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作り手と使い手の思いが詰まったモノと暮らす。初めての東京暮らしは、東京らしくない部屋で(大田区)|みんなの部屋

2020/03/18 12:00 投稿

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品川駅から京急本線に乗って15分。駅の改札を出ると目に入ってくるのは、食べ歩きの聖地としても人気の商店街。

東京とは思えない落ち着いた雰囲気の街並みを横目にしばらく歩くと、突如デザイナーズ物件が現れます。昔ながらの銭湯や和菓子屋さんなどが立ち並ぶ中、一際目立つその物件に、やじまさんが暮らしています。

作り手の思いが込められた、温かみのある工芸品が随所に散りばめられたやじまさんの部屋は、あえて“土臭さ”をプラスするやじまさんならではの工夫やアイデアが溢れていました。

名前:やじまさん
職業:販売員
場所:東京都大田区
面積:5畳のロフトと、9畳の部屋
築年数:2年
家賃:7.1万円

お気に入りの場所

ロフトに置いた本棚の前

ロフト付きのやじまさんのお部屋。ロフト階段を上った左手に、本棚があります。
書斎風のこのスペースが、やじまさんのお気に入りの場所です。

「キャンドルに火を灯して、ここに座ってお酒を飲みながら本を読む時間が好きなんです。
ロフトは冬も暖かいですし、天井が低いのも落ち着きます。

最近は、民藝や日本の美意識に関する本を読むことが多くて、小説はあまり読まないです。
この家に引越してくる時に本は減らしましたが、ものを絞りすぎると落ち着かないので、このくらいごちゃごちゃしている方が落ち着きます」(やじまさん)

この部屋に決めた理由

やじまさんは、2019年9月に名古屋から東京へ転勤。いずれまた転勤があるので、期間限定で引っ越してきたこの家は、内見1軒目で即決したんだとか。

驚くほどスピーディに決断したやじまさんですが、住みたい家の条件をどのように決めていたのでしょうか?

「実家は岐阜、大学は京都、仕事を始めてからは名古屋で暮らしていたので、東京で暮らすのは今回が初めてなんです。

東京に住む自信がないというか、住んでいることが想像できなかったので、できるだけ東京らしくないところに住みたいと思っていました。

具体的には、商店街に近いこと。家の近くに銭湯があることを条件に探しました。前住んでいたところは近くに公園があったのですが、地域のコミュニティを感じられる場所じゃないと私は生きていけないんです。

この家は『goodroom』で見つけました。ひとり暮らしだし、一度はちょっと変わった物件に住みたいなと思って探していたら、木をふんだんに使った内装が目に入って、内見をお願いしたんです。

実際にここにきてみたら町の雰囲気も希望通りで、ここしかないと思って即決しました。

職場は東京駅の近くですが、家の近辺は東京感がなくて、のんびり暮らせます。銭湯もあるし、大衆酒場もあるし、コミュニティが感じられるので居心地がいいです」(やじまさん)

残念なところ

収納がない

作り付けの棚などがないので、基本は見せる収納になっているというやじまさんのお部屋。

「台所兼洗面台の下に無印良品のカゴや収納ケースを入れて、中に食材や食器をしまっています。

夏にこの家を引っ越すので大きな棚は買えないため、洋服などはロフトに。
洗剤などの消耗品は、洗濯機の上に棚を置いて、その中にしまっています。

収納スペースがないので定期的に片付けながら、やっとこうなった感じ。

収納がないのは大変ですが、逆にスペースが限られているので部屋を整えようという意識が生まれますし、その状況を楽しんでもいます」(やじまさん)

壁が薄く、床が冷たい

「壁が薄くて隣の音が聞こえるんです。床が冷たくて冬はめちゃくちゃ寒いので、ニトリで買ったシート型の畳を敷いています」(やじまさん)

窓があけられない

「隣の家との間に仕切りがなく自由に行き来できてしまうのと、向かいの家が目の前にあるので、視線が気になって窓を開けることができません。

カーテンレールも1つしかなく、レースのカーテンをつけることができないので、掃除するとき以外、窓は閉めっぱなしなんです。

開放的に作ってあるのがこの物件の良さでもありますが、警戒しないと……とも思っています」(やじまさん)

お気に入りのアイテム

家具デザイナーの父が作った椅子

やじまさんのお父様は家具メーカーのデザイナーをされているそうです。

そのお父様が作った、赤い座面の椅子がお部屋の主役になっていました。

「父の作った椅子が欲しいとずっと言い続けていたら、プレゼントしてくれました。

椅子に座ることもありますが、寄りかかってテレビを見ることが多いです。

この椅子があるか、ないかで部屋の印象がガラッと変わるので、部屋の印象を決める重要なアイテムになっています」(やじまさん)

布たち

玄関や壁など、お部屋のあちこちで布を活用しているやじまさん。場所ごとに用途が違うようです。

「玄関の布は『無印』で買ったインド綿です。扉が磨りガラスで人が通ると人影が見えて怖いので、カーテンがわりに布をかけています。

壁に飾りとしてかけている布は、草木・泥染めのストールなんです。会社の同僚にプレゼントしてもらったのですが、ストールにするのはもったいないので飾っています。

部屋が洋風なので、日本的なものを置いてバランスを取っています。スタイリッシュじゃなくていいんです。土臭い方が落ち着くんです」(やじまさん)

神棚コーナー

ベッド脇のサイドテーブルに置かれたスピーカーの上にある、かわいい小さなオブジェ。何を飾っているのか伺うと、それは神棚でした。

「季節によって変えるのですが、今は布袋さん、ヒバの木、クロモジ、美濃和紙などを飾っています。

3月はおひなさま、5月になったら鯉のぼりに変える予定です!」(やじまさん)

おじいちゃんにもらった木の箱

お父様が作った椅子のそばに置いてあった、アンティーク調の木箱はやじまさんのお祖父様からのいただきものだそう。見るからに歴史が詰まっている感じがします。

「おじいちゃんは昔、洋食屋さんをやっていたらしく、その時に小銭を入れるなどして使っていたものらしいです。

この箱を置くだけで部屋の雰囲気が変わりますし、存在感があって気に入ってます」(やじまさん)

大事なものは、この中に入れているそうです。

韓国の凧

「地元・飛騨の民藝品屋さんで買った、韓国の凧も気に入っています」(やじまさん)

暮らしのアイデア

視線を低くする

「視線を下げると部屋が広く感じられますし、地べたが落ち着くのでなるべく低いところにいたいんです。ソファを買おうと思ったのですが狭くなるので諦めました」(やじまさん)

限られたスペースをどう見せるか、視線に着目するのも賢く暮らすアイデアですね。

棚を置かず、カゴを活用

「収納がないのでカゴを増やして、その中に物をしまって隠しています。

夏に引っ越すので棚は買えません。だからカゴを活用しているんです。そうじゃないと散らかっちゃうので」(やじまさん)

カゴは、無印やIKEAで買うことが多いそう。物を隠しつつ、見せる収納ができるのはカゴの良い点ですね。

これからの暮らし

「今後、どんな部屋に暮らすことになっても、自然素材のものや日本的なものに囲まれて暮らしたいです。その方が自分にあっているような気がしているので。平家で、縁側、土間のある日本家屋に住めたら最高です……」(やじまさん)

いつかは東京を離れ、また新しい場所で生活をスタートするやじまさん。

初めての土地でも上手に自分らしい暮らし方を見つけていく彼女が、次はどんなふうに暮らしをつくっていくのか。いつかまた見てみたいな、と思いました。

Photographed by Kosumo Hashimoto

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