その中でも賑やかで住みやすく若者に人気のエリア、三軒茶屋と駒沢大学駅の間に住むのは、会社員兼イラストレーターのハマダユウヤさん。
名前:ハマダユウヤさん職業:会社員、イラストレーター
場所:東京都世田谷区
面積:19.06㎡(1R)
家賃:8万9千円
築年数:3年
友達から突然飲みの誘いがあってもすぐに飛んでいけちゃうし、と話す彼は、フットワークの軽さが自慢。昨年秋に上京してきたばかりとは思えないほど、毎日たくさんの人に囲まれ、東京での暮らしを楽しんでいます。
そんな彼が住むワンルームは、ミニマルながらに住みやすい機能性が詰まった空間でした。
お気に入りの場所
お気に入りばかりを集めたラックキッチンの小型家電やルームスプレー、自分で書いたイラストなどがギュッと集められたこのラック。
窓のそばにあるからか、光が“いい感じ”に差し込み、お気に入りのアイテムたちをさりげなく照らします。
「家電置き場兼インテリア置き場みたいな感じで使っています。
自分の絵や他の人の絵、友達からもらったものとかが多くて、お気に入りのものを置くエリアになりました」(ハマダさん)
バランスよくディスプレイされた小物たちと、黒で統一された小型家電で統一感があるお部屋。
並べるときになにか意識しているのかと聞くと……
「家電は黒とシルバー、家具はオークしか買わないと決めているんです。
家具に関しては、元々この家に使われていたオーク材と同じ色のものを選ぶようにしています。
シルバーはステッカーを貼りたいから、という理由で取り入れていますね」(ハマダさん)
トイレの中にある洗面所部屋を入って突き当りの扉を開けると、洗面所付きのトイレが出現。さらにその向かって左側の扉を開けるとバスルームになっているという珍しい間取りに。
賃貸物件の洗面所はバスルームと兼用になっていることが多く、あまり見慣れないセットですが、スッキリと整理されていて、まるでカフェのトイレのよう。
イソップのマウスウォッシュにハンドソープ、スノーピークのチタンマグが並ぶ水回りは、男性のひとり暮らしの部屋と思えないほど、清潔感と洒落っ気溢れるスペースに。
小窓にはドライフラワーとフレグランスが置かれ、細かいところまでインテリアにこだわっています。
この部屋に決めた理由
もともと大阪で勤務していたハマダさん。東京に転勤が決まった後、先に住む街を決めたと言いますが、土地勘のない場所での物件選びは難航しそうですよね。
「渋谷から2駅圏内じゃないと会社からの住宅手当が出なくて。そうなると中目黒や代官山、神泉、池尻大橋、三軒茶屋ぐらいになっちゃうんです。
その中でも比較的家賃が落ち着いている三軒茶屋エリアに絞って、転勤前に住む場所だけ決めちゃいました。
そのうえ、出勤も含めて移動は基本自転車だから、『駅から徒歩○分』なんていう条件は考慮しなかったですね。
ちなみに、自転車は余裕があるときは家の中に入れてますけど、疲れているときは、外に置いちゃいます(笑)」(ハマダさん)
エリアを決めたあとはおうち選び。三軒茶屋と駒沢大学のちょうど中間地点で、両駅からは徒歩約10分ほどで着く家に決めたハマダさん。
三軒茶屋エリアというといろんな場所へのアクセスがいい分、物件の多さに悩んでしまいそうですが、何が決め手になったのでしょうか?
「3軒くらい内見したんですけど、ここが即決でしたね。入った瞬間に『ここにしよう』って。
築浅なゆえに綺麗だし、落ち着くし、“帰りたくなる家だ”って思ったんですよね」(ハマダさん)
また、デザイナーズ物件だというこの部屋は、ロフトとその下の畳スペースが特徴的。そんな変わったつくりも、内見時に気に入ったポイントだったんだそうです。
残念なところ
部屋の導線が悪いひとり暮らしには十分なスペースが確保されていますが、見渡してみるとミニマルなゆえに収納が少ない模様。
しかし、ハマダさん的には収納面というよりも、「導線の悪さ」が残念なポイントのようです。
「友人の間では『導線の悪い部屋』で有名なんです。
でも、自分的にはココ(ロフト下のスペース)で大体のことが完結するので、ひとりで暮らす分には困らないんですけどね(笑)」(ハマダさん)
お気に入りのアイテム
料理をふるまうときに好評なお皿たちハマダさんは、友人や会社の同僚を定期的に招いてご飯をふるまうというほどの、料理の腕の持ち主。
そのため、お皿やカトラリーにもこだわりがあるんだそう。
色やサイズがバラバラでも、直感でいいと思ったものを選んでいると、料理が映えてより美味しそうに見せてくれると話してくれます。
ワインのエアレーター貰い物のひとつだと紹介してくれたのは、「ワインのエアレーター」。
飲み口がまろやかになって、ワインがより美味しく味わえるようになるんだそう。
暮らしのアイデア
ドライヤーは“掛ける収納”収納の仕方に意外と困ってしまうドライヤーですが、S字フックを活用して“掛ける収納”に。
ついついゴチャゴチャしてしまうコードが絡まる心配もありません。
掃除機ではなくちりとりを使う掃除機がない代わりに無印良品の「卓上ほうき(ちりとり付き)」を使用。
掃除機自体は買うのがめんどうだったため使っていないとのことですが、絵を描いているときに出てしまうゴミを掃除するのには、この卓上ほうきがとても便利なんだとか。
サッと机の上のゴミを掃いて、食事の準備に取り掛かる時間は、掃除機よりずっと早いかもしれません。
あえて適材適所じゃないモノ選び生活雑貨は、本来あるべき場所ではなく、別のところで使って「意外性」を出すようにしていると話すハマダさん。
たとえば、お気に入りのお皿は玄関に置いているポプリ入れに使ったり、ドライフラワーはサイドテーブルに置いたり、コップはペンを立てたり絵具を入れたりして使っています。
これからの暮らしについて
現在は会社員として動画制作などに関わりつつ、イラストレーターとして、全国の方からの依頼も受けているハマダさん。
自分のことを一番に考えていいはずの家は、来てくれる人のことを中心に考えるほどの“おもてなし精神”に溢れていました。そんな彼のこれからの暮らしについて、絵を描いてもらいながら聞いてみることに。
「コンクリートで打ちっぱなしの家に住んで、ギャラリーっぽく自分のイラストを飾るのが理想です。
あとは、やっぱり、『人をたくさん呼べる家』っていいですよね。今の僕の家、たくさん人が来るわりに、やることがないんですよ。
僕が満足できる設備しかないから、ボードゲームやテレビゲームを買ったりして、みんなが楽しめる“エンタメ性”が欲しい。ほんまになんもないんです(笑)
DJブースがあったり、ミラーボールがある先輩の家があるんですけど、それが理想ですね。楽しくて、朝までいちゃうじゃないですか。“朝までいたくなる家”……いいですね。
スツールをバーッて積んでおいて、5人くらいいてもみんなが座れるとか……。
全部のモノ5人分ずつ欲しいです(笑)寂しがりなんですよ、ひとりが苦手で」(ハマダさん)
描いてもらったイラスト
自分が周りの人を楽しませたいという思いが強いからこそ、興味を持って近づいてきてくれる人がいる。そこからまた新たに輪が広がり、繋がっていくことで、いいサイクルがまわる。
そんなお話を聞いていると、ハマダさんのこれからの暮らしにも、たくさんの人が関わっていくんだろうというイメージが湧きました。
Photographed by Yo Noguchi
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