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武家屋敷に泊まる。重要伝統的建造物群保存地区の日本家屋をリノベーション

2017/06/06 21:00 投稿

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雪国では雪に、海の近くでは塩に耐えうるよう、土地の気候や景観、文化や習慣に合う家屋が作られてきた。そこに住む人たちの知恵や職人技を結集して作られた家は、長い時を経ても尚、そこで暮らすのに必要な機能を兼ね備えているものだが、住む人がいなくなれば、やがて朽ちてしまうことも否めない。

古くからの趣や佇まいを残しつつ、現代でも暮らしやすいようにリノベーションする古民家再生プロジェクトを手掛けるKiraku Japanが、宮崎県日南市飫肥地区に、伝統的な日本家屋をフルリノベーションした高級宿泊施設「季楽 飫肥(きらく おび)」をオープンした。

飫肥地区は、宮崎県南部日南市中央部に位置し、飫肥城を中心とした伊東氏飫肥藩5万1000石の旧城下町。当時の武士と商人の住まいが今なお残り、重要伝統的建造物群保存地区として選定されていて、「九州の小京都」とも称される場所だ。

「季楽 飫肥」は、勝目邸(かつめてい)と合屋邸(おうやてい)の2棟からなり、それぞれ1日1グループ、最大6名が宿泊することができる貸し切り宿。

枯山水式の庭園を楽しめる「勝目邸」


飫肥の各観光地から近い場所にある勝目邸は、武家屋敷様式の宿。18世紀に造られたといわれる枯山水式の庭園があることで有名で、宮崎県によって名勝として指定されている。

邸宅の敷地は、およそ1,100平米と広大なもの。宿の南側の通りから伝統的な石の門をくぐることで、敷地内へと入ることができる。





高野槙(コウヤマキ)を使った大きな浴槽や、枯山水の庭を独り占めできる縁側のラウンジチェアなど、贅沢な時間を過ごすことができそう。天井や装飾からは、時を経ても変わらない美しさが感じられる。

囲炉裏と土間でくつろげる「合屋邸」




合屋邸は、もともと江戸時代の中級家臣の邸宅の長屋門だった。長い1階建ての宿で、歩道脇の水路を鯉が泳ぐ「後町通り」に直接面している。

宿に入ると、高床と伝統的な囲炉裏がある天井の高い部屋が、宿泊客を迎える。その周りを取り囲む土間には、現代的なキッチン設備と、「おくどさん」と呼ばれる日本伝統のかまどが。


武家屋敷に泊まる体験は、なかなかできるものではない。江戸時代の人々が実際に生活していた場所に足を踏み入れ、さて、何を想うだろうか。

季楽 飫肥 勝目邸
季楽 飫肥 合屋邸

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