日本の伝統工芸のひとつで、アワビ貝など内側の虹色光沢を持った真珠層の部分を切り出し、漆地などに貼る装飾技法だ。漆塗りの上に貝などで装飾した箱やお盆などを目にしたことはあるはず。
そんな日本の伝統工芸、螺鈿細工を体験できるDIYキットが「高岡螺鈿缶(たかおからでんかん)」。専門技術が必要そうだが、何度かやっているうちにコツを掴めるらしい。
伝統工芸の「作る」に着目した「うち伝プロジェクト」
高岡螺鈿缶を開発したのは、お家でできる伝統工芸プロジェクト「うち伝」。富山県高岡市でモノづくりを軸にした複合施設を運営するはんぶんこがスタートさせた。
日本のモノづくりを広げる方法は主に、「売る」「作る」の2種類。その「作る」のほうに着目し、全国の伝統工芸産地とともにDIYキットを開発している。
現在クラウドファンディングMakuakeで支援を募りながら、富山県高岡市の伝統工芸「高岡漆器」の代表的な装飾技法である螺鈿細工を体験してもらおうと、「高岡螺鈿缶」の開発を進めている。
届いてすぐはじめられるDIYキット
難しそうだが本当につくれるのだろうか。気になる中身とつくり方を見てみよう。
キットの中身この中に、螺鈿細工の基本がすべて詰まっている。
① 螺鈿(国産の天然アワビ貝)
② 手鏡
③ 絵の具セット(螺鈿用の特殊な配合)
④ 針・棒
⑤ ニカワ (動物の皮や骨などから作られる接着剤)
⑥ カシュー(合成樹脂塗料)
⑦ コンパウンド(研磨剤)
消耗品がなくなったら、追加で購入することもできる。 つくり方
完成までの手順をざっと見てみよう。
1.図案を描く。
2.貝に図案を写す。
3.色を塗る。
4.貝を切り取る。
5.木地にニカワを塗って貝を貼り付ける。
6.乾いたらニカワをお湯で洗い流す。
7.カシュー(合成樹脂塗料)を塗る。
8.一晩おいて乾かし、貝剥きをする。
9.ヤスリで磨いた後、コンパウンド(研磨剤)で磨く。
結構大変そうだが……。議論を重ねた結果、全工程をキット化することにしたという。職人さんの仕事をより知ってもらいたい、一般の人や作家志望の人にもどんどん広がってほしい、という思いを込めて最初から最後まで自分でつくるという点を重視している。
このキットで螺鈿細工の仕組みを学べば、手持ちの木製品やアクセサリーなどにも流用できるそう。自分の手を動かし細かい作業に没頭する時間は、無心になれて案外心地いいもの。詳しくは、Makuakeの高岡螺鈿缶のページをチェックしてみよう。
お家でできる伝統工芸DIYキット「高岡螺鈿缶」 [Makuake]