それは文具にしても同じこと。今回は、そんな安らぎ感が漂う逸品を紹介したい。
昔ながらの道具から着想した「わく」
「わく」は、原稿用紙の升目を描くスタンプ。
一級建築士事務所でありながら、家具やインテリアの商品開発も行う、能登デザイン室によるものだ。わざわざ「わく」と彫ってあるところにも、細やかなこだわりが感じられる。
田植えの道具が原型
手作業で田植えが行う際に使用する、苗を植える場所を正確に印すための道具「枠(わく)」が原型。
建築事務所代表の奈良さんは、不耕起地の田んぼを借りて米づくりも行うスゴ腕の持ち主。自ら「枠」を使って田植えをしているというから、そこから発想したというのもうなずける。
転がせば原稿用紙のでき上がり
朱肉を転がしながら付け、紙の上でコロコロすれば、3行分の原稿用紙の升目が描ける。真っ直ぐでなかったり、多少掠れてしまうこともあるが、それも味わい深く感じられる。
職人さんによる精度の高い加工
機械削りした後は職人さんによる手彫りで、微妙な調整を経て仕上がる。これは「できない形はない」というどんなものでも形にしてしまう会社、嶋モデリングが製作している。
しかも組み立ては接着剤を使わず、木の摩擦によってのみ固定しているというから驚きだ。
直射日光下や急激に温度や湿度が変化する場所を避けて保管すれば、木には植物性のオイル塗料が塗布してあるので、特別なお手入れは必要が無いところも、使い勝手のよさが感じられる。
一筆箋など、ちょっとした言葉を添える時に最適な道具ではないだろうか。
わく価格:9,180円(税込)
材料:メープル
仕上げ:植物性オイル塗装
サイズ:W44mm x D46mm x H41mm