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カメラをはじめる前に知っておきたいレンズの基礎知識

2017/12/14 18:30 投稿

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ライフハッカー[日本版]より転載:

デジタルカメラのレンズを買おうと調べはじめると、さまざまなメーカーがさまざまな種類のレンズを作っていて、どれを買ったらいいのかわからなくなります。おまけに、OSSだのSSMだのといった、意味不明な専門用語の嵐…。もうスマートフォンでいいかな、と思えてくるのも無理はありません。

とはいえ、写真撮影専用につくられたカメラのほうが、スマートフォンよりさまざまな面で圧倒的に優れており、スマートフォンの小型センサーでは撮影不可能な、高品質の写真を得られるのは事実です。自分が求める機能を理解し、各メーカーが、それぞれの機能をどんな名称で呼んでいるのかを把握すれば、買うべきレンズを見つけ出すのはそれほど難しいことではありません。専門用語を少し学習すれば、自分にはどの機能が必要で、どの機能が必要ではないのかを判断することができます。

絞り

カメラレンズの「絞り」とは、カメラセンサーに当たる光の量を調節する機能のことです。カメラごとに開放絞り値が決まっており、F値と呼ばれる統一的な基準で定義されます。絞りは、カメラによって、F1.0〜F22の範囲のどこかになります。F値の表記方法はいくつかあり、たとえばF2.8が「1:2.8」と表記されることもあります。いずれにせよ、同じ数字は同じ意味を持ち、「開放絞り値」を表します。

このNikonレンズは、70-300mmの焦点距離とF/4.5-5.6の絞り範囲を持ち、光学手ぶれ補正(VR)と、色収差を低減する超低分散ガラスを備えている。

F値の数が小さいほど(たとえばF1.8)絞りが開き、レンズを通る光の量は多くなります。小さいF値を持つレンズ(すなわりセンサーに当たる光の量が多いレンズ)は、「ぼけ」と呼ばれる効果を作り出すことができるので、ポートレートの撮影に最適です。一方、ズームレンズは、「F3.5-4.5」のように開放絞り値の範囲が表示されています。この2つの数字は、カメラのズーム範囲のおける開放絞り値のこと。小さい方の数字が、ズームイン側の開放絞り値になります(この場合はF4.5)。

焦点距離

レンズの焦点距離とは、ピントを合わせたときの、レンズからセンサーまでの距離のことで、ミリメートルで定義されます。ズーム機能がないレンズ(焦点距離が35mmのポートレイトレンズなど)は、単一の焦点距離を持っています。一方、ズームレンズでは焦点距離が範囲で示されます(18-55mmなど)。焦点距離が短くなるほど、広い範囲を写真に収めることが可能。広角レンズは通常、10mmから33mmの焦点距離を持っており、たいていのカメラでは、焦点距離はF値のとなりに表示されます。

フィルター径

レンズにフィルターを装着すれば、グレアを減らしたり、色味を変えたりなどの効果を演出できます。フィルターを使うには、レンズのフィルター径がわかっていなければなりません。フィルター径は、焦点距離と同じくミリメーターで定義され、「ø」マークと共に表示されます。通常は、レンズの前面か、側面の上の方(フィルターを装着する部分)に刻字されています。

オートフォーカスとマニュアルフォーカス

オートフォーカスレンズを使えば、手動で被写界深度を調節しなくても、自動で被写体にフォーカスを合わせることができます。もしカメラに「AF/MF」と書かれたスイッチがあったら、この機能のオンオフをすばやく切り替えられるということです。オートフォーカスをオフにすれば、狙った雰囲気の写真を撮影したり、スタジオで撮影するように被写界深度を自由にコントロールすることが可能となります。


このSONYのレンズは、ソニーのミラーレス・フルサイズカメラ(FE)用に設計されたもので、F/2の絞り値と28mmの焦点距離を持っている。

ブランド固有の用語

このほかの興味深いレンズ機能は、ブランド固有の用語が使われていて、少しわかりにくくなっています。アルファベットの頭字語に惑わされないように。ブランドによって用語は違っても、使われている技術はほとんど同じです。

光学手ぶれ補正

光学手ぶれ補正は、揺れと振動を押さえ、写真がぶれるのを防ぐ、レンズとカメラ本体の両方に搭載される機能です。手ぶれ補正があれば、とくに、広い絞りを使った撮影で、よりシャープな写真をとることができます。この機能を表すブランドごとの用語は以下のとおり。

・Sony:OSS(Optical SteadyShot)
・Nikon:VR (Vibration Reduction)
・Canon:IS(Image Stabilization)
・Sigma:OS(Optical Stabilization)

フルサイズセンサーに対応したレンズ

フルサイズカメラは、大型のフルサイズセンサーを搭載しているため、より多くの光を集め、高品質の写真を撮影することができます。このセンサーの性能を最大限に活かすには、フルサイズのレンズが必要です。フルサイズではないレンズに対応したフルサイズセンサーもありますが、得られる写真は、センサー全体を使わないものになります。フルサイズレンズは通常、そうでないレンズよりも高価です。高品質の写真を撮りたいなら、フルサイズカメラとフルサイズレンズについて調べてみることをおすすめします。

・Sony: FE (Mirrorless)
・Nikon: FX
・Canon: EF
・Sigma: DG

フルサイズでない小型センサー対応のレンズ

フルサイズでない小型センサーは、一般消費者や写真愛好家向けのカメラに搭載されています。フルサイズセンサーと同じ品質は得られませんが、スマートフォンよりは高品質な写真を撮ることが可能です。

・Sony: E (Mirrorless)
・Nikon: DX
・Canon: EF-S
・Sigma: DC

超音波オートフォーカスモーター

超音波モータは、より静かで速い焦点調整を可能にします。安価な電動モーターに比べて、被写体に、より正確にフォーカスし続けることができます。

・Sony: SSM
・Nikon: SWM
・Canon: USM
・Sigma: HSM

プロフェッショナルグレードのレンズ

プロフェッショナルグレードのレンズは、コンシューマーグレードのレンズに比べて、信じられないほど正確で頑丈に設計されています。高品質ガラスを使い、高速オートフォーカスモーターを備え、たいていは、防水、防塵仕様です。プロフェッショナルグレードのレンズは通常、フルフサイズカメラ用に作られており、フルサイズセンサーを最大限に活用することができます。

・Sony: G
・Nikon:レンズの外周に金色のリングがついている
・Canon: L
・Sigma: EX

低分散レンズ

低分散レンズは、色収差の問題を解決するために作られたものです。色収差とは、光の屈折が不完全なせいで写真の色がズレてしまうという、カメラが持つ特性の1つです。通常は写真の端のほうで発生します。色収差を補正するソフトウェアもありますが、基本的に、プロでないかぎり、色がズレていることには気づかないでしょう。低分散レンズは、特別な製造技術でこの問題を解決しています。

・Sony: ED
・Nikon: ED
・Canon: ED
・Sigma: APO

Image: Giuseppe Cirasino/Flickr
Source: Gizmodo, Nikon, Sony
Patrick Lucas Austin – Lifehacker US[原文

(訳:伊藤貴之)

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