いえいえ、そんなことはありません! 途中で計画を変更したっていいし、後から手を加えていくのも、家の楽しみ。
まさしく、そう教えてくれたのが、わたしの部屋にもご投稿いただいた田口さんの住まいだったのです。
名前:田口博章さん職業:教育公務員
場所:愛知県 半田市
築年数:6年
住宅スペック:建売をリノベ。家族4人暮らし
面積とLDK:3階建・4LDK
お気に入りの場所
娘さんも登れるようになったボルダリングウォール画像提供:田口さん
この家に行ってみたい……!
「わたしの部屋」の投稿からそう思わせてくれたのが、ダイニングに設置されたこのボルダリングウォール。
上がるとなんと、中2階が現れるという遊び心あふれる構造です。
「最初は、ボルダリングウォールってインテリアとして良いかな……程度だったんです。
でも調べてみたら、案外、実際に使えそうだったので、設置してみました。」
木製のクライミングホールドは、北海道で作られている『VOCK』
いやはや、驚くべき思い切りの良さですが、その甲斐あってか、今では家族の遊び場に。
まだ小さい娘さんも登っているといいますから、さらに驚きです!
お気に入りを集めた中2階のスペースそして、ボルダリングウォールを登った先にあるのがこのスペース。
ポートランドで良いなと思ったディスプレイを真似して作ったという収納スペースには工夫がたくさん。
有孔ボードを使って、お気に入りのスニーカーやキャップを「見せる収納」しつつ、天井近くにロードバイクの収納スペースを設置。
「夜になるとリビングの光がちょうどいい具合にこのスペースにも入ってくるので、ここで作業することも多いですね。」
家族の様子がどこからでも見られるリビングルーム「建売の際に存在した仕切りは、リノベの際に取り払って部屋を広くしました。」
結果として、リビングでテレビを見ながら、中2階にいる子どもの様子を見上げるというアクロバティックなムーブが可能に!
他の家では全くお目にかかれない光景も、今ではお気に入りの景色になったそう。
それぞれに塗り替えた壁そして、他にも目を引くのが部屋ごとの壁の色!
奥様がそれぞれの部屋に色を持たせたいということで、壁色はそれぞれ好きな色に塗り替え。
「もともとは和室だったスペースも、床や色合いを変えた今では面影が全然なくなっちゃいました(笑)」
この部屋に決めた理由
妻の実家と距離が近かった家を探していた時、たまたま奥様の実家があるこのエリアに今の住まいを見つけたという田口さん。
「ただ最初はあまり深く考えず、建築会社に任せていたんです。」
「でも、家が出来上がるに連れて、なんか違うな……となってしまって……。
そんな時、愛知県安城市にあるインテリアショップSoupのオーナーさんと知り合ったんです。
それが、理想の住まいのイメージと、それを具体化してくれる人に同時に出会った瞬間でした(笑)」
そこから、もともと決まっていた間取りや内装を再考していくことを決断。
「例えば、天井のファンあるでしょ? これはもともと、凄く大きなシャンデリアだったんです。
本来は中2階もなく、ただの吹き抜けでしたから、光を灯すには大きなシャンデリアが確かに適していたんでしょう。
ただ、違うなぁー……違うなぁー……って、日々考えてるうちにファンへの変更と中2階作りが思い浮かんだんです(笑)」
長く付き合うからこそ、納得できない家に住むのは辛いもの!
それだけに、田口さんの判断は英断だったと言えるのではないでしょうか。
残念なところ
無機質なリビングの回り縁「部屋の変更に着手しようと思った時に、変えられるものはほとんど変えてしまいました。」
そんな中、残念ながら変えられなかったものがリビングの回り縁だったそう。
「なんだか無機質な感じが拭えなくて、落ち着いたら全面張り替えようかなと思っています。」
ベストなものが見つかっていないカーテン同じく、リビングのカーテンもまだ納得のいくものが見つかっていないようです。
「今使っているものも、生地屋を回って良いなと思ったものなんですが、いざ着けてみるとなんだか合わない……。
どうにも生活感が出てしまうんです。」
お気に入りのアイテム
海外旅行のたびに増えるタンブラーたち「妻も私も海外旅行がすごく好きで、特に数年前行ってハマったのがポートランド。
そうして訪れては買って集まったのがこのタンブラーたちですね。」
これだけでも圧倒されますが、これ以外にも2階にたくさんあるんだとか。
ちなみに、お気に入りは現地で人気のコーヒー屋さん「Stumptown」のタンブラー。
使うことはないんですけどね、と笑いながらも、紹介してくださる顔から愛がにじみ出ています!
一目惚れした背中までカッコいいソファー「家のイメージが固まってきた時に見つけたのが、岐阜県高山の職人さんによる一点物のソファーでした。」
まだ上手く使えていないといいますが、後ろ姿がたまらなくカッコよくて気に入っているそう。
暮らしのHow ToやTIPS
センスある理解者のオススメを大切にする今はSNSで情報はたくさんあるけど、自分に合ったものを探すのは本当に難しいという田口さん。
「この住まいは本当に相談できる人との出会いが大きかったと思います。
その出会いがどんどん広がっていき、家だけに関わらず刺激を貰える人がたくさん増えました。」
Soupで購入したというダイニングテーブルは、この家に向けて最初に手に入れた一品
心惹かれるもの、大切にしたいものを理解した上で紹介をしてくれ、どんどん良いものが揃っていったんだとか。
デジタルの時代とは言われていますが、本当に大切な情報はやっぱり対面でこそ得やすいものなのかも。
子どもの成長に合わせてカスタマイズ出来るものを2階のロープは金具で取り付けているため、実は取り外し可能。
子どもに合わせ、網目の細かなものに変えることも検討中だそう。
「クライミングホールドも事故が起きないよう、高さを上げようかと考えています。
将来的にはみんなで楽しみたいんですけどね。」
これからの暮らし
「2階スペースはまだまだ手がつけられていなくて、寝室とコレクションしているものを溜め込んでいるだけの状態です。
なので、将来的には面白いベッドを作るとか、手を加えていきたいと思います。」
固定観念に囚われたくない、と口にする田口さん。時代とともに、環境や趣味嗜好だって変わると考えているそう。
「僕も日々、インテリアやライフスタイル周りを勉強しています。
そうして、何か家族で表現したいものが見つかった時に、『よし、やってみようぜ!』と言えるようでありたいんです。」
自分たちの楽しい、素敵だと思えるものを求めて、たくさんのインプットとアウトプットをされている田口さん。
時に決めたことを大胆に変える勇気を持ちながら、変化を楽しむ懐の深さもお持ちのように感じました。
家族の成長と共に、家もどう成長していくのか、次に伺う時が楽しみでならない取材なのでした。
人気連載「みんなの部屋」は今回でvol133。部屋づくりのアイディア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスしています。
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