好きな思いが興じて現在はインテリア関係のお仕事をする彼女の暮らしは、お気に入りだけがぎゅっと詰まったすてきな空間でした。
お名前(ご職業):ナツリさん(インテリア関係)場所:東京都板橋区
面積とLDK:7.2畳(リビングのみ) 1K
家賃:81,000円
住宅の形態:マンション
築年数:12年
お気に入りの場所
カレンダーやフライヤーは壁にスクラップ部屋に入った瞬間、目に飛び込んできたこの壁。イラストやポスターを貼っているのかとたずねると、実は半分以上がカレンダーなのだそう。
「カレンダーって月めくりや日めくりが多いですが、せっかくかわいいから全部見せたいし見てたいなと思って。
右側はhaseさん、左側はYoshimi Horiguchiさんという好きなデザイン作家さんのカレンダーをばらばらにして貼っています」
「好きなショップのカードやフライヤーはお出かけしたときに少しずつ集めているもの。
たまに貼り替えたりして、変わっていくのがお気に入り。寒色が好きなのでブルーや白、黒などで統一しています」
なるほど、ごちゃごちゃと見えないのは色が統一されているからなんですね。
古道具の鏡や時計をディスプレイお店で気に入って購入したはいいけれど、置く場所に悩んだというのがこの鏡。
「ロンドンにいたときに壁一面が鏡でディスプレイされているカフェがあったのを思い出して、飾ってみたらいい感じに。
実はこれ、日本の古道具で……
裏面には、思いっきり意匠登録の印字が(笑)。
今は鏡としては使ってないのですが、引っ越したらちゃんと使ってあげたいな」
隣に並ぶ時計も今は動いていないそうですが、ヴィンテージのような雰囲気があります。
これも古道具?と思いきや、なんと自分でアレンジしたものなのだとか。
「雑貨屋さんでバイトしていたときにかわいいと思って買ったんですが、時間が経ってデザインが気に入らなくなって……。
もともとのモノは作り上げたアンティーク感があったので、表面の文字盤のデザインを全部ベリッと剥がしたんです」
陶器市で買ったお気に入りのうつわたち年に2回開催される大規模な陶器市・益子陶器市。毎年必ず1回は行くようにしているそうで、食器はほとんどそこで出会ったもの。
「半分以上は益子陶器市で買ったうつわなんです。食器を選ぶ基準は、和洋なんにでも合うこと。やっぱり青とか緑とか寒色が好きですね。
料理をつくるモチベーションがお皿なので、洗い物が面倒でもつい『これも使っちゃお』とつくってしまいます(笑)」
「食器棚も益子で衝動買いしたものです。
それまではキャビネットの中にうつわを収納していたので、見えるところに置きたいという思いがずっとあって。なのでこの一角はお気に入りです」
お気に入りのうつわたちがぎっしり並ぶ食器棚。どれを使うか吟味するのも、暮らしのなかの楽しみなんですね。
この部屋に決めた理由
なじみのある路線沿い、1日で決めたお部屋
この部屋に住み始めて丸3年。以前は同じ路線沿いの違う駅に住んでいたこともあり、このあたりにはなじみがあるのだとか。
「住み始めたのは、留学から帰ってきたとき。
就活の時期だったので、自分のまわりだけはあまり環境が変わらないほうがいいなと思い、同じ都営三田線沿いを選びました」
「料理をするので2口コンロ以上、ユニットバスじゃない、セキュリティ、徒歩何分以内……などハウスメーカーさんに条件を伝えて、何件か内覧して。
あまり時間がなかったので1日で決めたのですが、妥協したわけではなく『ここがいいな』と思ったんですよね」
残念なこと、気になること
部屋自体の収納が少ないもともとある収納場所はクローゼットだけ。物にこだわりがあるぶん、収納には苦労しているのだそう。
「とにかく物が多いのですが、収納があまり得意じゃなくて……。
間に合わせで買った100円の白いボックスは、もうちょっといいアイテムを見つけたら買い替えたいですね」
無垢材の食器棚が見つからない家具は無垢で統一しているナツリさんのお部屋。だけど大きな食器棚だけは、どうしてもそうはいかないらしく……。
「食器棚も本当は無垢がいいんですけど、なかなか気に入ったものが見つからず……。
せめて色味だけは、と思って木目調のものを選びました。便利ではあるんですが、そのうち買い換えたいなと」
お気に入りのアイテム
ハンドメイドのランプとテーブル趣のあるベッドサイドのランプ。これももしかして、古道具……?
「このランプは、趣味で家具を作っている知人が作ってくれたんです。シェードの部分はお菓子のカップを塗装しているんですよ。
寝る前には部屋の電気を消して、ランプの明かりだけでスマホをいじったり。メガネを置いたりできるのも便利なんです」
「テーブルも同じ方にお願いしたもの。サイズや脚、板などひとつひとつ条件を伝えて、オーダーで作ってもらいました」
ガラクタ屋さんで出会った古家具の引き出し「昔からヴィンテージ家具が好きだったんです」と話すナツリさん。
ヨーロッパのヴィンテージ家具が好きだった時期を経て、最近では日本の古家具にも興味があるそう。
衝動買いしたというこの引き出しも、日本の古家具。
「高円寺をふらふら歩いていたときに、道端でプラスチックの衣装ケースを売っているようなガラクタ屋さんで出会って……。
取手も木でできているのがかわいいですよね。3〜4,000円くらいで購入しました」
台湾で手に入れたアンティークのグラス骨董市で出会った食器以外にも、魅力的なうつわがずらり。
「台湾で買ったパンダのグラスがけっこうお気に入り。台湾ってこういうアンティークのオリジナルグラスが多いみたいで。牛乳を入れるとかわいいんですよ!
隣のグラスはもらいものなんですが、D&DEPARTMENTのリサイクル商品らしいです」
かわいらしいおそろいのマグカップは、ナツリさんが幼いころから愛用していたもの。
「双子の兄弟とひとつずつ、昔から使っていたマグカップなんです。
かわいいので実家から上京してくるときに持ってきちゃいました(笑)」
暮らしのHow Toやティップス
物の多さをドライフラワーで中和部屋中に並ぶドライフラワー。たくさんあるように見えますが、どこか統一感を感じます。
「買ったものもあれば、生花をドライにしたものもありますね。
IKEAの造花の葉も単体だとさみしいですが、ドライフラワーと組み合わせるといい感じになりますよ」
「物が多くてもドライフラワーを所々に置くとけっこうなじんで、物ばかりに目がいかないんですよね。
木やブラウンの家具が多いので、あまり浮く色ではなくナチュラルにというのは無意識に心がけているかもしれません」
家具の目線を合わせて、圧迫感を軽減家具は一式ありますが、不思議と圧迫感を感じません。配置にも工夫があるようです。
「低い家具と高い家具が混ざると高低差ができてちぐはぐになってしまうので、全体的な目線をあまり変わらないようにしています。色味もなるべく揃えるように。
高さのある家具は、部屋に入ったときにあまり目に入らない部屋の入り口や奥に置くと圧迫感を減らせますよ」
つい低めの家具を選びがちですが、配置を変えるだけでも圧迫感を抑えることはできるんですね。
箱は細かいものの収納に再利用「箱自体が好きなんですよね」と話すナツリさんは、空箱も収納に活用。
「たくさん持っている指輪は、箱にまとめています。
これはイイホシユミコさんという作家さんのお皿が入っていた箱。もったいない精神で使っています(笑)」
「友達からもらったお菓子が入っていた箱には、デスクの上の細々したものを入れています。
デスクって散らかりがちですが、箱に入れるだけでスッキリするから、片付けが楽なんですよね」
これはすぐに真似できるアイデア。捨ててしまうことの多い箱ですが、これからは取っておこう……と心に決めました。
Found MUJIの紙袋で生活感をなくす食器棚の上に置かれた紙袋は、青山にあるFound MUJIで購入したもの。
生活感の出やすいものはここに収納しているのだとか。
「10枚くらいセットでけっこう安く売っていたので、友達と半分こ。小・中・大といろいろなサイズがありましたが、使いやすいサイズがこれでした。
食パンを入れたり物隠しにちょうどいいんです。家具と色味を揃えることであまり目がいかないようにしています」
これからの暮らし
実は今年、引越しをする予定があるというナツリさん。
もともと持っている家具を活かしつつ、二人暮らしになるので大きな家具は買い替えも検討中なのだとか。
「ソファは上京したときに買ったもの。もう8年くらい使ってますね……。
3万円くらいと安かったんですがあまりへたれないし、サイズもコンパクトでお気に入り。でも引越しを機に変えたいなと思っています」
「クローゼットに入らなかった服たちを、今はとりあえずハンガーラックにかけているんです。
お互い服がすごく多いので、これからは服の収納も考えていきたいですね」
収納への苦手意識も、きっと素敵な方法で解決してしまうんだろうなぁ……。
「家にいる時間も好き。おしゃれすぎず、過ごしやすい部屋が一番」と話すナツリさん。
新しいお部屋もきっと、好きの詰まった居心地のいい空間になるのではないでしょうか。
Photographed by Kayoko Yamamoto
あわせて読みたい:
ミャンマー、ペルー。42ヶ国を訪れた旅好きの彼女がひとり暮らしを始めたワンルーム(戸越銀座)|みんなの部屋 - ROOMIE(ルーミー)
一人暮らしDIY男子の“抜け感”のある暮らし(大田区)|みんなの部屋 - ROOMIE(ルーミー)
コメント
コメントを書く