この写真を撮ったのは、田中和人さんというアーティスト。
まず、小学校の教室に残されていた生徒の絵や椅子などを写真に撮り、その画像をコンピューターで加工し、プリントアウト。さらにそれを切りとって構成して、また同じ場所で撮影したそうです。
一体、なぜそんなに手間のかかる方法で作品をつくったのでしょうか。
田中さんによると、
子供たちが残した絵画を観ていたら、実はその描かれている内容よりも子供特有の色使いやその画面構成にとてもひかれました。さらに、その時の感覚をより効果的に絵画から抜き取るために、モザイク状の抽象スタイルにしようと考えたのです。
amana photo collection THE ANNUAL BOOK (2012) より
とのことでした。
子供の絵のいいところを、スポッと抜き取って作品化してしまったみたいですね。この写真を見ていると、子供の頃に工作をしていた時のわくわく感を思い出すような気がします。
今回ご紹介した田中和人さんの新作が、Maki Fine Artsで開催中のグループ展「レッド、ブルー、グリーン」で見られますよ。
田中さんの作品の他に、パフォーマンスアーティストのマイアミさん、ニューヨーク在住のアーティスト、麻生晋佑さんの作品も展示されています。この機会にぜひチェックしてみてください。(展示は2013年4月6日まで)
展覧会の情報はこちら画像/素材提供:
1枚目:田中和人「Untitled Composition」2011, digital chromogenic print, Courtesy of Maki Fine Arts
2枚目:Maki Fine Artsでの個展「Untitled Composition」(2012年1-2月開催) 展示風景
(宮越裕生)