どこまでも風通しのいい透明な風景。
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画像/素材提供:© Anne Schwalbe
アンネ・シュヴァルベさんの作品集を開くと、そんなかざり気のない風景に出会えるような気がします。
写真に写っているのは、鉱物や砂、水面などの名前もつけられないような風景ばかり。でも、その写真をみていると、だんだん静かな気持ちになってくるのが不思議です。
曇り空か空気の対流を写したようなショット。でも、なぜか温かい感じがします。
シュヴァルベさんは前作「Wiese」(2011)で、自宅周辺の草地を何年も撮りつづけていました。そこで被写体になったのも、野の花や藁(わら)といったものばかりでした。派手で大きな花ではなく、野の花に着目するところがシュヴァルベさんらしいです。
なんのかざり気もないのに、光がある。その不思議な光に、癒されるような気がします。
この作品集は本のように綴じられてはおらず、一枚一枚、そのまま封筒に入っています。そのとりとめのない感じごと、紙のケースに閉じ込められている、そんな作品集です。
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(宮越裕生)
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