金沢駅からバスで10分ほどの、武家屋敷通り。

土塀が続く趣あるエリアに、今回ご紹介する松島さんご夫妻のご自宅はありました。

住宅営業を行う正博さんと、設計会社に勤め、今回の住まいを設計した環さん。

そしてある日、旦那さんがお家へ連れて帰ってきた2匹の愛猫たち。

2人でやりたいことをたくさん考え、絞り込んで作った住まいにお邪魔しました。

名前:松島 正博さん(工務店勤務)
      環さん(設計事務所)
場所:石川県 金沢市
面積とLDK:80平米 2LDK
家賃:1,800万円(建築費)
築年数と住宅の形態:戸建 築3年

お気に入りの場所

絶対にやりたかった1階の土間

設計事務所に務める環さんが設計したお住まいの中でも、取り分け思い入れが強かったのが1階の土間だったそう。

「街の中心地ということもあり、敷地が広くなかったので狭く感じないようにと設計しました。

仕切りがあるとどうしても空間が狭くなってしまうので、一面にして正解でしたね。」(環さん)

土間って実際どうなの?

さらに土間にはキッチンが! 買い物から帰って食材をそのまま置けるそう。

掃除をするのがとってもラクなので、本当にオススメですよ、と環さんも満足げ。

ちなみに、仕事で住まいを設計する際に、土間ってやってみたいけど実用性はどうなの?と話に上がることがあったそう。

自分たちが使ったものでないとお客さんに提案出来ない、そう思ったからこそ自宅で実際に試されたんだとか。

「この家は住みたい家であると共に、住まいの実験場でもあるんです」(環さん)

1番日当たりの良い階段

ビル用の大きな窓にしていることもあり、日当たりが1番良いのがこの階段。

「天気が良い時はダラっと座って過ごすことも多いですね。吹き抜けで階段だから、開放感があって良いんですよ」

旦那さまの正博さんも今はお気に入りの場所ですが、環さん曰く、工事中は階段が室内に入るか不安だったそう。

「途切れ途切れにしながら、なんとか入ったのでよかったです……」(環さん)

愛猫たちにとってもお気に入りのスペースらしく、よくここで休んでいることが多いとのこと。

この部屋に決めた理由

夜にフラッと2人で食事が楽しめるエリア

「2人で軽く飲みに行って、歩いて帰れるようなところに住みたかったんです。

今住んでいるところは金沢駅から少し離れた、長町武家屋敷という趣のあるエリア。

繁華街の飲食街に歩いていける距離なので、代行車など呼ばずにフラッと食事に行けるのが良いですね」(正博さん)

残念なところ

思ったより日当たりの良くない1階

「お気に入りの場所として階段スペースをあげたのですが、その階段が逆に日陰を作ってしまって……。

窓を大きくしたにも関わらず、1階は思ったより日当たりが良くないんです。

本当はもっと観葉植物を置いて、土間を活かして水やりもしたかったのですが枯れてしまうんですよね……」(正博さん)

猫と住むことを想定していなかった住まい

当初は猫を飼うことは想定していなかった松島さんご夫婦。

飾り棚の小物や植物は倒されたり、壊されたりしてしまうのだか。

そのため、高い位置に置くか、吊るすしかなく、ディスプレイで悩まされることが多いそうです。

デザインを優先した結果、コンセントが犠牲に

環さんに設計してもらう際に、コンセントを少なくし、さらには見えない位置に設置してもらった正博さん。

ただ、結果として、逆に欲しいところにコンセントがないことを後悔しているそう。

「私たちの失敗を活かして、今提案している住まいには必ず入れるようにしています」(環さん)

残念なところは仕事のプラスに変えていく姿勢に、さすが「住まいの実験場」だと感心させられてしまいました。

お気に入りのアイテム

三角屋根の猫用トイレ

「猫用の全自動トイレが宇宙船のようでとてもイカつくて(笑)

この住まいと同様の三角屋根のデザインで作ってもらったケースで隠してみました」(正博さん)

猫用のおもちゃでなかなか遊んでくれなかった愛猫が、数少なく映えるスペースなんだとか。

DIYで作ったパネルアート

「半年前くらいに、スペースとして空いてしまっている壁を埋めたいなと思って。

合板のパネルをホームセンターで買ってきて、漆喰を擦り付けたパネルアートを作りました。

作成時間は15分ほど。一瞬でしたね……。でも、いい感じじゃないですか?(笑)」(正博さん)

友人が手がけた真鍮のアイテムたち

家のあちこちにある、センスのいい真鍮アイテムたち。これは一体どこのモノでしょうか……?

「私の友人が富山で真鍮を使った建築金物のブランド『MATUREWARE(マチュアウェア) by FUTAGAMI』を立ち上げて。そこで作ってもらいました」(環さん)

スイッチ以外にも、取手や表札などにも使わせてもらっているそう。

暮らしのHow ToやTIPS

ソファーは1.5人がけを並べる

「普通は3人がけのソファーを1個置くことが多いと思うのですが、私たちの家では1.5人がけのソファーを2つ並べています。

最初は僕が寝そべって占領しないようにと、2つに分けたんです。

でも、こうして使ってみると真ん中に物が置けたり、猫の休み場にも出来たり。意外な利便性がありましたね」(正博さん)

ちなみに、このソファーは環さんが結婚指輪の代わりに買ってとお願いしたモノなんだとか。

「いろいろ見て回りましたが、TRUCK FURNITUREのソファがとっても素敵で。

前の家ではかなりスペースを取ってしまっていましたが、この家ではスペースもちょうど良くて。馴染んできましたね」(環さん)

SNSでも反響が。吊るすドライヤーコード収納

ドライヤーのコードはフックを使って吊るす松島家。

「このアイディアはSNSにあげたらすぐに反響がありましたね。今では自信を持ってお客さんにも勧めています。

簡単に見た目も利便性もあがるのでオススメですよ」(環さん)

面を意識して設計する

やりたいことはたくさんあっても、スペースには限りがあるもの。だからこそ、住まいとしてバラつかないように、やりたいことは絞り込んだ環さん。

「その中で、各面ごとにキレイに見えることを意識しています」

「例えば、本棚も少し作るのではなく、1つの面として設計しています。

階段がある面も、階段がキレイに見えるよう、収納スペースなどはあえて置かないようにしました」(環さん)

インテリアは趣味が変わっても好きなモノを

実はインテリアは正博さんと環さんで好みのデザインが違うそう。

なので、インテリアは2人で決めるようですが、そこで気になるのは「選ぶ基準」。

松島さんご夫婦の基準は、趣味が変わっても好きなモノ、かつ流行りが落ち着いてきても、やっぱり好きだと思えるモノなんだとか。

これからの暮らし

余白を埋めていきたい

「先ほどのパネルアートではないのですが、まだまだ、余白が多い住まい。

いろいろやりたいことはあるので、もう少しゴチャつかせても良いかなと思っています」。(正博さん)

とはいえ、2人でやりたいことをたくさん考えて、その中でも絞り込んで作った住まいだからこそ、今は満足していることの方が多いそう。

そんな「住まいの実験場」での体験が、今後どう活かされるのか、とっても楽しみなのでした。

北欧、ストリート、DIY、アウトドア。リアルでさまざまな「暮らしのあり方」にフォーカスすることで、「自分にとって、一番いい暮らし」を探っていく…。連載「みんなの部屋」はスタイルを探求する旅です。

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