会期中には約20万以上もの人で賑わう、世田谷を代表する伝統行事「ボロ市」。
今回取材した森本さんは、400年以上も前から続くその「ボロ市」に魅了され、結婚を機に最寄駅である世田谷線上町駅周辺のマンションにお引っ越し。それから約24年間、ご家族と一緒に暮らしていらっしゃいます。
駅から歩いて約3分、「ボロ市」会場からすぐの好立地にあるマンションの最上階、広いルーフバルコニー付きの森本さんの住まいを訪ねました。
名前:森本八月喜さん職業:有限会社HA2代表・建築士
場所:東京都世田谷区
面積:88㎡+ルーフバルコニー45㎡
築年数:45年
住宅の形態:分譲
お気に入りの場所
見晴らしの良いルーフバルコニー東京タワーやスカイツリーなど、東京の街並みを一望できるルーフバルコニー。夏には花火も見えるそうです。
「朝起きてコーヒーを飲みながら新聞を読むのが、1人で過ごす大切な時間。最近は夫が起きて来るので1人の時間になってないんですけどね(笑)。
多いときで15人くらいうちに集まるので、その時はキッチンで料理したものをバルコニーで楽しみます。時々、バーベキューもしますよ」
娘さんいわく「お父さんは、お母さんが大好きだから起きてくるのは仕方ない」とのこと(笑)
気になる柄模様のこのテーブルは自分でデコパッチしたんだとか。
「紙を糊で貼ってワックスをかけるだけ。1日で完成しました」
5mのカウンターがあるキッチンお料理好きな森本さん宅のキッチンはなんと長さ5m! 圧巻です。
「子どもの成長や、家に来るお客様との関わり方の変化とともにキッチンもリフォームしてきました。
このキッチンにしたのは2006年。ルーフバルコニーへと繋がる形にして、インナーバルコニーのように使いたかったので、もともと子ども部屋があったところをキッチンに改装しました」
ちなみにこちらのオープンキッチンはTOTO製で、お酒を飲みながら好きに使えるようになっていて楽チンなんだとか。
「私はお酒が好きなので、子どもとその友達が遊びに来た時は、おつまみはいくらでも作りますよ!」
この日も取材終わりに、さっとキッチンへ向かった森本さん。
ワインやビールとともにバスク料理のアミューズや、タイの昆布締めなどを振舞ってくださいました。
富士山が見える、異国情緒あふれる寝室和箪笥、行李、ベトナムのホイアン、ヨーロッパの雑貨など、多国籍なエッセンスがギュッと詰まった森本さんの寝室。窓からは富士山が見えるそうです。
「もともと長女の部屋だったのですが、別で暮らしているので今は私の部屋になりました。」
衣装ケースとして愛用するのは、長女さんが成人のときにおばあちゃんに買ってもらった和箪笥や、森本さんが結婚したときに持ってきた和箪笥、行李たち。
「引き出しは三宿の『THE GLOBE』で買いました。残りの人生、これだけの荷物にしておこうと思って買ったもので、中には保険証・印鑑・大切な手紙など、一趣味ごとに一引き出しでテーマを決めて入れています。」
また、引き出しの下に入っているボックスは備え付けではなく、ボロ市で買ったもの。
「この椅子もボロ市で買ったんです。中にはホームパーティーに遊びに来てくれたお客さん用の布団や毛布などが入っています。」
同居されていた頃に、森本さんから長女さんにプレゼントしたお部屋の扉は、1枚板に山口県の萩ガラスが埋め込まれていました。
この部屋に決めた理由
「結婚する前は京王線のつつじヶ丘駅に住んでいて、結婚を機に上町のこのマンションに引っ越しました。
ボロ市が大好きなので、ボロ市通りの近くに住むことを第一条件に探して出会ったのがこの物件です。本当に、毎年行かないと始まらないし、終わらないくらい!」
世田谷線沿線は周辺の他の沿線と比べて物件の価格が安く、森本さんが仕事で使う京王線や小田急線への乗り継ぎもいいので便利なんだとか。
「都心から近い割に商店街もあって昔の街並みが残っているのも魅力ですね。子どもが小さい頃は、馬事公苑や豪徳寺にもよく遊びに行きましたよ」
ご主人・還暦をお祝いしたときの家族写真。娘さんプロデュースとのこと。
「実は、1995年に引っ越した当初はこのマンションの別の部屋(広さ約50㎡)に住んでいました。
だけど、ルーフバルコニーのある部屋に住みたくて、前に住まれていた方が引っ越したタイミングでこの部屋に移らせてもらったんです。
だから結婚してからずっと、このマンションに住んでいるんですよ。」
長く住まれていることや、建築士のお仕事柄もあってか、子どもの成長とともに部屋をリフォームした回数はなんと3回!
今ではこの間取りに落ち着いたそうですが、現在のリビングは、もともと畳の部屋だったんだとか。
残念なところ
IHコンロがフラットではないリフォーム当時、節約したためIHコンロがフラットではないそう。確かに少し凸になっています。
「これはいつかフラットにしたいですね……」
お気に入りのアイテム
渋谷PARCO劇場の昔の椅子「渋谷PARCOがリニューアルのために一時閉館したときに、劇場の色々なアイテムをオークションに出していたんですよ。
私たちは劇場の椅子を買って、リビングには2脚、キッチンに3脚の椅子を置いています。」
「新しく生まれ変わった劇場に訪れるのが、今から楽しみ」なのだとか。
この椅子は家族みんなが気に入っているので、娘2人がゆくゆくは自分の家に持って行っちゃいそうですね、と森本さんは嬉し気に微笑みます。
キッチンの照明
「スウェーデン製の『KOSTA BODA』社のオレフォスの照明は、仕事で行ったスコットランドとフィンランドで見て可愛いと思って買ったんです。」
食器も使っているとのことで、1つ1つ柄が違っていて気に入っているそう。
版画家・吉本由香利さんの作品「知人の版画家・吉本由香利さんの作品をリビングとキッチンに飾っています。」
「自分を嫌うんぢゃない。」と書き添えらている。
「作品にはメッセージが入っているものもあって、キュンとくると買っています。」
旅行先で取って来た砂「旅行に行った先々で砂を持ってくるので、家には世界の砂があるんです。
スペイン、メキシコ、オーストラリア、イギリスなど、砂には旅の思い出が詰まっています。」
ちなみに瓶はもちろんボロ市で買ってストックしているものたち。やはり瓶に詰め替えると絵になりますね。
暮らしのアイデア
玄関に印鑑台を置く「宅配便が来たときにハンコを押す印鑑台を取り付けました。」
これも三茶の『THE GLOBE』で買ったものだそうですが、結構便利なんだとか。
「書類を書いたりするときにも使いますよ。」
勝手口と入り口は自分でつくる「マンションは勝手口がないので、リビングへの入り口と、勝手口を木戸で分けています。」
ゴミ出しはキッチン側の勝手口から玄関へ、お客さんは玄関からリビングの入り口に入ってもらうそう。
部屋の面積は変わっていないのに、なんだか空間が広くなる気がする、建築士の森本さんらしいアイディア!
これからの暮らし
「近いうちに玄関に土間を作りたいですね。マンションって、玄関を開けると外が見える作りのところがないじゃないですか。
だから玄関から入ったところにある壁を抜いて、西向きにあるベランダも見えるようにしたいと思っています。目線を外に持っていけるような……。
イメージは、いろんな人が寄り合えるような茶の間感覚の土間ですね。」
玄関を開けると外の景色が一望できる土間のあるマンション、そう聞いただけでワクワクしました。
森本さんのその構想が実現する日を楽しみにしています。そして、おいしいお料理の数々、ごちそうさまでした!
あわせて読みたい:
インダストリアルなリノベ部屋には、駆け出し起業家をポジティブにしてくれるヒミツが溢れている|みんなの部屋(千駄ヶ谷) - ROOMIE(ルーミー)
インテリア好きな夫婦が目指す、子どもの成長に合わせた部屋づくり(杉並区)|みんなの部屋 - ROOMIE(ルーミー)