日によって変化するし、うまくいく“正解”なんてない。そんなことを教えてくれたのが、大のコーヒー好きで、月に一度のカフェ「SACHIOPIA COFFEE」も開く芸人・コーヒールンバ平岡佐智男さん。
家でコーヒーを楽しみたいひとに向けて、コーヒーにまつわるアレコレをうかがう企画!
今回は「初心者にも知ってほしいコーヒー豆のはなし」。
コーヒールンバ平岡佐智男さん
1982年、香川生まれ。タリーズコーヒー3店舗で店長をつとめたことも。特技は後味にあまい余韻が残るおいしいコーヒーを淹れること、人をコーヒー豆に例えること。
Instagram :hiraokaschio twitter : @sachiohiraoka
ツウはコーヒー豆をどこで買うの?
「喫茶店やカフェで買ってみるのがいいと思いますね。
好みを伝えればオススメを教えてくれるし、『前回はコレだったから〜〜』といろいろ試せます。
気になる地方のお店から、ネットで買うのもアリですよ。地方の有名バリスタの豆も売ってます」
豆を嗅ぐ平岡さん
最近僕が見つけたのは、日本スペシャリティコーヒー会長の店・富山県のセントベリーコーヒー。そこが驚くほど安くて……。
それをきっかけに、その豆をネットで調べたり。知識をつけると意外な発見があるのが、コーヒーの楽しさです」
「これは深煎りかな?」想像をめぐらそう
「豆には深煎り、中煎り、浅煎りがあります。色やテリを見たり実際に味わうと、だんだんわかってきますよ。
挽き方は、どういう風に飲みたいかや豆の種類で変えてみてくださいね」
「ちなみに僕が最近好きなのは、ケニアの豆!というのも、どこで買ってもハズレない。
ケニアは標高が高くて空気が薄く、寒暖の差も激しいので、コーヒーに含まれる酸の種類が増えてフレーバーが出やすいんです。
酸によってフルーツっぽくなり、ノンアルコールワインみたいなおもしろい味わいに。
高地だから、ケニアのマラソンランナーも強いでしょ(笑)」
「ナチュラル」だけは覚えてほしい!
「香りがフルーティで、豆本来の味がしっかり出るのが「ナチュラル」、サッパリあっさり飲みたいときは「ウォッシュド(washed)」を選ぶといいです。
玄米と白米、みたいな違いですね。
豆を買うときにそう伝えたら『お、この人はコーヒーに詳しいな』と思われますよ(笑)。
ナチュラルはミルクも合うので、僕はミルクや砂糖も入れたりして楽しみます」
失恋したときの味……豆が思い出のアルバムに
「こだわって選ぶと、豆に思い出ができるんです。
『あの時一緒に買ったやつだね』『このケーキにはどの豆を合わせようか?』って、コミュニケーションにつながって、思い出が生まれます」
「例えば僕は、インドネシアの豆が飲めないんですよ。
以前彼女と別れるとき、『最後に一杯だけコーヒーをのみたいな』と言われて。そのとき、インドネシアのワカナを淹れたんです。ふたりで飲みながら思い出話をしました。それで、その豆を飲むと切ない気持ちに……」
豆の正しい保存方法は?
長期保存なら「冷凍庫」へ「挽いてない豆を、1ヶ月などかなり長期で使うなら冷凍しましょう。
冷凍するとき、僕は豆をジップロックに入れます。豆は呼吸をしてるので、ガスで袋がパンパンになるから、空気穴をひとつ開けるといいですよ。
冷凍した豆は直接ミルに入れてOKです」
でも、豆はマメに買った方がいい「ただ、いろんな豆を試してみるのが上達のコツ。
ちょっとずついろんなカフェに通って、100〜200gずつ豆を買ってみるのがいいですよ。
挽いてある豆を買って毎日飲むなら常温保存、1週間以上かけて飲むなら冷凍庫へ。
ただ、冷蔵庫は風味が落ちるの早いのでご注意を!」
コーヒールンバ平岡佐智男さん(@hiraokaschio)がシェアした投稿 – 6月 30, 2017 at 7:30午後 PDT
「カカオとコーヒーの産地はとても近いので、同産地のチョコとコーヒーをペアリングしてみても楽しいですよ。
コーヒーの楽しみ方はキリがないんです! いろいろ飲むことで、思い出も人生もゆたかになります」
コーヒールンバ平岡佐智男さんのコーヒーにまつわるアレコレ、直近2回はコチラ。形から入るべし!コーヒー芸人に教わる「家でのコーヒーのたのしみ方」
いちばん手軽に淹れるには?コーヒー芸人に教わる「オススメのコーヒー器具」
Photographed by Kayoko Yamamoto