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自分好みの暮らしはどう作る?不動産にリノベーションの考え方を聞いてみた

2019/12/20 22:00 投稿

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理想と現実の間でゆれうごく、僕たち私たちの物件事情。

自分好みにカスタマイズしたいと思っても賃貸じゃ限界があるし、いざリノベーションしてみようにも、何から手をつければ……。

リノベーションを考えるときのポイントがあるとしたら、ぜひとも知りたい!

リノベーションを考えるイベントに行ってきた

Photographed by omusubi不動産

千葉県松戸市に拠点を構える不動産、omusubi不動産。

オーナーさんが手を加える前の築年数の古い物件などを、リノベーション可能という条件つきで安価に賃貸・売買している不動産です。

入居者としても浮いたお金で自分好みにリノベーションできるので、お互いにとってうれしい関係性。

HPには、無限のポテンシャルを秘めた築年数の古い物件がたくさん

そんなomusubi不動産が「物件目利きツアー」と題して、リノベーション可能な物件を検討するときのポイントを教えてくれるイベントを開催。実際に売りに出されている物件のうちの3部屋を見学しながら、「どうやってリノベーションすればいい?」を考えていきます。

今回訪れる3部屋は、リノベーションの段階から物件の構造までがそれぞれ異なる、三者三様なお部屋。

様々なタイプの物件をのぞいてみながら、イマジネーション膨らむリノベーションのポイントを教えてもらいましたよ!

1部屋目:明るく清潔感のある部屋だけど…

リノベーションのbefore/after

購入したマンションでも、玄関ドアは自分では交換できないそう。新しくなっていたらラッキーです。

一行が最初に向かったのは、築年数46年を誇るマンションの1室。

中に入ってみると、白を基調とした明るい空間が広がり、半世紀近くのときを経たとは思えない清潔感。

こちらの部屋では入居者が好きにコーディネートできるように、なるべく個性のない内装にしているそう。

after(Photographed by omusubi不動産)

光がたくさん入る広いリビングが印象的なこの物件。

だけどここ、もともとは3DKだった間取りを、壁をとりはらって2LDKに改築しているそうで……

before(Photographed by omusubi不動産)

リノベーションをする前の部屋はこの通り。見まごうほどの変貌っぷりです。

ちなみに、このレベルのリノベーションをしようと思ったら、一般的に2ヶ月くらいの期間が必要で、600万円前後の費用がかかるとのこと。

現在の間取り


以前押入れがあった場所にはライティングレールが

壁をとりはらうだけでも部屋全体が一気に明るく、レイアウトしづらそうなキッチン周りも、のびのびと使えるようになりました。

いつもならある程度は妥協してしまいそうなところだけど、こんなふうに自由に間取りを決められるのは楽しい……!

omusubi不動産 市川さん

ツアーの案内をしてくれたomusubi不動産の市川さんは、今回のツアーについてこんなふうに言っていました。

「自分ならどんなふうにリノベーションするかをイメージできるようになるのが、このツアーの最終的な目標です」(市川さん)

before(Photographed by omusubi不動産)

after

確かに昨日までの私は、この物件の以前の状態を見ても、ここまでの可能性は感じていなかったな……。

リノベーションのポイント

床には透明のオイルを塗る「クリア塗装」が施されているそう

友人同士で来たというこちらの男性は、普段から自分でもDIYをするらしく、物件目利きの上級者。

「この物件のみどころは?」と聞いてみると、「床が無垢材なのと、ドアの縁などの建具も全て本物の木材を使っているのがすごい!」とのこと。

床をよく見てみると、確かに一般的なフローリングとは手触りも表情も少し違う……。

床材に使っているのは、家具にもよく使われる「バーチ」という木材。本物の木ならではの節や木目の模様がキレイです。

無垢材の場合、定期的なメンテナンスが必要になるので少し手間ではありますが、このやさしい風合いは一度触れると虜になってしまいそう……。ツルツルのフローリングには感じられない、あたたかみのある床です。

コンセントの種類や場所を変えることも可能

すでにリノベーションが施された物件ではありますが、ここからさらに入居者が手を加えることもできるとのこと。

照明をライティングレールに変えてみたり、飾り棚をつくってみたりと、今まで我慢していたアレやコレの妄想が膨らむ物件でした。

2部屋目:1からデザインできる部屋

約75㎡のワンルーム…?

続いて一行が向かったのは、専有面積75.78㎡と、ちょっと広めのお部屋。

間取り図を見てみると、あれ、壁がない……?

なんとこの部屋、全面コンクリート打ちっ放しの「スケルトン」の部屋。入居者がリノベーションすることを前提に、830万円(税込)にて販売しています。

リノベーションにかかる費用は、だいたい500〜1,000万円ほどとのこと。(どこまでこだわるのかにもよります)

松戸市の場合、築30年以内で60〜79㎡の物件だと価格相場は約2,328万円とのことなので、単純計算でもかなりお安い模様……!(こちらの物件、築年数は46年ほどですが)

水まわりや電気、床や壁の下地の工事は業者さんに頼まないと難しいそうですが、壁をペイントしたり、床にフローリングを貼ったりなどの仕上げの部分のDIYは資格がなくてもできるそう。

とはいえさすがに全く手がかりのないまっさらな状態だと、リノベーションのレイアウトを考えるのが難しい。これはさすがに、挫折してしまいそう……。

リノベーションをするときに知っておきたいこと

ここで市川さんから、リノベーションをするときのヒントになる、「水まわり」の改築についてのお話が。

「部屋の中で排水菅が出ている箇所がありますが、この排水口の位置が部屋の中で唯一変えられない部分。キッチンや洗面所の排水がすべてここに向かっていくイメージです。

Photographed by omusubi不動産

例えばキッチンを部屋のど真ん中に持っていきたければ、その分排水口からの距離が遠くなって、管を長く引かなければいけなくなりますよね。

そのとき、排水が詰まってしまわないように、管を坂にしないといけないんです。坂の角度は、50cm進んだら1cm高くなる角度と決まっています。

キッチンの場所が排水口から離れれば離れるほど排水が詰まってしまう危険性が高くなるし、キッチンをステージのように少し高めの位置につくらなければいけなくなるんですよね」(市川さん)

ということは、よっぽど強いこだわりがないのであれば、排水口の位置に合わせてまずはキッチンや洗面所などの水回りの場所から決めていくのが安全かも。

また、マンションの構造には大きく分けて「ラーメン構造」と「壁式構造」の2つがあるそうで、こちらもリノベーションを考えるときの大事な前提になるのだといいます。

「この物件はラーメン構造といって、部屋全体を柱と梁で支える構造でつくられています。だから、部屋の中の壁は全部取れちゃうんです。

逆に壁式構造っていうのが、壁で体力を持たせている構造。壁をすべて壊してワンルームにすることができない場合が多いです。メリットとしては、耐震性が少し高いこと、柱や梁がないので部屋全体がスッキリすること、断熱性・防音性に優れていることなんかがあります」(市川さん)

ラーメン構造のこちらの物件だと、レイアウトの自由度はかなり高め。

今回のツアーでは、ちょっと奇抜で夢がある、こんなアイデアが聞こえてきました。

・玄関を広くとって自転車置き場をつくる
・部屋の真ん中をベッドルームにする
・そのままの開放感を生かしてワンルームにする
・打ちっ放しのインダストリアルな雰囲気の部屋にする

1から部屋のレイアウトを考えることができるので、他にはない唯一無二の部屋を実現できそうです。

寄り道:地元で人気のパン屋さん「マルサン堂」

タイプの異なる2つの物件を見学した一行は、次なるマンションへ向かいます。

と、その途中で、市川さんから近くのパン屋さんに寄ってみない?と提案が。


地元で人気のパン屋さん「マルサン堂」は、オーナーご夫婦自らがDIYした内装もみどころ。床や壁、いたるところからあたたかな味が滲み出ています。

ビニールのシートを貼っていたときのノリの模様を生かした床

漆喰の壁は手間もコストもかかるけど、壁紙では再現できない高級感が魅力。リノベーションをするなら、ぜひともトライしてみたいところ!

ちなみに市川さんのオススメパンは、カレーパンとクリームパン。人気なので、売り切れ注意です!

3部屋目:縦長 & 壁式構造の部屋

設備面では問題なし!だけど…

続いて向かったのは、築年数18年ほどの、黄色い壁がポップなマンション。緑に囲まれた外観が爽やかで、四季折々の自然を楽しめそう。

部屋の中はというと、築年数が比較的浅いということもあってかなり綺麗。お値段は78.74m²で1,998万円です。

これといってすごく不便なところは見つかりませんが、間取りの部分で「もっとこうだったらなあ……」と思う部分がちらほら……。

玄関横には、専用の自転車置き場が!

「この物件はお風呂やキッチンなどの設備がきっちりしているので、それ以外の内装にお金をかけることを想定したお部屋です。みなさんも実際に、自分だったらどんなふうにリノベーションするか、考えてみてください」(市川さん)

ということで実際に、自分だったらどこを変えるか、参加者のみなさんで考えてみることに。

どんなふうにリノベーションする?

リノベーションのイメージを間取り図にメモしていきます

太く記されている壁が、取り壊せない壁

間取りはよく見る縦長のつくりですが、どうしても採光面で物足りなさを感じる部分も……。

だけどこの物件、先ほどの構造でいうところの「壁式構造」に当たる物件。部屋の中で何箇所か、取り壊せない壁があるんです。「壁を全部とっぱらってワンルームに!」と思ってもできないので、要注意。

参加者からは、洋室(6.3帖)のクローゼットと和室(6.2帖)の押入れをなくして部屋を広くする、などのアイデアが。

確かにクローゼットと押入れがあることで洋室の入り口が入り組んでしまって、デッドスペースができてしまっています……。

他にも……

・廊下をなくして部屋をもう少し大きくする
・自転車置き場を防音シアターにする
・玄関を広くして土間をつくる
・孤立しているキッチンを和室側にもってきて、キッチンを物置にする
・ウォークインクローゼットを大きくする

などなど、たくさんの真似したいアイデアが出てきていましたよ!

大事なものが何か、考えてみる

3つの部屋を見学して、自分だったらどんなふうにリノベーションしたいかを考えたこの日。最後に今日のツアーを振り返ってみて、市川さんからこんなお話が。

「リノベーションって実際は、『大掛かりに改修する』って意味合いがあると思うんですけど、僕個人的には『自分たちの好みに合わせて暮らしをつくり変えること』であればリノベーションなのかなって思っていて。

例えば部屋に布を一枚かけるだけでも、その人たちにとって生活が変わるようなことであるなら、リノベーションだと思うんですよね。

それを実践するために、今日のツアーで自分や一緒に暮らす人がどんなことを大事にしていて、どんなことを実現したいと思っているかを棚卸しして、今後自分たちが暮らしをつくるきっかけになれたらいいなと思います」(市川さん)

部屋の中で何を重要視するかは、その人がどんなふうに暮らしたいかに直結することでもあります。だからこそ、自分やパートナーにとって100%マッチする既成の部屋なんて、滅多に見つかるものではないのかも。

リノベ脳がたっぷり鍛えられた「物件目利きツアー」。もう一度、自分にとっての“大事”に向き合ってみるきっかけになりました。

omusubi不動産

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