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佐村河内氏とJ.T.リロイの「部屋」には何が落ちていた?|UPLINK Cloud 今月の家シネマ

2017/07/14 12:00 投稿

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世界の多様な価値観を持った映画を紹介しているアップリンクが、奥渋谷にある映画館の次に立ち上げた新しいオンライン映画館“アップリンク・クラウド”。劇場公開中の最新映画を、自宅のテレビやスマホで観ることができ、自分の部屋が映画館になる、これまでにないサービスだ。

「今月の家シネマ」は、アップリンク・クラウドで楽しめるオススメ映画作品を、アップリンクスタッフが独自の視点で執筆し、紹介する連載。

今月ご紹介する2作品は、いずれも自分ではない自分を追い求めるがあまり、世間から激しいバッシングを受けることになったふたりのアーティストのドキュメンタリー。

ひとりは皆さんご存知の音楽家、佐村河内守氏。もうひとりは30~40代の方ならかつてのブームを覚えている方も多いであろうアメリカの作家、J.T.リロイ氏だ。マスメディアには登場しなかった彼らのプライベートな「部屋」を通して見えてくる、ふたりの本当の思いとは。

ゴーストライター騒動後、佐村河内氏を自宅にてとらえた映画『FAKE』

2014年のゴーストライター騒動後の佐村河内氏を追った映画『FAKE』。

本作は主に佐村河内氏が妻と猫と暮らす自宅で撮影されているのだが、端々に垣間見える彼らの日常はとても興味深く、そして愛らしささえ感じられるほど。詳細は本編を観て確かめてほしいが、あの日の記者会見を見て抱いた印象とは違った感情が芽生えてしまう。


さらにアップリンク・クラウドで配信中のディレクターズ・カット版には未公開シーンが追加されており、友人を自宅に迎え入れる佐村河内氏が(おそらく)初めて見せる表情も見逃せない。自宅という最も心安らぐ場所で語られる騒動の真相は、あなたの目にどのように映るだろうか。

“謎の美少年作家”の真実の姿をつづる『作家、本当のJ.T.リロイ』


佐村河内氏が新垣氏と出会ったとされる1996年、海の向こうアメリカでは謎の美少年作家J.T.リロイが鮮烈な文壇デビューを飾っていた。

女装の男娼となった過去を綴った自伝『サラ、神に背いた少年』はたちまち世間で話題となり、ガス・ヴァン・サントやトム・ウェイツ、コートニー・ラブなど名だたるセレブをも虜にした。もちろん日本でも90年代のアイコンとして大きな話題となっていたので、著書を読んだ方も多いのでは。



しかし2006年、ニューヨーク・タイムズ紙によってJ.T.リロイは実は40歳の女性、ローラ・アルバートだったことが暴露されてしまう。映画『作家、本当のJ.T.リロイ』では、ローラ本人が当時を振り返って語るほかに、彼女が録りためた通話の録音や留守電などが再生されるのだが、その量がものすごい。

残念ながら彼女の部屋はイメージ映像でしか本編には出てこないのだが、膨大な量のメモや写真、録音テープが溢れた部屋だったであろうことは容易に想像できる。そんな部屋に転がっているのは、ローラが自分の作品を美しく謎めいた少年に語らせざるを得なかった、本当の理由だったりするのだ。

偽りきれない素の自分と、なりたい自分がむき出しになってしまうのが、自分の部屋。日米の一大スキャンダルの渦中にいたふたりの部屋は、これまでとは異なる視点で騒動を捉えるきっかけを与えてくれるはず。

FAKE ディレクターズ・カット版
作家、本当のJ.T.リロイ』[UPLINK Cloud]


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©2016「Fake」製作委員会
Copyright © 2016 A&E Television Networks and RatPac Documentary Films, LLC. All Rights Reserved.


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