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DIYで、古いリノベ賃貸を“心地いい”空間に。グリーンの壁を活かして設計した1LDK(蔵前)|みんなの部屋

2019/08/12 12:30 投稿

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世界中からバックパッカーが集まるゲストハウス、「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」。昔ながらの豆腐屋さんや今話題のチョコレートのお店……。古きよきものと新しいものが合わさって、独特の空気が流れる街、東京・蔵前。

今回は、そんな蔵前に住む「エドワード・オークラ」さんを訪ねます。

Instagramアカウントの名前である「エドワード・オークラ」は、ふたりの名前とは全く関係がなく、お部屋のコンセプトを表しているのだとか。なんと……遊びゴゴロとクリエイティビティの香りがしますね。

お部屋の隅々まで行き渡るこだわり、たくさん見せていただきました。

プロフィール
・名前:慎之介さん、あがささん
・職業:MATCHA プロダクト責任者(慎之介さん)、Webクリエイティブディレクター(あがささん)
・場所:東京都蔵前
・面積:50㎡、1LDK
・築年数:45年

お気に入りの場所

印象的なグリーンの壁と装飾

まず目を引くのは、綺麗なグリーンの壁。

このグリーンの壁に、「エドワード・オークラ」という名前の秘密が隠されていました。

「入居する前にグリーンの壁があることを知って、緑色の壁があるインテリアの写真をPinterestで集めてイメージをつくっていました。その中でイギリスのデザイナーのLuke Edward Hallと出会って、ドンピシャだなって思いましたね。

そこから“エドワード”を取って、マンションの名前の“オークラ”を足して“エドワード・オークラ”が部屋のコンセプトになったんです」(慎之介さん)

Luke Edward Hallの作品の写真

実際にお会いする前は、外国人の方だと勘違いしていた私。

それにしても、どうしてこんな印象的な名前をつけたのでしょうか。

緑の壁のまわりには、旅行の写真や雑誌、キャンドルが

「インスタグラムで家のことや蔵前のことを発信したいと思っていて、最初は名前も『kuramae45tokyo』とかにしようかと思ったのですが、印象に残らないなと思って。

エドワード・オークラなら、“エドワードさん”って人みたいに呼んでもらえると思ったんです」(慎之介さん)

たしかに、エドワード・オークラと一度聞いたら忘れないほど、印象的です。

見せる収納でまとめたキッチン

レトロなピンク色のシンク下収納は、元から付いていたものなのだそう。

「色がごちゃつかないように、ピンク以外の色は統一しました。収納がほとんどなかったので、有孔ボードを使って見せる収納にしたんです」(あがささん)

ナチュラルな色でトーンが統一されているので、壁一面にキッチンツールが飾られているような雰囲気に。小さなビンや缶も、アクセントになっています。

こだわり抜いた寝室

お部屋の中でも、もっとも光に満ちていたのは寝室でした。

「アメリカ留学をしたときに大きいベッドが気に入って、日本でもベッドは大きいモノにしようと思いました。

どうしても、このEPALのパレットが欲しくて、わざわざ茨城まで行って買ってきたんですよ」(慎之介さん)

1つ約900円!お手頃価格です

ゴツすぎず、綺麗すぎず、ちょうどいい風合いのあるパレット。このパレットを並べて、マットレスを載せているのだそうです。

寝室には、たくさんのアートや本もありました。

「大きい絵は、ふたりで順番に筆を持って塗って完成させました。小さいふたつはそれぞれが描いて、緑のは僕が、ピンクのはあがさが描きました」(慎之介さん)

カーテンがなく、すっきりと明るいお部屋。朝は、太陽の光で目が覚めるのだそうです。

ベッドの向かいにある鏡を覗いてみると……

「朝起きたときにベッドの上からこの鏡を見ると、リビングが見えるんです。その眺めが好きで、毎朝、いい家だなあって思いますよ(笑)」

この部屋に決めた理由

DIYのアイテムが多いおふたりの部屋。どうして築40年超えのリノベーションアパートに決めたのでしょうか。

「ふたりで住む家を決めようと思ったとき、新築かリノベーション賃貸かで迷いました。僕は新築に傾いていたんですが、あがさが『リノベ賃貸には今しか住まないかもしれない』って言ったので、じゃあリノベ賃貸にしてみようと思ったんです」(慎之介さん)

お部屋の間取りやDIYの設計は、一冊の本にまとめてある

「お金で解決しない家にしたいねって話していて……。だから、買えばいいものでも、できるだけ自分たちでつくるようにしています」(あがささん)

エドワード・オークラさんのInstagramには、お家のDIYの様子がたくさん載っています。見ているだけで、やってみたい!と思ってしまうものばかり。

投稿の中に蔵前のカフェやお店も出てきます。おふたりにとって、蔵前はどのような街なのでしょうか。

「僕は大学生のとき、蔵前にある「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」に出会い、衝撃を受けたんです。昔からの倉庫をリノベーションしてつくられた建物で、既存のよさを活かしている空間でした。

留学後にこの会社で1年弱働いていて、その頃からいつかは蔵前に住んでみたいと思っていましたね」(慎之介さん)

この投稿をInstagramで見る

エドワード・オークラさん(@edward_okura)がシェアした投稿 – 2019年 2月月23日午前12時37分PST

一方、あがささんは東京の西側に住んでいて、職場からも遠かったのだとか。

「蔵前には馴染みはなかったのですが、蔵前のカフェなどに興味はあったので、住んでみてもいいかなと思っていました。

蔵前には、古い建物やお店もあるし、新しいカフェもある。そのギャップが好きです。昔ながらの豆腐屋さんとか、サンドイッチ屋さんもあるんですよ」(あがささん)

「インスタグラムをやっていることで、街のお店に行ったときに声をかけてもらうこともあって、うれしいなと思います。おしゃれなヨガスタジオもあって、今朝も行ってきました!」(慎之介さん)

新しいものも、昔からあるものも、どちらも混ざり合っていい空気がつくられている蔵前。馴染みのお店ができるアットホームな雰囲気も、住むときには大事ですね。

残念なところ:水回りが古い&狭い

ネット回線が壁の真ん中から出ています……

築年数の古いアパートでよくある悩みといえば、宅配ボックスがないこと、オートロックがないこと、おふろの追い焚き機能がないこと、配線が不思議……などなど。

その中でおふたりが一番困っていたのは、洗面所とおふろ場の狭さでした。

「水回りスペースへ入るドアが細すぎて、洗濯機が入らなかったんです。でも、『このドアを変えないと、今後この部屋に住む人は困りますよ』と大家さんを説得しました(笑)」(慎之介さん)

説得した結果、サッシを変えて幅60cmまで入るようにしてもらえたのだとか。すごい交渉力です。

「洗濯機と洗面台とおふろ場が密接しているので、脱衣所はないです。棚も少なかったので、つっかえ棒を使ったり壁に棚をつけたりして工夫しています」(慎之介さん)

「今でも狭いと感じることはありますが、この小さいスペースに水回りがまとまっている分、リビングスペースが広くなっているので、仕方ないかなと思っています」(あがささん)

お気に入りのアイテム

手作りのドライフラワー

お部屋には、ドライフラワーだったり、鉢植えの植物だったりと、たくさんの植物たちが。

「母がフラワーデザイナーで、生け花やプリザーブドフラワーをつくっているんです。家にあるものは全部手作りで、近くのドライフラワーショップで買って組み合わせたりしています」(あがささん)

父から受け継いだコーヒーミル

慎之介さんのお気に入りは、コーヒーミルの最高峰と言われるザッセンハウスのミル。

「父親から譲り受けて、色を塗り直して使っています。毎日、キッチンでコーヒー豆を挽いているんです」(慎之介さん)

種類の違うエジソンランプ

「エジソンランプが好きなんですが、いろんな形のものを吊るしたかったんです。流木にコードを巻きつけるやり方は、ゲストハウスのtoco.からヒントをもらいました」(慎之介さん)

大きな流木は、どこで手に入れたのでしょう。

香川から持ってきたという流木

「僕が香川に仕事で行ったときに、海で拾ったんです。飛行機に持ち込みをしようとしたら、前例がないって言われてダメだったので、郵送しました(笑)」(慎之介さん)

飛行機に流木は持ち込めない。覚えておかないと!笑

DIYしたキッチンテーブル・収納BOX・テレビ台

キッチンのサイドテーブルは、おふたりの手作りなのだそう。

「立って作業するのにちょうどいい高さのテーブル脚を買って、板を探しました。板も、耳がついているものがよかったので、ハンズで買った3枚の板を組み合わせてつくったんです」(慎之介さん)

キッチンでちょこんと佇んでいるこちらの収納BOXも、慎之介さんのお手製。

「これは、色々つくって出てきた余りの板で作りました。キャスターをつけて動きやすいようにもしています」(慎之介さん)

そして、リビングの中で目を引くのは、立派なテレビ台。こちらはあがささんが設計しのだとか。

「幼少期に実家を改築する際、両親と妹とともにくりかえし図面や設計図を書いていた経験が活きました」(あがささん)

「賃貸だから穴を開けたりできないので、ディアウォールでつくっています。

Boseのスピーカーを置きたかったり、無印のディフューザーを置きたかったりしたので、たくさん棚があるような設計にしてくれています」(慎之介さん)

暮らしのアイデア

「エドワード・オークラ」というコンセプトもさることながら、賃貸とは思えぬほどの自由なインテリアに驚きます。どのようにして自分たちらしいお部屋をつくっているのでしょうか。

古いアパートあるあるの造りを活用する

「古いアパートによくある、謎の〇〇を活用しています。謎の突起や隙間、スペースを収納にしたり、アートや本を置いたりして楽しんじゃうようにしています」(慎之介さん)

たしかに、よく見るとカーテンレールの上に棚のようなスペースがあったり、壁と壁の間にスキマがあったりと、古い建物ならではの造りが見られます。

高い位置の収納で部屋を広く見せる

「上の方に物を置くことで目線が上に行って、天井が高く、部屋が広く見えるようになるんです。賃貸だと、壁に穴を開けられなかったりして、どうしても目線が下に行きがちですが、なるべく上の方に物を置くようにしています」(あがささん)

たしかに、穴を開けられないとなると、何かの上に置いたりするしかなくて、低い位置からモノの置き場が決まっていきますよね。

「下駄箱の収納も少なかったので、シューズラックをDIYしました。2本の板を使って、靴が置けるようになっています」(慎之介さん)

これからの暮らし

お家のインテリアも、Instagramでの発信も、こだわり抜いて考えているおふたり。このお家でできた「空間づくり」の経験を、これからも活かしていきたいと話してくれました。

「今回の部屋でDIYをした経験を、次は持ち家でやってみたいなと思います。ゼロから考えてみたいですね。

あとは、お家だけにこだわらず、ふたりともが好きな“空間づくり”と“デザイン”に力を入れて、カフェやスペースづくりをやってみたいなと思っています」(あがささん)

「僕らが都内でDIYをして思ったのは、都内だと思いっきり音を立ててDIYをするのが難しいということ。朝早くに公園でやったり、ちょっと人の少ないところに行って作業をしたりと、大変なこともありました。

だから、来る人がDIYを思いっきりできるスペースなんかも、つくってみたいなと思います」(慎之介さん)

旅行も好きで、国内外問わず色々なところに行っているというおふたり。住む場所はどんな風に考えているのでしょうか。

「蔵前はどんどん発展してきているので、これからもう少し、発展を見届けたいなと思います。

その一方で、仕事柄、地方にいくことが多く、日本の地域の可能性も強く感じています。ゲストハウスはたくさんありますが、宿泊だけでない空間をつくることができたらいいな、と思っています」(慎之介さん)

“風、光、音楽がいい気をつくる家にしていたい。”そう話してくださったおふたりのお家には、取材中もずっと心地いい空気が流れていました。

「エドワード・オークラ」という不思議な名前に惹かれてお家にお邪魔してみたら、いたるところに見られるDIYの楽しさにワクワク。

これから、おふたりがどんな空間をつくっていくのか、楽しみですね。

Photographed by Shohei Noguchi

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