どうしたら、整理されていて取り出しやすく、見た目も美しい収納に近づけるのだろうか?……ということで、前回の「基本的な収納の考え方」の実践編として、「実際の収納のコツ」について、無印良品有楽町店でインテリアアドバイザーを務める山口綾子さんにお話をうかがってみた。
無印良品有楽町店のインテリアアドバイザー・山口綾子さん
実際に収納する時のHow to
ポイント1:長さがグラデーションになるようにする無印良品のユニットシェルフを使って、収納の方法を教えてもらった。アパレルショップのように、お客さんが来ても見せられる収納が理想的だ。
ハンガーに掛ける場合、長→短のグラデーションにしてあげると見た目がスッキリする上、短い服をまとめることで下に収納スペースが生まれます。
色に関しても同系色をまとめて全体的に薄→濃で並べると綺麗です。気分によって色を選びやすいですし、アパレルショップのディスプレイもそうなっていることが多いですよね。畳んである服もなるべく同系色でまとめ、薄→濃のグラデーションを意識しましょう。
ポイント2:ハンガーに掛ける服、掛けない服を決めるアウターやスーツの他、シワになりやすい素材のワンピースやスカート、パンツなどはハンガーに掛けたほうがよいでしょう。Yシャツはクリーニングに出す派で畳んだ状態で戻ってくる人は、畳んだままの収納が楽ですし、自宅で洗ってアイロンをかける場合は、そのまま掛けて収納したほうがシワが付きません。
ハンガーに掛けないほうがよいのは、ニットなど伸びやすかったり肩にハンガー跡が付きやすい衣類。
あとは収納スペースにもよりますね。掛けたほうが選びやすいですし収納が楽ですが、畳んだほうが収納力は上がります。あまりスペースがとれない場合は、よく使う物やシワになりやすい物は掛けて、残りは畳んで収納するとスペースが有効活用できます。
ポイント3:引き出し収納の場合、基本は「立てる」引き出しの中は外から見えないので、ついつい適当になりがち。衣類が自立するように引き出しの高さに合わせて丸めてしまうと、取り出しやすく見た目も綺麗です。高さが変えられる不織布仕切ケースを使えば、下着など細々したものの整理にも便利ですよ。
ポイント4:「とりあえず入れておくBOX」をつくるとくに冬服は、ニットなど毎日洗わない物も多いですけど、1回着用した服を引き出しにしまうのはちょっと気が引けますよね。汚れはもちろんですが、花粉の時期にはせっかく洗った服に花粉がついたりもするので、別に収納した方が懸命です。
一度着たけれどまだ洗わない物を入れる「とりあえずBOX」を作っておくと便利です。クリーニングをよく利用する人は、クリーニング用BOXを作って1週間分たまったらまとめて出すようにしてもよいでしょう。
ポイント5:小物類の居場所も決める帽子やベルト、アクセサリー、バッグなど小物類にもそれぞれ定位置を作ってあげると、片付けがとても楽になります。それに、次に使う時に「どこに置いたっけ?」ということもなくなります(山口さん)
帽子は棚に置くスタイルもアリ。型がキープできるし、選びやすそうだ
S字フックを使えば、ポールやラックのサイドにバッグを掛けられる
時計など毎日使う小物類はBOXにまとめておくと身支度に手間取らない
ポイント6:子ども服の収納は、成長に合わせて変更を
子どもがまだ小さいうちは親が服を出し入れすることになるので、親側が使いやすい収納にするとよいです。抱っこしていても片手で取り出しやすいように、BOX収納にするのも手ですね。
子どもが3〜4歳くらいになると、自分で選びたい子も増えてきます。子ども自身が選びやすいように、ハンガーポールは低い高さに設置して、引き出しの中も取り出しやすいように整理を。ユニットシェルフは成長に合わせて棚の位置やポールの位置も自由に変えられるので便利なんです。お出かけグッズはBOXにまとめて、ひとりで準備したくなるような収納を目指しましょう。
子どもの収納の置き場ですが、過ごす時間が多く親の目の届きやすいリビング・ダイニングに設置しているご家庭も多いですよ。
今すぐクローゼットを開いて、整理したい欲求にかられた人も多いのでは? この冬こそ、服の収納改革に本気で取り掛かってみてはどうだろう。何はともあれまずは断捨離を進めなくては……!
2018年1月15日(月)まで、無印良品のインテリアアドバイザーにアドバイスがもらえる『インテリア大相談会』を対象店舗にて実施中。この機会に、収納やインテリアのプロに相談してみてもいいかも。
収納のキホン編「基本的な収納の考え方」は前編の記事にて!無印良品インテリアアドバイザーに教わる冬服スッキリ収納術「キホンの考えかた」
Photographed by Kenya Chiba