、リビングの押入れを改装して、デイベッドに。

ここには、前の家でも使われていたパレットが活躍しています。

いまは2段積んであって、仁之丞くんがつかまり立ちするのにちょうどいい高さに。成長に合わせて段を追加できるのも、パレットならでは!

「壁紙は、本職の方でもよく使っているWHOという壁紙専門メーカーのもの。ユニークな柄が多くて、しかも、柄の大きさや位置を好みに応じて受注印刷できるんです!」

この部屋に決めた理由

“暮らしの機能”が整っていること

以前住んでいた部屋

2016年に平井さん夫妻を取材した際、ふたりが暮らしていたのは、テナント+住居スペース占めて100㎡の住まい。

スケルトンの状態からDIYして、コンクリートと木材、そしてグリーンが印象的な洗練された空間に。圧巻の広さはもちろん、“映え”を絵に描いたような超インパクトな部屋でした。

それだけに、「次は、いったいどんな部屋に移り住むのだろう!」と天井知らずの期待は膨らむばかり。

改装前の平井さんのお宅

それから4年。彼らが次の住まいに選んだのは、都会的だった前の住宅から一転、純和風の日本家屋。その振り幅に、いい意味で期待を裏切られちゃったよ!

「一軒家で、犬を飼うのもOKだったこと。庭も駐車場もあって、徒歩30秒で井の頭公園にもいけること。もちろん、全面改装可だったことも大きな決め手になりました。

前の住まいに子ども部屋をつくることも考えましたが、やはり、“暮らしの機能”がちゃんとある場所で子育てしたかった」

“暮らしの機能”とは、言い得て妙。

どんなに見た目にこだわった空間でも、水まわりのスペースが極端に小さかったり、暖房が効きづらかったり、外とゆるやかにつながっているぶん埃が溜まりやすかったりと、一般的な住宅に比べると劣る点も多々。

仁之丞くんが生まれたことをきっかけに、第一義に暮らしのことを考えるようになったようです。

残念なところ

ネズミの運動会

平井さん一家がここに暮らしはじめて、1年。さっそく1年目の夏にして、年季が入った日本家屋ならではの洗礼を受けることになりました。

「夏に一時期、1階と2階のあいだの屋根裏にネズミが住み着いてしまって……。夜中にダダダダーっと駆け抜ける音には、悩まされました。

いろいろと調べて対策も講じてみたのですが、効果は得られなかった。専門業者をしても、ネズミというのは駆除しきれないそうなんです。まぁ、一軒家あるある、ということで」

お気に入りのアイテム

掘りごたつに奇跡のフィット! 床材を再利用した机

平井家らしさを象徴する観葉植物やDIYしたディスプレイシェルフなど、かねてから受け継がれてきたアイテムが、この家にも、そこかしこに。

ダイニングの机も、そのひとつ。

「もとは、本職の設計事務所で使っていたヘリンボーンの床のサンプルなんです。捨てられそうになっているのを、引き取りました」

じつは、机の下に敷かれているラグは中央が正方形に切り抜かれていて、それをめくると……

なんと、掘りごたつが出現! しかも、机の大きさは掘りごたつの形状に奇跡のジャストフィット! こりゃ、真冬が待ち遠しくてたまらないな〜。

自分でつくれるか、つくれないか

前の家から変わらず、観葉植物がうっそうとした空間が魅力的な平井さんの部屋。

とはいえ、いまは仁之丞くんも飼い犬のチューイちゃんもいるということで、ある程度の注意は必要。そこで役立っているのが、正円の鉢カバーです。

「仁もチューイも、鉢のなかの土を触ってしまうので、鉢カバーを探していました。ただ、なかなかいいモノに巡り会えず、ようやく見つけたのがこれ。

amazonなどで簡単に手に入るのですが、かなり気に入っていて。というのも、木板をこんな風に綺麗に丸く切り抜くって、けっこう大変なんです。しかも、5千円という安価な値段で商品化している。

インテリアを買うときは、自分でつくれるか否か、を基準にすることが多いですね」

暮らしのアイデア

日本家屋とスマート家電の、いい関係

「家電のスマート化は、徐々に推進しているところです」

最たるところは、電球。とくに吹き抜けにしたリビングは、必然的に2階の電気で照らさなければならない。

そのため本来はスイッチを入れるためにわざわざ2階に行かなければならないところ、スマート電球を採用することで万事解決! アレクサやスマホを経由して、いつでもどこでも操作できる。

「子ども部屋にはカメラを取り付けていて、キッチンに置いてあるベビーモニターから様子がわかるようになっています。

外出先からスマホアプリを使って、視聴や操作、会話までできちゃうんです!」

ハード面で足りない部分を、スマート化というソフト面で補う。それって、かなり合理的かも!

また、「純和風の空間にスマート家電」というバランスが、空間演出としてもバッチリ効いてる! 

和室と北欧家具のマリアージュ

そうそう、バランスのいい空間演出においては、和室なのに北欧調のアイテムがそこかしこに散りばめられていて、いいスパイスになっています。こんな風にカッコよく演出できるなら、和室や日本家屋も、捨てたもンじゃないな〜!

「イケアの家具を、わりと愛用しています。たとえば同じような価格帯でも、無印良品だと和室に似合いすぎちゃう。ほどよい差し色を入れていくほうが、単純に楽しいんですよね」

モノ選びにおいては北欧調で統一感を持たせつつも、空間演出としては違和感を散りばめる。和室や日本家屋じゃなくても、これは真似できそうなティップだ!

子ども用品もインテリアのアクセントに

子ども用品選びに、頭を抱える。それは、子どものいる家庭の、いわば宿命。インテリアにこだわるひとなら、なおのことでしょう。

どんなに我が子がかわいくたって、部屋のテイストを子ども用品の“色”に引っ張られていいかというと、それはまた違う問題なんだよな〜……。

ところが、子どもが生まれたばかりの平井さん一家の部屋はというと、そんな気配が極めて薄い!? いったいどうして?

「子ども用品は、かなり吟味しています。うちの場合は、めちゃくちゃ高いか、めちゃくちゃ安いかの二極でモノ選びをしています」

“高いモノ”の代表は、「イームズ エレファント」。平井さん夫妻はファミリーセールで手に入れたものの、それでもかなり高額なアイテム。(実は平井さん、イームズが通っていた大学の卒業生)

おもちゃ類は主にアトリエ ニキティキで購入

カリモクニュースタンダードのウッドテーブルや、ミナペルホネンで購入したバクのぬいぐるみも、子ども用品としては少々値が張る逸品。

「高価なぶん、大きくなってからも使えるモノや、部屋のインテリアとしても成立するモノばかりです」

これからの暮らし

その流れで、「ちなみに」と見せてくれたのは、なんと龍之進さんが幼少の頃に遊んでいたという木製のおもちゃ。

「モノを大事にする僕の両親が、30年以上も前のおもちゃを残してくれていました。

受け継いでゆく喜びみたいなものは、だからこそ実感するところでもあるし、自分の子どもにも、いつかそんな風に感じてもらえたら。そう思っています」

その場しのぎで選び取るのではなく、価値あるいいモノと、長く付き合っていくこと。受け継いでいくこと。

この家に新しく迎え入れた「イームズ エレファント」も、きっと、そうして次世代に受け継がれていくことでしょう。

古い家の歴史をたっとびながら、自分の色を加えつつ住み継いでいく。ひいては、それもまた。

Photograped by Motoki Adachi、Ryunoshin Hirai(8、11、12枚目)、KenyaChiba(1枚目)

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