最近は、その昔、建てられた家屋や建物が、新しい命を吹き込まれて、新たな用途として生まれ変わることも増えてきたようだ。例えば、これはもう結構前からあるが、海外のお城が結婚式場として使われていたり、日本の武家屋敷が高級ホテルとして生まれ変わったり、という風に。
個人的には旅をするなら、そういった普段では行けない場所やできない経験をしたい方だが、実際には、誰も住む人がいなくなった家や使われなくなった建物は、そのまま無造作に放置され、ただ朽ちていくのを待っていることの方が多いかもしれない。
そんな中、見事に生まれ変わったその姿が、海外で多くのメディアに取り上げられ話題となっているのが、ホテル「Casa Malca」だ。
かつて、コロンビアには麻薬王として莫大な財産を築いたパブロ・エスコバルという人物がいた。1980年代に世界のコカイン市場の80%をも支配しており、年間250億ドルもの収入を得ていたと言われ、フォーブス誌に世界で7番目の大富豪として名前を連ねたこともある。
彼は各地に隠れ家を持っていたという。
©Casa Malca
メキシコのユカタン半島、心地よい風と太陽、白い砂浜と青い海が広がるのカリブ海に面したその場所、Tulumにも彼の隠れ家があった。隠れ家といっても目立たず地下や山奥にあるようなものではなく、3つのプールや屋上テラスなども完備する豪華な邸宅だったようだ。
©Casa Malca
しかし、この家は、彼の死後10年ほど放置されていたのだとという。2003年、アートディーラーのリオ・マルカがこの建物を発見し、リノベーションして5つ星ホテルとして生まれ変わらせることに成功した。
©Casa Malca
リオ・マルカの数々のコレクションで飾られたホテルは、アーティスティックで美しい。
©Casa Malca
©Casa Malca
多くの部屋からはプライベートビーチに直接行くことができ、美しい庭などにはブランコやハンモックがあるという。5つ星ホテルでありながら、快適にのんびりと過ごすことができそうだ。
©Casa Malca
©Casa Malca
©Casa Malca
食事は地元の新鮮な食材を使ったユカタン料理を楽しむことができる。
問合せたところ、「Casa Malca」のMarianaさんからこのようなメッセージをいただいた。
Casa Malcaは、とても特別なホテルです。まずこのビーチとジャングルを有する立地です。ワイルドなイメージでありながらもラグジュアリーな空間がここにはあります。また、アートディーラーのリオ・マルカが所蔵するKeith Haring、Basquiat、Kenny Scharfなどをはじめとした多くのアーティストの作品が飾られているのも我がホテルならではだと思います。
©Casa Malca
現在、全部で42の部屋があり、1泊490ドル(約55,000円 ※2017年7月21日現在)から。
マヤ文明末期に栄えた城壁都市の遺跡「トゥルム遺跡」へのアクセスも簡単にできるそうなので、人類や文明の歴史に想いを馳せつつ、他にはない「Casa Malca」だけの豊かさも満喫することができそうだ。
メキシコを旅するときには、自然とアート、歴史を感じることができるラグジュアリーな「Casa Malca」を訪れてみてはいかがだろうか。
[Casa Malca]、[Daily Mail]
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