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1930年代のアンティーク照明と土間が迎えてくれる、築51年のフルリノベーション物件(新中野)|みんなの部屋

2020/09/24 14:00 投稿

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新宿駅まで徒歩5分、中野駅へも歩ける距離にある、丸ノ内線の新中野駅。

周辺には商店街が充実している上に、スーパーや飲食店なども多く、居住地としても人気のエリアです。

今回お伺いしたのは、その新中野エリアにある築51年のマンションをフルリノベーションした宇川さんご一家のお住まい。

名前(職業):宇川賢二さん(飲食店経営)、由香里さん、木偉ちゃん
場所:東京都中野区
面積:53.58平米(2LDK)
購入金額:約3,000万円
リノベーション費用:約3,150万円
住宅の形態:マンション
築年数:51年

無骨さを醸し出す剥き出しの天井と、1930年代の貴重なアンティーク照明とがひとつにまとまったハイセンスな空間には、宇川さんのこだわりや宝物がぎゅっと凝縮されていました。

お気に入りの場所

大切な洋服や小物をディスプレイした土間

玄関を入ってすぐの土間は、賢二さんのお気に入りの場所。

両サイドに設けた収納スペースには、賢二さん、由香里さん、木偉ちゃんの洋服が整然と並んでいて、まるでショップのようです。

「土間を作りたいと思って色々調べている中で、『リノベる。』さんが手がけたかっこいい土間を見つけ、『こういう感じにしたい!』と思ったんです。

昔、古着屋さんをやりたかったので、そのイメージで土間をデザインしてもらいました。洋服だけでなく、帽子やスウェット、趣味の小物や『フェアリーズ』のアンティーク照明などをディスプレイしています」(賢二さん)

キッチンから寝室まで見渡せる窓

賢二さんのもうひとつのお気に入りは、キッチンから寝室までを一直線に眺めることができる窓。

「寝室からキッチンが見えるように窓を作ってもらいました。

寝室のベッドは階段を上がったところにあって、そこから窓を覗くとキッチンが見えます。朝起きたときに寝室から料理をしている妻と子どもの様子が見えるようにしたかったんです」(賢二さん)

ベッドは、階段を少しあがった高い場所に設置。

階段には扉がついていて、中は物置になっていました。収納が少なかったため工夫をしたそうですが、これは便利そうですね!

インテリアの一部になるキッチン

由香里さんのお気に入りの場所は、オークの扉とスタイリッシュなコンロが印象的なキッチン。天板も広くて、とっても使いやすそうです!

「見せても恥ずかしくない、インテリアの一部になるようなキッチンにしたかったんです。天板は料理しやすいように、特にこだわりました」(由香里さん)

スパイスラックには、アンティーク屋さんで購入した時計用のディスプレイを活用しているそう。

この家に決めた理由

職場にアクセスしやすく、予算内に収まる物件だった

新宿御苑と吉祥寺で飲食店を経営されている賢二さん。その両方のお店に通いやすいことが、物件を決める際の条件のひとつでした。

「以前は四谷の賃貸物件に住んでいたのですが、その家が建て壊しになることが決まって、半年後には出ていかなくてはいけなくなったんです。

ちょうどその頃、子どもができたこともあって、いい機会なので引越しをしようと。

いずれは家を買いたいと思っていたんですが、それがそのタイミングでしたね。家を買うことを決めてから3〜4ヶ所の物件を見て、探しはじめてから1ヶ月くらいで決めた感じです。

この家は職場に通いやすい以外に、予算内(3,000万円前後)であったことや、しっかりした作りのマンションだったことも決め手でした。高所恐怖症なので……(笑)」(賢二さん)

自由にフルリノベーションができる

before

after

2019年のはじめに物件を購入。その後、約2ヶ月間のリノベーション工事を経て、2019年5月からこの家での暮らしがはじまりました。

「面白い家に住みたいというのが大前提だったので、買うならフルリノベーションしようと決めていました。

でも、その知識がなかったので色々探して、ワンストップ・リノベーションで実績のある『リノベる。』さんにお願いすることにしたんです。

いろいろな会社に話を聞きにいったなかでも、特に対応がしっかりしていたので、安心してお願いできました」(賢二さん)

キッチンの位置以外、間取りなどをすべて変えたという宇川さんの部屋。賢二さんが特にこだわったのは、むき出しの天井でした。

「工事をしてみたら躯体がすごく汚くて……。大工さんに『隠しますか?』と聞かれたんですが、がんばってきれいにしてもらいました。

妻はコンクリートが落ちてくるんじゃないかと心配していましたが、大丈夫でした(笑)

デザイナーさんと1ヶ月くらい、毎週打ち合わせをして作り上げた家なので、僕たちの思いが反映された完璧な部屋になったと思います」(賢二さん)

残念なこと、気になるところ

デザイン重視にしたので、子どもにとって危険が多くなってしまった

「部屋の中で何ヶ所か、小上がりのような段差があるんです。

デザイン重視でリノベーションしたので、子どもにとっては危ないところが多くなってしまったのが反省点です」(賢二さん)

お気に入りのアイテム

1930年代のアンティーク照明

お部屋には、賢二さんがコレクションしているアンティークの照明が9個も! どれも貴重な年代ものですが、中でも特にお気に入りのものを紹介していただきました。

「玄関の照明は1930年代の『フェアリーズ』。アームは長いタイプと短いタイプがあるんですが、家にあるのは短いタイプ。これはなかなかないので、貴重なんです。

『アリソン』という照明は、歯医者さんなどの医療機関で使われていたもので、これも1930年代のものです。

『フェアリーズ』同様、黒と金の模様になっています。『ジャパンカラー』とか『コッパーフラッシュ』とも呼ばれているんですよ。

アームが可動式になっていて、作りが細かくてめちゃくちゃかっこいいんです!」(賢二さん)

これらの照明は、都内のアンティーク屋さんやヤフオクなどで買っているそう。

賢二さんがアンティーク照明にはまったのは今から2〜3年前。雑誌で「O.C.WHITE」という照明を見て、その美しさに魅了されたのだとか。

今から100年近く前に作られたアンティーク照明は、廃らないデザイン性や、脈々と続く歴史があって奥が深いですね。

土間に飾るために買ったアンティーク時計

都内のアンティーク屋さんで最近購入したという時計も、賢二さんのお気に入り。「H.P.NIELSEN SONS JEWELERS」という文字が入っています。

「1930年くらいの時計で、現存する宝石屋さんの広告が入っているんです。

四角いデザインも、カクカクしたフォントもかっこよくて見飽きません!」(賢二さん)

ソファ上のディスプレイラック

リビングの一角に置かれたソファの上には賢二さんがコツコツ集めたという、アンティークのおもちゃが飾られていました。

「一番左は『リーバイスドール』という1970年くらいのお人形で、真ん中はLEEの『Buddy Lee(バディーリー)』という人形の復刻モデル。一番右は、『マークス』という軍モノのトラックを出していたおもちゃメーカーの郵便屋さんのトラックのオブジェです。

このコーナー全体の色合いが気に入っています」(賢二さん)

壁にディスプレイしたドライフラワー

由香里さんのお気に入りは、キッチンやリビングのドライフラワー。一部は由香里さんが手作りしたものなんだそう。

「生花をドライフラワーにしたり、買ったり。今ハマっているので、これからもっと増やしていきたいです。

使っているかごやバスケットは、大阪にあるアンティーク屋さんで買いました」(由香里さん)

暮らしのアイデア

ごちゃごちゃする生活用品は、なるべく見せない

小さなお子さんがいても全く生活感のない宇川さんのお住まい。その工夫の一端は、キッチンにありました。

「生活用品はカゴの中にしまっていても、ごちゃごちゃっとしてしまうのがイヤで……。そうならないように、カゴの中に100均で買ったオイルコーティングの紙を巻いて中身を見せないようにしています」(由香里さん)

色を統一させ、見て気持ちのいいデザインものを選ぶ

「冷蔵庫はシルバーですが、それ以外の家電製品は黒にしています。インテリアはウッドとグリーンを使って色を統一させています。

目に見えるところに置いてあってもいいような、見ていて気持ちいいデザインのものを選んでいますね」(賢二さん)

これからの暮らし

「『帰ってきて気持ちのいい部屋』にしたいと思っていました。実際、この家は趣味と生活が一体化した理想通りの居心地のいい部屋になったので、すごく気に入っています。

この部屋のキレイさを保ちつつ、あまり生活感が出ないように、というのはこれからもテーマになると思います。

ひとつ気になっているのは、子ども部屋がないので、今後、子どもが部屋を欲しがったときにどうしようかということです。

その時は、キッチンとリビングの間を仕切って部屋を作ろうか……とも話していますが、まだ10年くらい先なので、しばらくは大丈夫そうですね」(賢二さん)

多くの人にとって「家を買う」ということは、一生に一度の大きな買い物です。だからこそ、好きなデザインの部屋で好きなものに囲まれて暮らしたいと思うのは当然のこと。

趣味と生活が一体化した宇川さんのお住まいは、そんな理想を体現したとても素敵なお部屋でした。

まだまだ先のこととはいえ、木偉ちゃんが大きくなったときに今の間取りがどのように変わるのか楽しみですね!

Photographed by Kaoru Mochida

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