時間とお金を費やして購入したモノからは、その人が暮らしの中で大切にしたいことが見えてきます。
今回の主人公は、東京でひとり暮らしをする20代男性。社会人になり初めて受け取ったボーナスで手に入れたものは、伝統ある照明でした。
アンクルポイズとの出会いは、大学時代に立ち読みした雑誌
このシルエットに、心を奪われました。
そう語る姿は、まるでおもちゃ売り場で目を輝かせる子どものよう。
大学時代、書店でふと立ち読みした雑誌で、彼は「アングルポイズ」に出会ったと話します。
伝統的な照明器具である「アングルポイズ」ですが、その歴史ある文脈は後から知ったもの。とにかくそのシルエット、佇まいに惹かれたそうです。
そうは言っても、大学時代なんて照明器具に3万円を使うほどの余裕はありません。
ウズウズしながらも時は流れ、社会人1年目。初めての「ボーナス」が振り込まれました。入金を確認するとすぐ、彼はマーガレットハウエル神南店へ向かいます。
当時出たばかりの「サクソンブルー」が、彼の目に留まりました。
購入して、そのまま抱えて持ち帰りました。最高の気分でしたね。
約3万円で購入した照明は、何を照らすのか
いつ見てもうっとりするデザイン。
バネやネジの無骨な部分は質実剛健さを感じさせるにもかかわらず、全体的にかわいいフォルム。そこが彼のお気に入りです。
少しだけ恥ずかしそうな表情をのぞかせながら、彼が口を開きました。
アングルポイズで照らすのは、決まってこのエリアなんです。
それは、レコードプレーヤーのあるテーブル。
テーブルの下には、大学時代からコツコツと集め、いまや300枚ほど集まったという「レコード」がずらりと並んでいます。
仕事から帰って疲れているときに、その300枚の中から気分の合うレコードを1枚チョイス。
部屋の電気を落とし、アングルポイズのみの明かりで。何をするわけでもなく、しっとり音楽を楽しむ。
この時間が至福だと、彼は話します。
この日はビートルズの『ラバー・ソウル』。
アングルポイズの光とともに、レコードの柔らかい音楽が、部屋中を包み込んでいました。
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