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つながる間取りの寝室は、無駄のない設計と“暮らしの中で心地いい”工夫に溢れていた

2020/09/21 14:00 投稿

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特集「たのしい眠り」では、熱帯夜でも快適な睡眠をとるための方法を探求しているROOMIE。
マットレスなどの寝具はもちろんのこと、見た目にもリラックスできるインテリアや、眠りにつくのが楽しみになる小物も、質のいい睡眠の大事な構成要素。
そんな“たのしい眠り”の秘訣を、部屋づくりの達人である「みんなの部屋」出演者に聞きました。

今回ご紹介するのは、中古マンションをリノベーションし、現在10歳のお子さんと3人で暮らしている、佐藤圭さん・佐々木倫子さん夫婦の寝室。

Photographed by Kenya Chiba(以下同じ)

名前:佐藤圭さん、佐々木倫子さん、10歳のお子さん
職業:株式会社TENHACHI一級建築士事務所
場所:神奈川県川崎市宮前区
面積:1K 67㎡(ロフトを入れた実面積75㎡)
物件価格:1,660万円
リノベーション価格:1,200万円
築年数:築39年
寝室の広さ:約7㎡

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夫婦の寝室のこだわりは、“無駄を削ぎ落とすこと”。一般的に寝室には6畳ほどの広さが必要だと考えられていることからすると、4畳に満たないほどの寝室はかなりコンパクト。

廊下などの余白はつくらず、幅はシングルふたつを並べたマットレスに合わせて最小限に、高さも寝る分にはあまり必要ないことから、低めに設定してロフトを設けています。

Photographed by akihideMISHIMA

そんな、シンプルでミニマルな佐藤さん・佐々木さん夫婦の寝室ですが、実は至る所に隠れた仕掛けが。

リビングと地続きになっているからこそ住みやすさにも配慮され、おうち時間全体までをも充実させてくれる寝室について、お話を聞きました。

完全に閉じた空間にしない

Photographed by Kenya Chiba(以下同じ)

佐藤さん・佐々木さん夫婦の寝室が、単なる“ミニマル”ではない特別なポイントは、ベッドから見た目線の先に。

「完全に閉じられた空間ではなくて、ちょっとこもれるようなスペースにしてあるんですよ。

他の部屋との一体感を感じられることによって、リビングから見ても寝室がオープンに繋がり、お互いに開放感があるようにしています」(倫子さん)

「天井が低くて向こうにひらけた空間は、思ったよりも落ち着きます。

スタジアムに行くときに、低いところから広いところにパッとひらけると、すごく開放感があるじゃないですか。朝起きて、リビングに行くときにそれに似た開放感が味わえるので、毎日爽やかに目覚められますよ」(圭さん)

寝室の入り口は、リビングから一段下げられたつくりに。

また、ベッドサイドに人が通れるスペースはありませんが、奥域に少し余裕を持たせています。そこから顔をのぞかせる床は、他の複合フローリングの床と異なり、無垢材のヘリンボーンになっているのもポイント。

こうした工夫で、明確な仕切りを設けずとも、異なる役割を持つゆるやかな領域を演出しているんだとか。

ロールカーテンで遮熱・遮光

枕のある方角が北西に、向かって左側の大きな窓が南西に向いた佐藤さん夫婦の寝室。

東向きの窓だと朝の光がまっすぐ入ってくるため、ゆるやかな光が差し込む北寄りの窓は寝室にちょうどいいんだとか。

「暗いと言われることもあるんですが、実は北側の光が1日の中で一番安定して入ってくるんです」(圭さん)

そのため頭上の窓にカーテンは設けず、かわりにすりガラスにして視界を遮っています。

Photographed by 佐藤(以下同じ)

サイドの窓にはカーテンがついていないのかと思いきや、ロールカーテンを設置しているよう。

「南西の窓は、お昼寝するときに西日が眩しいので、遮光するロールカーテンをつけました」(倫子さん)

「昼寝するにはバツグンに最適ですよ。熱をシャットアウトするし、強い光が入ってこないので。そんなに昼寝するのかって話ですが(笑)」(圭さん)

このロールカーテン、普段は見えないようにロフト部分をカーテンボックスのようにして収納できるようになっているのがミソ。

開けているときも見えてしまう通常のカーテンと違って、ロールカーテンなら使わないときに見えないのが魅力なんだとか。

「ロフトの下にだけカーテンをつけると中途半端な状態になってしまうので、収まったときに綺麗に見えるものを考えたときに、ブラインドかロールカーテンがいいなと。

かつ、遮熱・遮光したいってなったら、ロールカーテン。あとはブラインドみたいに開け閉めがめんどくさくなくていいですよ」(圭さん)

寝室をシアタールームに変身させるプロジェクター

手元の照明には、リビングで使っているものと同じ、イデーのセルジュ・ムーユシリーズをチョイス。

天井に設置されたスポットライトは梁の間に入っているため普段は見えず、壁を照らすことで直接目に当たらない間接照明のような明かりにしているそう。

そして、夫婦が寝室の一番のポイントだと話すのが、リビングとの間に設置された大きなスクリーン。

「ベッドで映画鑑賞ができるようにスクリーンが付いているんですが、下げるとリビングとベッドスペースの間の仕切りにもなるんです。

シアタールームみたいになっていい感じですし、17時くらいからテレビを見ながらそのまま寝落ちもできます」(倫子さん)

「最近はパソコンを繋げて、テレビも見ています。見たい番組が家族と違っても、テレビが取り合いにならないのでいいですよ。

それに、プロジェクターの光は寝る前にちょうどいいんですよね。画面から出る光を直接見るよりは、スクリーンに投影されている方が目に優しいので」(圭さん)

掃除しやすく、さっとメイキングできるベッド

天井を低く抑えているため、マットレスにもあまり高さをつけず、シンプルなものをセレクト。

「天井がすごく低いので、ベッドも低く抑えようとしています。なるべく薄く、布団みたいな状態にしたかったので、脚がついたものではなくてすのこベッドを選びました。

床に直接マットレスを敷くとカビちゃうので、すのこ部分で通気をとっています」(倫子さん)

マットレスはシングルに分けられる上にすのこに載せているだけなので、掃除もしやすいんだそう。

寝室まわりで特に気に入ってるものは?と聞くと、HAYの布団カバーとの答えが。

「一目惚れして買ったHAYの青い布団カバーが気に入っています。このカバーさえあればベッドが一瞬で片付くし、ちょっと素敵に見えるんですよね。

寝室がオープンなので、お客さんが来たときのしつらえを一枚でしてくれるのも助かっています」(倫子さん)

表と裏で異なるカラーリングのカバーは、1枚で主役になってくれる存在感。空間のアクセントにもなり、来客時にもすぐさま対応してくれるのは、嬉しい限りですね。

毎日使うものを収納できるドレッサー

シンプルな寝室の隅に隠れているドレッサーもまた、ミニマルで無駄のないつくり。反対側の廊下には、収納スペースが設置されています。

「お化粧は結局、洗面所でやっちゃうことが多いんですが……(笑)。でも、マッサージオイルを飾ったり、お気に入りのものを置いたりできるので便利なんですよ。

しまっちゃうとめんどくさくて使わなくなっちゃうんですけど、手に届く場所に置いておくと習慣づけしやすいです。インテリアとしてもおしゃれだし、気に入っています」(倫子さん)

壁を活用した収納は、サイドテーブルを設置するより空間を無駄にすることがなさそうですね。

最小限の機能性で、最大限の住みやすさを

Photographed by akihideMISHIMA

無駄を削ぎ落とし、コンパクトでミニマルに設計された、佐藤さん・佐々木さん夫婦の寝室。

暮らしを紐解いてみると、限られたスペースを有効に活用し、楽しく快適な眠りにつくための知恵と工夫に溢れた空間になっていました。

眠りにつくときだけでなく、毎日の生活の中で心地いいこと。リビングと地続きになっているからこその工夫が、快適な眠りのための新たなヒントを教えてくれました。

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