スペインの建築家であるRicardo Bofill氏は、第一次世界大戦の頃に建てられたセメント工場を買い取り、自宅にした。リノベーションされたセメント工場は、とても廃墟だったとは思えないほど、美しく芸術的な家に変身。
そもそもスペイン郊外にあるこのセメント工場は、1973年にBofill氏によって発見された。工場を一目見てポテンシャルを感じた彼は、すぐに購入したそうだ。
その後、彼の家にするためのリノベーションが始まった。
何年もかけて建物はリノベーションされ、ようやく人が住める状態になった工場。改装後はBofill氏のチームにより、インテリアがコーディネートされた。
家具も配置され、リビングルームは近代的な空間に。
外装は元廃墟の面影を残して、植物で建物が囲まれるようにデザインされている。緑豊かなその空間は、家の庭でお茶をするだけでもピクニック気分を味わえそう。
内装は元セメント工場であった証拠がところどころに散りばめられている。写真にある部屋には、天井部分にセメントを扱う設備が大胆に残っているのが興味深い。
さすが建築家の住居なだけあり、家の中にはひとつとして同じような部屋が存在しない。全ての部屋が目的に合わせてデザインされているので、どの部屋も洗練された空間となっている。
寝室にはバスタブが備わっている。こんな寝室が欲しいと、誰もが羨ましくなるような空間である。
さらにユニークなのは、工場の内部も外部もレジャー空間となっているところ。工場の外にもピアノが置いてあり、外でもリラックスできるような空間設計がなされている。
こんなに広くてリラックスできる空間が家にあったら、家から一歩も出たくなくなりそう……。
また、家の中にはオフィス空間も備えられているため、Bofill氏のチームは定期的に彼の家で仕事をするそうだ。
彼はホームページにて、セメント工場は最高の職場になると語っている。
自宅であり職場でもある彼の家は、まさに彼の働き方と生き方を表している。ちなみに現在も家をリノベーションし続けているとのこと。
まさか、セメント工場が家になるなんて。さすが建築家、大胆なリノベーションである。
Bofill氏は、仕事と人生の楽しみには大差がないと語っている。そんな彼だからこそできた、工場のリノベーション。
一度訪れてみたくなる、魅力溢れる家だ。
[La Fabrica]