11/9(金)、一足先にオープンするメッツァ・ビレッジには、都会でカチカチになった心をほぐす北欧時間が流れていました。
ROOMIEではこれから3日に渡り、メッツァ・ビレッジを紹介していきます。
カヌーで湖に漕ぎ出そうよ
メッツァは森と湖に囲まれた公園。
そこにはカヌーで湖に漕ぎ出し、時間制限なしで湖上を楽しめるという贅沢なひとときが……。
さっそく湖畔の小屋で手続きを済ませ、桟橋を渡れば、そこはちいさな船着場。
乗り込むのは全長4メートルのカナディアン・カヤックです。湖水に濡れた木目が、自然光にキラリと反射する姿は本格そのもの。
「本当にコレに乗り込むのか」と少し不安になってきます……。
風に流され、水に濡れるけど…
水に浮かんでみると、湖上を滑るように風が吹き抜け、船体を傾けます。
おっと!とオールで必死に抵抗するたびに、船内には水しぶきが……。
早速もう挫けそうになるけれど、僕にはすぐに引き返すワケにはいかない理由があったのでした……。
「ムーミン一家の塔が見たい…!」
そう、それは遠目からしか見られないムーミンバレーパークの片鱗を間近に見ること!
特にムーミン一家が移住した塔(をモチーフにした塔)は、上の写真の真ん中にも小さく……。肉眼だと全然詳細がわからないのです。
ビショ濡れになりながらオールを漕ぐと、少しずつ船着場も遠く。
だんだんとコツを掴み、風に流されることを前提に漕ぐと、カヌーは不恰好ながらも塔に向け僕を運んでくれるのでした……。
現れる塔と、愛すべき孤独
そしてついに現れました……これが彼らの……!!
すでに相棒のようになったオールを置き、一眼レフカメラのレンズをガチャガチャと望遠レンズに。
風で斜めになる船体をよそに体をねじり、紅葉の中に佇む塔を撮影すれば、気分はまるで冒険家です。
少し腕の筋肉が痛むけれど、回るアドレナリンは僕の心を高鳴らせます。
スナフキンが降りてきた
11月の森を抜けた風が、汗の滲んだ肌を冷やしていくと、今度はこれまでにないほど気分が落ち着いてきます。
湖面に輝く昼過ぎの陽光を眺めながら、ずっとやってみたことに手を出したくなります……。
そう、たいへん恥ずかしながら、それは湖上で詩を読むこと……。
他に誰もいないことを確認しながら、お気に入りの詩を小さく声に出していると不思議なことが起こります。
そう、ムーミンパークビレッジの湖面という場所柄でしょうか、どんなに頭から離そうとしても、スナフキンに想いを馳せてしまうのです。
いつもやさしく愛想よくなんてやってられないよ。理由はかんたん。時間がないんだ
ふと、そんな彼の言葉が頭をよぎります。
ああ僕も東京という街で、日々いろいろな人に文句を言われながら、頭を下げながら、自分の居場所を作ってきた。
けれど、忙しさは常に僕の眉毛と唇を、への字に曲げてきた気がする。そう、時間がないのです。
自然の力はすばらしいもんだよ
あぁ……そうだね、そう思うよスナフキン。僕にはこういう時間が必要だったんだ。
でも、もう帰らないといけない。心を無くさないと生きていけない、忙しいあの街に。
もしよければ、一緒に来てくれないか? きっと心強いと思うんだ。
だめだよ。僕は孤独になりたいんだ。来年の春、また会おう。
そうか……わかったよ。2019年3月に、君たちの谷にも入れるんだろう? その時まで、また……。
そう心に誓って、またオールで道を進めます。今度はあまり濡れませんでした。
明日はムーミン一家の片鱗を…
そして、カヌーに乗ったからこそ、徒歩ではまだ入れないムーミンバレーパークの片鱗に触れることができました。
明日は湖上で撮影した彼らの谷をお届け。ではまた……。
参考書籍:
『ムーミン谷の名言集』(講談社文庫)
『スナフキンの名言集』(講談社)
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