メイン写真引用元:Twitter

真っ白な壁にモノが少ないシンプルな部屋……ん? ほとんどモノがない?

ここで暮らす住人はモノが1つもない状態から住み始めて、1日1つずつアイテムを増やしているのだとか。

究極のミニマリスト? 一体どういうこと!?

お名前(職業):藤岡みなみさん(タイムトラベル専門書店utouto店主/執筆業、企画など)
場所:都内某所
面積:6畳+ロフト3畳(※100日間チャレンジ中の部屋)
家賃:非公表
築年数:2年

引用元:noteより

今回取材したのは、100日間限定で「1日1つだけアイテムを取り出す」というルールの下に生活している藤岡みなみさん。そのきっかけとなったのは1本の映画でした。

ドイツ・ベルリンが舞台の映画『100日間のシンプルライフ』は、フィンランドで製作されたドキュメンタリー映画『365日のシンプルライフ』をベースにしたシンプルライフ・エンターテインメント。スマホに依存気味で何かとすぐポチってしまう主人公(共感しかない)が、酔った勢いで幼なじみと口論になり、すべての家財道具を倉庫に預け、1日1つずつ必要なモノを取り戻して100日間生活するという無謀な対決をします。

映画を観て、自分だったら1日1つ何を選ぶかな?と考える人は少なくなさそうですが、「猪突猛進なタイプ」だという藤岡さんは、実際にシンプルライフに挑戦してみようと決意しました。

「ずっと変わりたいとは思っていたんです」と今回の決断に至った理由を語る藤岡さん。

「私は好きなモノがたくさんあって、ボードゲームが100個くらいあったり、土偶が置いてあったり(笑)。完全に趣味の部屋という感じでした。それが悪いことではないんですけど、集中できないとも感じていたので、1回リセットしなきゃと思って。ゲーム機のリセットボタンを押すような気持ちで始めました」

お気に入りの場所

取材したのはチャレンジ開始から64日目のこと。小さな机と布団一式以外、家具は何もない部屋ですが、そこにはちゃんとお気に入りスポットがありました(これまでに選んだアイテムはこちら)。

「お気に入りは、ここです」と藤岡さんが指差す先には、何とも暖かそうな陽だまりが。

「いつもここが陽だまりになると気づいたんです。角になっていて陽だまりだから、すごく落ち着くパワースポットです」

そしてもうひとつ。モノが少ない暮らしだからこそ、お気に入りになった場所もあります。

「この窓を開けると隣の家の背の高い木が見えるので、自分で置かなくても観葉植物があるみたいで、すごく気に入っています。1日1つ物を取り出す中で観葉植物を選ぶ必要がないし、育ててもらえるし(笑)」

この部屋に決めた理由

高齢のご家族と同居していたこともあり、今回のチャレンジを始めるより前から、「新型コロナウイルスが落ち着くまでは別々に住んだ方がいいのかも…」と考えていたそう。期間限定の部屋を選ぶ基準は何だったのでしょうか。

「ここは駅から徒歩50分くらいかかるんです。私は極端な性格で、今までと全然違う環境にしようと思って。利便性で選ぶのではなく、なるべく緑がいっぱいあるような場所を選びました」と藤岡さん。

「あとはロフトがあることで、ちょっと天井が高いんですよね。天井が高い部屋に憧れていたんです。すごく普通の理由なんですけど(笑)」

大きな気づきを与えてくれたアイテム

1日1つだけ取り出せるということで、部屋にあるアイテムはよく考えて選ばれたモノばかり。その中でも、藤岡さんに大きな気づきを与えてくれたモノがあるそうです。

引用元:Twitter

「選んだモノの中ですごく大きかったのは洗濯機です」と藤岡さん。

「洗濯機が入る前は、いつ服が乾くかということを中心に生活が回っていたので、時間が解放された感じがありました。そこで気付いたのが、時間はモノや環境に左右されるんだな、と。

今までは人生って短いな、とか、1日48時間あったらいいのに、と思っていたんです。でも、何もない部屋にいると1分が60秒じゃなくて600秒くらいあって、最初はつらかったんですけど、だんだんお得だなと思えてきました」

暮らしのアイデア

モノが少ない部屋での生活には工夫が大切です。

「敷布団は折りたためばソファにもなります。今も座っているんですけど、これで十分だなって。まな板がなかったときは牛乳パックを開いて使ったりして、あれも十分いけるなと思いました」

引用元:Twitter

逆にモノがないからこその利点もあるようで、「家具を退けたりしなくてもストレッチとか、運動ができます」とのこと。

バーチャル空間でジムを出現させられるVRセットも活用しており、「VRも今まではすごいぶつかっていたんですけど、ぶつからなくできてとてもいいです。すごいオススメです!」とのことでした。これはシンプルライフではなくても、おうち時間にとても良さそう……。

残念なところ

便利なモノに囲まれた暮らしに慣れていると、シンプルライフは苦労が多そうに思えますが、藤岡さんは「残念なところはないです」と断言。「モノが何もないって、おしゃれだなと思います(笑)。掃除も5秒くらいで終わるんですよ」と、すがすがしい言葉が返ってきました。

これからの暮らし

今回の挑戦を通して、「ちゃんとモノと出会うというか、1つ1つに心が反応できるようになりました」と話す藤岡さん。

「モノと毎日出会いなおすことで、たとえば“空がきれいだな”とか、他のことに関しても見過ごさないようになれた気がしています」

さらに、「毎日、今までに感じたことのない感情だらけです」とのこと。「前より精神が安定して、集中力が上がったなという感じがします。仕事とかも嫌だな……とか思わずにスッと取り組めて、今までにないほど集中できるんです」

シンプルライフもあと少し。残された期間についての意気込みを訊ねると、「今は1回リセットできた気がするので、そこからどう暮らしを積み上げていくか。60日経って必要最低限のものはけっこう揃ってきたので、ここからはプラスしていく段階。あと1ヶ月で、もう1つ何かが生まれそうな気がしています」と藤岡さん。

「初日にお尻が痛かったとかはあるけど、毎日うれしいので全然つらくないです。なので、ぜひやってみてください。でも本当は、ROOMIEさんに掲載されているような部屋に憧れているんですけどね(笑)」

藤岡さんがシンプルライフに挑むきっかけになった映画『100日間のシンプルライフ』は、12月4日(金)より全国ロードショー。

「登場人物のどこかしらに親近感や共感できる部分が見つかると思うので、ぜひ疑似体験する感じで観てもらえたらと思います」(藤岡さん)

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映画『100日間のシンプルライフ』作品情報(12月4日(金)公開)

監督・脚本:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ
キャスト:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、マティアス・シュヴァイクホファー、ミリアム・シュタイン
配給:トランスフォーマー、フラッグ 提供:フラッグ
原題:100 DINGE/英題:100 THINGS/2018/ドイツ/111分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/字幕翻訳:吉川美奈子 【PG-12】
© 2018 Pantaleon Films GmbH / Erfttal Film & Fernsehproduktion GmbH & Co. KG / WS Filmproduktion / Warner Bros. Entertainment GmbH
公式サイト:100simplelife.jp Twitter/Instagram

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