そこで、さまざまなジャンルで活躍する方々に「10年後も手放さない」思い入れのあるモノを、31×34.5cmという限りのある『ROOMIE BOX』の中に詰め込んでもらいました。
なぜ、「10年後も持っている」と考えるのか―――。大切に持ち続けるモノについて語る姿から、その人の暮らしが徐々に見えてきます。
アーティスト PORIN
男女混成5人組、Awesome City Clubのフロントマンとして2015年にメジャーデビュー。ブラックミュージックを基調としながらもそれだけでは収まらないポップさと多幸感を兼ね備えた音楽性で多くのファンを魅了。デビューアルバムがiTunesロックチャートで1位を獲得するなど話題を呼び、国内外の大型ロックフェスにも多数出演している。
活動範囲は音楽シーンだけに留まらず各メディアとのタイアップや、様々なファッションメディアに多数出演し業界内外からも注目が集まっている。
そんな中、2018年「ファッション/音楽/カルチャー」の垣根を超えるプロジェクトを標榜し、ファッションブランド・yarden(ヤーデン)を始動する。
Awesome City Club
10年後も手放さないモノ
色とフォントがお気に入りのトリトンの湯のみまずは、北海道発祥の回転寿司屋「トリトン」のお湯のみです。北海道でのツアーのときにみんなで回転寿司を食べに行ったんですけど、そこでこのお湯のみに一目惚れしてしまって……。
売り物ではなかったのでそのお店では買えなかったんですけど、本当に欲しかったから、SNSで「情報ください」と載せたんです。
そしたら、「友達がその湯のみの工場に勤めてるから今度プレゼントします」って、ファンの方がプレゼントしてしてくれて!だから人一倍思い入れもあるんですよね。
この手書きの「トリトン」って文字と、パープルとピンクのカラーが自分っぽくてお気に入りです。歌詞にもよくカタカナ英語を使うんですが、カタカナがすごく好きなんですよね。
日本茶も好きで、お湯のみはいっぱい持っているんですけど、その中でもこれが特にお気に入りです。茶渋がこびりついてとれなくなるまで、繰り返し使うと思います(笑)。
山口はるみのイラスト缶山口はるみさんというイラストレーターが、渋谷のPARCOの改装前に、PARCOギャラリーでやっていた個展で買った缶です。お茶の葉っぱを入れて使っています。
昔のPARCOの広告やCMを手がけてきたアーティストで、「Harumi Gals」という女の子のモチーフが有名なんですよね。
ご本人とは別の展示に遊びに行った際にお会いしたんですけど、すごく可愛いおばあちゃんで、とにかくイケてる。
山口さんの描く女の子は、かわいいというか、セクシーというか、「こういう女の子になりたい」っていう憧れとなるモチーフなのかなって。
昔も今もそういう感情を持って女の子たちはPARCOに通っているんだな、と思うと、カルチャーを感じますね。
別の展示では、アーティストのYOSHIROTTENさんとコラボしていました。水着の女の子の絵がいっぱい飾ってあって、真ん中にはプール。そのプールにはネオンの照明が投影されていて、すごく綺麗でしたね。
空間を通じて世界観を表現するスタンスが、今の時代っぽくて、とにかく圧倒されました。そういう部分も含めて好きなアーティストです。
ニューヨーク土産でもらったおばけモチーフのボードゲームこれはニューヨークのお土産でもらったボードゲーム。60パターンくらいの絵柄を楽しめるパズルです。おばけに向けてライトを照らすシンプルな仕組みなんですけど、これがめっちゃ難しいんですよ。
こういう感じでいつもお家で一人でやってます(笑)。お家がすごく好きなんですよね。
夜眠れないときにやるのもいいですよ。眠れない時間になにをしようか考えるのが好きで、眠くないときは寝ないって決めて、スマホではなくてアナログなものに触れるようにしています。
睡眠も食事も、寝たいときや食べたいとき。体に素直になるようになってから、すごく調子がいいんですよね。
それにしても難しいな。いけるかな……。あ、いけた!説明書を見なくてもできるから、ボードゲームはすごいですよね。もっと調べてみたい。
アナログな遊びが好きなのは、自由でいたいからだと思います。
決まった発想や行動に縛られるのがすごく嫌で、だからこういうものに惹かれるのかもしれない。子供っぽい遊び心に触れていたいんです。
自分の中の好奇心を出す場所
Awesome City Clubとして活動するときって、バンドという色のついたフィルターがかかるんです。
そのイメージに沿うということも大切だし、楽しいんですけど、一方で自分の中の純粋な遊び心や好奇心を出す場所がほしいなと思って。
yardenというファッションブランドは、そういう役割を持っているんだと思っています。常に自由な発想でいたいですね。
(後編につづく)
Text by Taiyo Nagashima
Photographed by Yutaro Yamaguchi
取材協力:BUY ME STAND
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