驚くほど好立地に建つヴィンテージマンションが、代官山のヘアサロン・CHAUSSE-PIED EN LAITON(ショスピエ・アン・レトン)オーナーである安齋由美さんの住まいです。
ちょっと高台にある部屋からの景色は、ここが恵比寿とは信じられないほどの、見晴らしのよさ。
安齋さんと、一緒に暮らす彼の好みがうまくミックスされて、ハイセンスで心地よい空間になっていました。
そもそも、これだけ都心で暮らしていることのよさって?
名前:安齋由美さん職業:ヘアサロン・CHAUSSE-PIED EN LAITON(ショスピエ・アン・レトン)オーナー
場所:東京都目黒区
面積:約50㎡ 1LDK
家賃:18万円
築年数:築50年
お気に入りの場所
見晴らしのよさ抜群のベランダ部屋に入ってすぐ目に入ってくるのは、リビングの窓から見える景色。
高台にあるからこそ見下ろせる周辺の街並みや、目の前に広がる緑と空。鳥のさえずりも聞こえてきます。
「朝、コーヒーを飲みながらベランダでぼーっとするのが日課です。
高台でまわりの目は気にならないので、住みはじめてから、一度もカーテンを閉めてないんですよ。
昔は仕事後に飲みに行ったりしていましたけど、この家に住んでから居心地がよくて、すぐ帰りたくなっちゃう(笑)」
コーヒーグッズがつまった飾り棚コーヒー好きな安齋さんの部屋には、コーヒーグッズがいくつも。
インダストリアルな印象の大きなラックに、愛用の器たちと共に収まっています。
「お客さんからのいただきものばかりなんです。みなさん、私がコーヒー好きなのを知って、いろいろとプレゼントしてくれたりして」
「ミルは手動タイプが好きですね。フレンチプレスもいくつかありますが、いつもは一番ラクなペーパーフィルターで淹れています」
見せる収納としてお気に入りアイテムを配置することで、部屋のアクセントになっているのがいいですね。
この部屋に決めたきっかけ
海外のように窓が大きい部屋がいいこれまでも、中目黒などの都心に家を構えてきた安齋さん。
自らがオーナーをつとめるサロンをオープンして半年たった3年ほど前に、この部屋に引っ越してきたそうです。
「条件は、広さと場所。それと、海外のように窓が大きい部屋を探していました。
それから、職場で何かあったときにすぐに行けるように、サロンのある代官山から近いところ」
そして出会ったこの部屋にひとめ惚れ。
「とても便利な場所なのに、ガヤガヤしてないし、生活もしやすくて。職場にも歩いて行けますしね」
ふたりのインテリアを融合させるのが、またおもしろい上段が安齋さん、下段が彼。本棚を見ると、ふたりの持ち物の違いがハッキリわかる
ひとりで住みはじめたこの部屋には、1年ほど前から彼も一緒に暮らしているそう。
「彼と暮らしはじめてから、部屋のテイストがガラリと変わりました!」
「私はヨーロッパのヴィンテージ家具が好きだし、モノが少ないシンプルな部屋に、植物をたくさん置くイメージだったんですけど……
彼はレトロアメリカンな雰囲気が好きで、ふたり分のモノも増えてごちゃごちゃして(笑)」
これは、彼が持ってきたソファ
これは、安齋さんが元から使っていたソファ
「でも、その違いも意外と楽しめるんです。
“私の好きに部屋を変えよう”というよりは、いろいろミックスしてアレンジしていますね。
彼が持ってきたモノにも合うテイストを考えて、ひとり暮らしのときにはなかった要素を、部屋に入れるというか……。
今のガチャガチャした感じ、気に入っていますね(笑)」
ソファからだけでも、ふたりのテイストの違いが見えてきますが、ミックス具合を楽しんでいることもまた、伝わってきました!
ふたりのテイストの融合を表すかのような、ダイニングテーブルのイスたち。
すべてデザインが違うけれど、不思議とバランスが取れているのは、さすがのセンス。
ちなみにダイニングテーブルは、知人に「味が出る感じでつくって」とリクエストして、2万円ほどでつくってもらったもの。
残念なところ
壁のことと、部屋の広さのこと「壁がちょっときれいで、ピカピカすぎて。
もうちょっと“雑な感じ”の壁がよかったんですけど(笑)」
「あと、部屋がもうちょっと広かったらいいな、と思いますね。
そしたら、もっと大きなダイニングテーブルと、あと大きな植物をドーンと置きたいです。私、植物が大好きで、普段はよくTENOHA代官山で買ったりしています。
壁はコンクリート打ちっ放しがいいな」
お気に入りのアイテム
お客さんに描いてもらったアートアート好きな安齋さんの部屋に飾ってある絵は、サロンのお客さんであるsayurinishikuboさん、
norahiさんの作品。
「頼んで描いてもらったものです。雰囲気があって、部屋の印象をグッと変えてくれます」
毎日の食事で使う食器たち器好きな安齋さんの部屋には、買い集めた器がたくさんありました。
何気なくフラッと入ったお店で買うことが多いそう。
「気に入っている芳賀龍一さんの食器は、彼がもらってきたもの。
料理は週5日くらい彼がつくってくれるんですけど、ほぼ毎日、この食器で料理が出てきます(笑)。
買ってきたお刺身とかも、お皿にきれいにもりつけてくれるだけで、おいしく感じますね」
特に気に入っているのが、誕生日プレゼントでもらったアスティエ・ド・ヴィラットの器。
サロンの名前の由来にもなっている、靴べらコレクション自らを「靴べらマニア」と称して、取材陣をビックリさせた安齋さん。
珍しい靴べらコレクション(その数、18個)は、海外に行く知人に頼んで、買ってきてもらうことも多いのだとか。
「サロンの名前・CHAUSSE-PIED EN LAITON(ショスピエ・アン・レトン)は、『真鍮の靴べら』という意味。店名にしたくらい靴べらが好きなんです(笑)
身だしなみに気を使う人は、靴をとても大事にしますよね。靴べらを使うことで、所作の品も上がると思うんです。
私たちの手が入ることで髪が扱いやすくなったり、自身が持てたり、状態がよくなったり。そんなサロンになれたら、という思いを込めています」
美容マニアこだわりのビューティーケアアイテム「美容マニアです」とも語る安齋さんに、サロンオーナーとしてオススメのコスメやシャンプーをうかがいました。
「日常使うアイテムはいいものを選ぶようにしています。今はイソップのハンドソープ、ボディソープを使っています」
「シャンプーは、使う人の髪質による部分がとても大きいので、なんとも言えないけれど……
イソップのシャンプーは、ひどく傷んでいない人にはいいかも。今使っている、フランスのセレブブランド・leonor Greyl(レオノールグレイユ)のシャンプーもいいですよ。
ミルボンのシャンプー&トリートメントライン・オージュアは、シャンプー&トリートメントのソムリエがいないと入れられないもので、たくさんの種類から髪質に合うものを選んでくれます」
「それとleonor Greylは、ヘアオイルがすばらしくいいんです!
洗い流さないトリートメントのように使うんですけど、香りがめちゃくちゃいい。これだけでスタイリングするときもあります。さまざまな髪質の方にオススメ。
あと、うちのサロンでも取り扱っているELECTRONの化粧水はスゴイですよ!
顔のリフトアップが期待できるスプレータイプのプレ化粧水で、スプレーして数秒でリフトアップします。約8時間も効果が続くんですよ」
「サロンでは、お客さんとこういう美容の話ばっかりしてるんですよ(笑)」
さすがの美容知識に、取材陣もぜひサロンを訪れてみたくなりました!
ヘアビューザーのドライヤー&ヘアアイロン髪がツヤっとまとまります。顔に冷風をあてるとリフトアップ効果もあるんですよ」
今から買うなら最新モデルがオススメだそうです!
「仕事柄、いかに素敵に生きていくかを常に考えていますね。
特にシャンプーとトリートメントは、自分をベストな状態にするのに重要なアイテム。表面的に何かつけるより、根本的によくしていかないといけません。
髪質に合わないものを使うとボサボサになりますし、オーガニックだからいいとは限らない。
なのでシャンプーは、担当の美容師にオススメされたものを使うのがいいですよ!」
暮らしのアイデア
出かけに持つアイテムを、決まったスペースに配置「日常的に使うカギ、アクセサリーなどは、ふたり分まとめてチェストに置いています。出かけるときに、わかりやすいんです。
ピアスも、ここにいるのがレギュラーメンバーですね」
頭も生活も整理されて、気持ちがよさそう……。
ちょっとしたDIYで、暮らしやすく料理好きなことがわかる、キッチンの収納。
使いやすく片付けられていたり、料理グッズを引っ掛ける板を手づくりしていたり。
ポストカードなどを貼ったパーテーションも、安齋さんのアイデア。
お客さんからのお手紙など、捨てたくないものを貼っているそう。
これからの暮らし
サロンのオーナーとして活躍する安齋さんは、人生プランをしっかり持っていました。
「スタイリスト1人、アシスタント4人でサロンをはじめたとき、3年で“私がいなくても大丈夫なサロンにしよう”と思っていて。
今その3年が経って、そういうお店になれたと思っています」
これから先は、40歳までに結婚や出産をして、45歳になったら今よりもっと、じっくりつきあえるサロンにして、経営に専念したいとも考えています。
この人生プランの中で考えると、子どもが生まれたらこの部屋では狭い気がするので……そのときにはリビングがもっと大きいところに引っ越したいですね」
家を買うことは考えていますか? と質問すると……
「『賃貸とどっちがいいんだろう』って、常に頭にあるかもしれません。家を買うなら、古い物件をリノベーションしたいですね。
あ、家を買ったらTruck Furnitureの3人がけソファが欲しい!」
賃貸でも、購入した家でも、変わらないセンスを発揮してくれるだろう安齋さんの住まい。
こだわりがつまった生き方や、そしてサロンの今後を、これからもROOMIE編集部は楽しみにしています。
Photographed by Shinichiro Oroku