子どもの頃に工場などで太いパイプが迷路のように天井に設置されていると、見ているだけでなんだかワクワクした記憶がある。そんな太いパイプは工場が閉鎖されると、ただのゴミになってしまうのだろうか。

なんだかもったいないし、上手く活用できる気がする。ということで、そんな工業用の太いパイプを上手くリサイクルしたデザイナーを発見。スペインのデザイナーであるLucas Munoz氏は、パイプをなんと家具に仕立て上げた。

Munoz氏は工業用のパイプを使用した家具プロジェクトObjects From Interstitial Space (OFIS)を始めた。Interstitialとは隙間という意味であり、パイプは空間の隙間に位置することが多いという気づきから、このプロジェクト名にしたのだそう。

確かにパイプは普段、隠れるように空間の隙間に位置することが多い。そんなパイプが空間の主役となるような家具というのは、新鮮であり面白い。パイプならではの独特なフォルムが個性的であり、インテリアとして飾りたくなるようなデザインとなっている。それでいて工業用のパイプであるため、頑丈で壊れにくいのも嬉しい特徴だ。

Munoz氏は椅子の他には、パイプをアイコンとして活用したランプをデザインした。コンクリートの土台の上にパイプの一部をランプとして付属したアイテムだ。カーブしたパイプらしさが残るフォルムを活かした、他にないクールで無機質さが際立つデザインとなっている。

光の柔らかさを感じるというよりは、空間でオブジェのような存在感を放つランプとなっている。Munoz氏は椅子を含めたこれらのパイプで出来た家具に隠れた存在感を見出し、見事個性的で空間で際立つ家具を製作することに成功した。

椅子であればちょっと固そうだけれども座ってみたい。ランプは部屋の中に置いておきたい。工業用パイプという異色の素材を上手くインテリアに変身させた、他にはないユニークなプロジェクトのOFIS。

工業用パイプをリサイクルしていることから環境にも優しく、他にはない個性的な家具となっている。使わなくなった工業用のパイプは、意外にもかっこいい家具にリサイクル出来るということをこのプロジェクトは示してくれた。

もう使えないものをクリエイティブに再利用した、実際に使ってみたくなる家具プロジェクトである。

Objects From Interstitial Space (OFIS)
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