日本には、本当にたくさんの繊細で美しい芸術品や工芸品があるものです。
現在に受け継がれているもの然り、継ぎ手がなく、途絶えてしまったものも含め、世界に誇れる技術がたくさん生まれました。
つい新しいものだとか、海外のものだとかに目が奪われてしまう、今の時代。先進的な技術の恩恵を受けるのはもちろんいいけれど、私たちの先人が残してくれた「ステキ」と「粋」をちょっと見直してみませんか。
ご紹介する「薩摩ボタン」は、鮮やかな色彩とデザインが印象的な小さな陶器製のボタン。その昔、着物と並び日本を代表する芸術品として世界から注目され、現代でも海外の陶器コレクターの中には根強い人気があるのだそう。
Photo by SATSUMABUTTONS
幕末の頃、薩摩藩が幕府に対抗するためにお金を必要としていたため、薩摩焼で培われたノウハウをもとに陶器のボタンを作り、海外に輸出したのがはじまりなのだとか。
小さな丸の中に、風景や人、植物や動物など、当時の日本文化が表現され、美しく描かれている世界。ボタンという西洋文化に和を融合させたという試み。当時は、どれだけ「オシャレ」なものだったことでしょう。
Photo by SATSUMABUTTONS
服の一部としてのボタンというより、このボタンを引き立たせる服を選びたくなるくらいな存在感です。
この「薩摩ボタン」、職人芸を必要とするその独特な形状や細やかな絵付けゆえに、復刻は難しいとされていましたが、「MAKANALEI」のプロデュースにより完全復刻し、購入することもできるんです!
実際にボタンとして使うのは、あまりにももったいないような気がしてしまいますが、こんなステキで粋な世界を、手の中で眺めてウットリする。そんな優雅な時間を過ごすだけでもいいなぁと思うのでした。
[薩摩ボタン]
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