長岡参(マイル)氏は日本を中心とした、さまざまな人や場所のドキュメンタリー映像を制作している。どの作品も非常に美しく、独特な世界観に思わず引き込まれてしまいそうだ。
そんな彼の作品を、ちょっと覗いてみたい。
長岡氏は東京でフリーランスとして、さまざまな自主映画のカメラ・照明・美術スタッフなどの仕事をしていた。2010年に徳島県神山町へ移住して、「長岡活動寫眞」を立ち上げ独立。四国を拠点に全国を回りながら、数多くのドキュメンタリーと広告映像を制作している。
2017年の春には、佐那河内村の山の上に拠点を移して山暮らしを開始。そんな彼のドキュメンタリーは「人と場所に寄り添ったもの」となっている。
今回は3つの動画と彼の現在行っているプロジェクトを紹介したい。
まず、1つ目の動画が「Yuasa Town : The Birthplace of Soy Sauce」だ。この動画では醤油の生まれた地である和歌山県湯浅町の、醤油づくりの様子を細かく映している。
そもそも、醤油がどこで生まれたかを知っている日本人はどれくらいいるのだろう? 日本人にとって大切な調味料である醤油の歴史とそれを紡ぐ人々を、流れるように映すショートフィルムとなっている。
続いて2つ目の動画は「御船祭」。この動画は千年以上の歴史を誇る御船祭を映したドキュメンタリー。世界遺産に登録された熊野速玉大社の例大祭である「速玉祭」は、毎年10月16日に熊野川を舞台にして御船祭が行われる。
臨場感のある祭の様子は、動画であっても見ているだけで胸が熱くなる。
祭りの存在そのものを世の中に広めるために、誰かに紹介したくなる動画である。
そして最後3つ目の動画は、国指定重要無形民俗文化財である、車の翁舞を継承する人々の様子を映したドキュメンタリー「車の翁舞」だ。
名前自体を知らない人も多いかもしれない。しかしながら、ドキュメンタリーを見ていると日本にとって大切な文化である「車の翁舞」を途絶えさせてはいけないと感じる画の力。実際の舞を見てみたくなる動画だ。
以上3つの動画を紹介したが、この他にもたくさんの動画を長岡氏は撮影しているので、ぜひホームページから見て欲しい。
これらの美しい映像プロジェクト以外にも、長岡氏はユニークなプロジェクトを立ち上げている。
あまり知られてなかった日本の様子を美しく映し出す長岡氏の、今後のプロジェクトも楽しみである。
[Mile Nagaoka]