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古きを生かしてリノベした、築43年のマンション暮らし(千葉県松戸市)|みんなの部屋

2017/10/11 20:30 投稿

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人気連載「みんなの部屋」vol.87。部屋づくりのアイディア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスする。

千葉県松戸市は今、クリエイターに注目されている街。江戸時代には宿場町として栄え、現在は約48万人が住む都市へと発展した。そんな市の中心地にあたる松戸駅周辺を、DIYと暮らし、物件情報を発信するプロジェクト「MAD City」が中心になり、クリエイターが集まるまちづくりに取り組んでいる。

そんな松戸市みのり台に、家族で「あかぎハイツ」を経営する三代目オーナー夫婦が住む部屋がある。3DKを1LDKに自らの手でフルリノベーションした、アンティークな雰囲気が素敵な部屋を訪ねてみた。

名前:赤城芳博さん 真樹子さん
職業:マンション経営
場所:千葉県松戸市
面積:48㎡ 1LDK
家賃:非公開
築年数:築43年

お気に入りの場所

フルリノベーションした、真樹子さんお気に入りのキッチン



間取りやキッチンなどの設備は、すべて真樹子さんの意見を取り入れ、実際の作業は芳博さんが担当。料理好きの真樹子さんは、キッチンにはとてもこだわりがあるようで、楽しそうに語ってくれた。「真樹ちゃんのごはんはおいしいんです!」と芳博さん。

「台所に立つ時の導線を考慮して、動きやすいように作ってもらいました。ワークトップの高さは私の身長に合わせてます。レトロ感がありつつ明るいキッチンにしたかったので、白いタイルを使ったり、元からある窓部分に合わせてすりガラスをはめた木サッシを作ってもらいました」(真樹子さん)

オンとオフの切り替えができる玄関土間

古民家にあるような土間が憧れだった真樹子さん。靴やコートを脱いで部屋に入るための広い玄関土間は、オンとオフの切り替えができるスペースだ。部屋の中と外をゆるく繋げている感じがいい。

この部屋に決めた理由

「『あかぎハイツ』は、昔から家族で経営しているマンションで、僕もここで育ちました。これまでは空いた部屋の修繕をする程度だったんですが、別の建物で大工さんのリノベーション現場を見せてもらったとき、自分でリノベーションしてみたらおもしろいんじゃないかなと思って。家族がいないすきに僕が勝手にはじめたんです(笑)。トータル1年くらいかかりましたけど、楽しかったですよ。

『あかぎハイツ』が僕の代になり、空室をなんとかしたいねと妻と話していて。新築にはない魅力を見てほしいので、この部屋以外のリノベーションも今進めています。付加価値がないと、なかなか入居者さんが入ってくれないですからね」(芳博さん)

「デザインの好みは私が伝えました。洗面所のタイルや金具など、細かいところまでイメージを固めて作っているので、満足感がありますね。それでもこうすればよかったー! って思う場所もあったりして。例えばスイッチの微妙な位置とか……」(真樹子さん)

詳しいリノベーションの経緯は「リノベーションストーリー」にて。

残念なところ

寝室がちょっと狭かったり、キッチンのガス台が壁にくっつかないこと


広い土間とリビングを作ったことで、間に挟まれた寝室がちょっと狭くなってしまったという。ただ、光が入るようにキッチンとの壁をガラス窓をはめた建具にしたので、閉塞感は少ない。ちなみに、アンティークなガラスをはめた木サッシは、千葉県松戸市のベスト建具に依頼したもの。

また、キッチンはホースを通すための配管スペースが必要なため、壁にぴったり付けることができなかったのもちょっと残念だそう。

お気に入りのアイテム

経年変化が楽しい、アンティークなものたち



「インテリアのほとんどは、古道具屋さんで見つけたもの。リビングのローテーブルは幼稚園で使われてたものらしく、落書きがあったりして、それがまた楽しいですよね。

キッチンの収納棚は、栃木県のScales Apartmentで買ったものです。他にも、同じく栃木県で古家具や古本を扱う内町工場も好きですね。建具の一部は、古材や古道具を扱うひでしな商店で購入しました。

古いものがもたらす経年変化を楽しむのが好きですね」(真樹子さん)

暮らしのアイディア

見せる収納、見せない収納のメリハリを大事に


「人が集う家にしたかったので、人数によって部屋のレイアウトを自由に変えられるようにしています。なので、家具は備え付けではなく可動できるものを選びました。動かしやすように、家具の底面にはフェルトを貼ってすべりをよくしています」という真樹子さんのこだわり。

また、見せるものと見せないものをきっちり分けることもポイントだ。見せたくないものは、収納の中にきっちりしまえるようになっている。例えばキッチンのワークデスクは、真樹子さんの身長にぴったり合いつつもちょっと高めの設定で、調味料のビンまで入るサイズ。見える範囲には、拾ってきた木の枝をスタンドにして小物をぶら下げるなど、ナチュラルな雰囲気が素敵だ。

「生活感がまったくない部屋ではなく、そこに暮らしがあることを意識して収納したいですね」(真樹子さん)

これからの暮らし

築年数がある程度経った物件は、見た目や設備など、新築マンションにはかなわない部分も当然ある。築43年の「あかぎハイツ」を、おふたりは今度どう盛り上げていくのだろう?

「古い建物だからこそ、新築にはない魅力を知ってほしいと思ってます。入居者さんが一部DIYできるようにしたりして、自分たちが好きなようにできる賃貸マンションというモデルのような存在になれれば嬉しいです」(芳博さん)

「アーティストや作家さんたちが利用できるよう、空き部屋をシェアアトリエにしたり、1階の店舗スペースでマルシェイベントを開いたり。みなさんにおもしろいマンションがあるって知っていただきたいですし、地域の方と一緒に松戸の街を盛り上げていきたいですね」(真樹子さん)

歴史ある部屋で、アンティークなアイテムに囲まれた部屋。家族で管理や清掃まで行なっている「あかぎハイツ」の三代目オーナーが暮らす部屋は、やわらかい日差しが印象的だ。暮らすの人の顔が見えるほどよい距離感に、なんだかうれしい安心感を覚えた。

リノベーションのエピソードは「リノベーションストーリー」にて。

Photographed by Norihito Yamauchi

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