明るい笑い声とピンクのワンピースがよく似合う森本さんは、本を通じてのマッチングサービスを始めて半年の「駆け出し起業家」。
多忙な毎日を過ごす彼女ですが、建築家であるご両親と一緒にリノベーションして作った空間には、“元気の源”があふれていました。
名前:森本萌乃職業:MISSION ROMANTIC 代表、FABRIC TOKYO プランナー
家族構成:ひとり暮らし
場所:千駄ヶ谷
面積:31m²
お気に入りの場所
豊かな夜を味わうベンチ週に4日、スーツのオーダメイドサービスを行うFABRIC TOKYOに出勤しながら、毎週水曜日には、自社MISSION ROMANTICの企画・運営を自宅で進めている森本さん。
「出勤日も、自宅で仕事をする日も、その日の仕事を終えて落ち着いたら、このベランダの淵に座っての~んびりするんです。
夜は涼しい風が気持ちよくて、公園のベンチでまどろんでいるような気持ちになりますよ」
世界各国で出会ったアロマキャンドルたち
その日の気分に合った香りのアロマキャンドルに火をつけた後、このベンチで簡単なおつまみとお酒を楽しむのが、お気に入りな夜の過ごし方なんだそう。
あえて電気を消してアロマの灯だけで過ごすひとときは、日中の忙しさとは打って変わって、時間の過ぎ方がゆったりと感じられるのだとか。
ドコモタワーの灯りを眺める、ハンモック「さらに、夜にここへ寝ころぶと、遠くにうっすら新宿のドコモタワーの灯りが見えるんです」
読書家の森本さん。今読んでいるのは、内田洋子さんのエッセイ
都会ゆえに綺麗な星空は見えないそうですが、ハンモックから小さくドコモタワーの灯りが見えるとなんだか嬉しくなって、「明日も頑張ろう!」と気力がムクムク湧いてくるのだとか。
ベンチやハンモックなどの夜のベランダまわりが、森本さんにとって、元気をチャージするパワースポットになっているようです。
SINGERミシンのお仕事スペース古道具好きの間で人気な、SINGERミシンの脚を生かしたテーブルが、自宅内のお仕事スペース。
「脚に乗った板と共に、東京蚤の市で売られているのを見て一目惚れして!
迷わず購入したものの、前に住んでいた中目黒の家には雰囲気が全く合わない(笑)
この机が合う家に次は住みたいな~と想像しては、ワクワクしていたんです!」
横の柱に取り付けたられたポケットは、パソコンの収納スペースに。
自社の仕事をする日には、ここで楽しそうにパソコンを叩く森本さんの姿が、なんとなく見えるような気がします。
友人の調理のお手伝いをする、アイランドキッチン「実家の母にも怒られるくらい、私は自炊をしないんです……。
かわりに料理上手な友人たちが、よくパスタとか作ってくれますね。
それをラップして冷蔵するのが私の担当です(笑)!」
ちなみに、お部屋に入った瞬間に、圧倒的な存在感を感じさせたこちらのアイランドキッチンは「サンワカンパニー」のもの。
水回りやダクトのデザインがスタイリッシュなだけでなく、収納スペースも大容量なのが魅力です。
このキッチンでおつまみを作る友人を囲いながら乾杯し、みんなでまどろむホームパーティをするのだとか。
う〜ん、ぜひ金曜夜にお邪魔させて欲しいです!
朝の支度ゾーン「お化粧したり、香水をつけたり。毎朝の身支度はここで完了させます」
洗面台があるので、洗顔や歯磨きもここで出来るとのこと。
一面の白タイルが朝の風景に映えそうです!
個人的には、1日のはじまりを作る化粧台の美しさが、取材中一番羨ましく、トキめいたポイントでした……。
こだわりのレストルームまるでカフェのようなレストルームも、印象的。
デザイン性のある洗面台は、インクコーポレーションのVinageシリーズ。
リノベーション物件だからこそ叶った細部へのこだわりが、そこかしこに垣間見えます。
部屋に入った瞬間目に入る、元気になる棚「部屋に入って、一番最初に目につくのが上の棚。
だから帰宅するたび気持ちが上がるように、好きなものだけを置いたスペースなんです」
おじいちゃんが描いてくれたという、森本さんが二歳の頃の似顔絵や、好きなアーティストの写真集、大好きだと話す恐竜の図鑑などなど……。
どれも特別なストーリーが隠れた、森本さんの宝ものたちです。
この部屋に決めた理由
「前の家に住んでいるときから、なんとなく、自分でビジネスを始める気はしていて。
それなら都会とのアクセスが良くて、閑静な場所がいいなあと思っていました」
楽しい街だと遊んでしまうので「飲み屋がたくさんある場所は避けた」と話すお酒好きな森本さん
「それで出会ったのが、千駄ヶ谷にある今のマンション。敷地の入り口から、建物の玄関までの通路が、奥まっている感じが気に入ったんです。
2016年にここに住みたいと決めてから、部屋が空くのをずーっと待っていて。空いた瞬間、建築家の両親と買ってリノベーションしました」
壁を裸にすると武骨なコンクリ壁が。
「造りの特徴を活かしたリノベーションをしよう!」と、特にお母さんと話し合ってデザインを進めたのだとか。
少しずつ家具も揃え、今の形になったそうです。
残念なところ
椅子と机の高さが合ってない…お気に入りのSINGERの机の高さが、なんと搬入後にソファと合わないことが判明。
今はクッションをふたつ重ねてお尻の下に敷くことで、高さを調整しているそうです。
購入後に違和感「空間の雰囲気を生かしたガレージっぽい部屋作りを目指していたんですが……。
この照明を購入して設置してみたら、ちょっとフューチャリスティック過ぎたなと……。
ただ、このライトを購入した目黒のリサイクルショップ『ソネチカ』さんは、手ごろ価格でかわいいアイテムが揃うのでおススメですよ(笑)!」
一点モノのインテリアを探している場合には、ぜひ覗いてもらいたいお店だそうです。
お気に入りのアイテム
やる気を灯す作業ランプIKEAで購入したこちらのランプは、お部屋に小さな雲が浮かんでいるような幻想的なデザイン。
「スイッチをいれると、ぼうっとゆっくり灯りが点るところがお気に入りで。
この灯りが点ると私のやる気スイッチもオンになるイメージですね」
作業前には、必ずこのランプをつけるそうです。
リピートし続けたいクッションACME Furniture(アクメファニチャー)のベッドを彩る、肌触りの良いクッションカバーはパリのインテリア雑貨屋「Merci(メルシー)」のもの。
「1枚5000円ほどする枕カバーなので、全然手ごろ価格ではないんですが(笑)。
インドリネンとは質感の違う、なめらかなリネン100%の肌心地が最高に気持ち良くて……」
あまりにも気に入りすぎて「パリへ行くたびに買うつもり!」とのこと。
実際に触らせていただいたところ、肌に馴染むしっとり感が、最高に寝心地良さそうでした……。
花器のディスプレイ正面から見ると「花瓶」のようなこのアイテムですが……
裏側から見ると、なんとペットボトルが挿されています! なんともいえない抜け感が可愛い“花器”ですね。
「Artori Designというブランドの花瓶です。確かビルバオの美術館で買ったのかな?
日本のペットボトルだとうまく差し込めなくて、紀伊国屋にオシャレなお水を買いに行きました」
アロマキャンドル冒頭にも出てきた通り、大のキャンドル好きだと言う森本さん。
「私の持っているキャンドルの中で、一番長いものでも、灯りを点して保つ時間はたった9時間ほどで。
インテリアやムードの演出以外に、時間の経過をきちんと感じるためにキャンドルを使っている部分もあります。
自分ひとりの時だけに点すと決めているキャンドルもあるんですよ。
ひとりでおうちで過ごした大事な時間が、あとから見ても分かるように。」
常に時間に追われ休むことを忘れがちなルーミーには、ちゃんと休んでいるかどうかが一目で分かる森本さんのアロマ習慣をマネしてみてはいかがでしょうか。
思い出の地を飾ったディスプレイ「コレ、スウェーデンの会社が提供している、自分の好きな場所を地図にして飾れる『mapiful』ってサービスなんです。
指定した地図データを加工して印刷してくれるんですよ!
このサービスに出会ったとき、感動してカスタマーセンターに『素晴らしいサービスを有難う!』とDMしてしまったくらい気に入っています(笑)」
ちなみに森本さんは前に住んでいた、大好きな中目黒の地図を印刷してもらったそう。
「ただ、ここだけの話、ミスって中目黒じゃない場所がメインになっちゃってて……(笑)」
とお茶目な一言。思い入れのある場所を地図にして連れ添っていきたい人に、オススメしたいサービスですね。
暮らしのアイデア
思い出のトランクは消耗品ケースに「これは19歳のときからもう10年ほど愛用しているトランクです。母にプレゼントしてもらいました。
かなりガタが来ていて、旅先に持っていくと壊れちゃいそうなので、部屋でコンタクトなどの消耗品を収納するケースにしています」
生活感の出やすい消耗品を、上手に隠す暮らしのアイデア。
飲みたい日は、友人を自宅に呼んで節約!「この物件、立地が良いから仕方ないんですが、家賃がちょっと高いんですよね……。
だから、節約の意味でも、飲みたい日は友人に家に来てもらって家で飲むのが定番になりました。
すっかり、夜は飲みに出歩かなくなったという森本さん。
当初の「起業したら、飲み歩かないようにする」作戦は、見事成功したようです!
ワイン箱で収納を「りんご箱を収納に役立てている」暮らしのアイデアは過去の取材でもお聞きしましたが、森本さんの場合は、ワイン箱を活用。
お酒好きだからこそ気づいた、暮らしのアイデアですね。
これからの暮らし
「今どうにかしたいと考えているのは、このスクリーン!
寝る前や友人が来たときに、映画を見れたら最高なんですが……まだ設備を整えてないので見れないんです(笑)」
「両親が建築関係の仕事をしているので、自分の住みたい家を一緒になって作ってくれるのは本当にありがたい環境でした。
住んだあとの楽しさはもちろんですが、ああでもないこうでもないと、母とリノベーションを進めているときが一番楽しかった気がします。
いつかまた、別の物件もやりたいねと話していますが、まずは自分の会社をなんとかしないと!
この家で本気で仕事に打ち込んで、自分のサービスを通じて、今よりもっと多くの人をハッピーにできる自分になっていたいです」
森本さんのお部屋で垣間見えたのは、大変なときでも、「常に楽しんでいたい」「ワクワクしていたい!」と、前向きな姿勢を作る元気の源たち。
忙しい日々の中でも、暮らしの中に上手にリラックスや癒しを盛り込む、まさに好例を見たような取材なのでした。
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