北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
■連載コラム(第12回)
『ラーメンの憂鬱』〜ラーメンの未来形(山路力也)
『教養としてのラーメン』〜東京のご当地ラーメン(山本剛志)
□告知スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
『ラーメンの安全性』山路力也
先日、一蘭がラーメン業界で初となる「ISO22000」を取得したというプレスリリースが飛び込んできた。これは大局的に見れば良いニュースである。正直、ラーメン業界全体を見た時に品質管理や食品衛生管理面において意識が低いのは事実。さらに海外にラーメンが進出していく上でも、ナショナルチェーンの一蘭が国際標準の規格であるISO22000を取得した意義は非常に大きいと感じている。
一蘭がISO22000を取得した理由はいくつか考えられるが、まずは世界進出に向けての安全性を担保しようとしたこと。そしてその時に店舗でのラーメン販売以外に、例えばスープであったりタレであったりチャーシューであったり、ラーメンに付随する様々な商品を世界で販売することも視野に入れているのだろう。昨年糸島市の郊外に作って話題になった「一蘭の森」の工場は、ISO22000取得を目指しての工場だったというわけだ。
実は製麺業界ではすでにISO22000やHACCPを取得している製麺所が少なくなく、ラーメン店よりもいち早く食品衛生や品質管理に意識を払ってきている。しかし残念ながらそれはあまり知られていない。名前の通った大手ラーメンチェーンであったり大手製麺所がこういう動きをもっと加速化させることで、ラーメン業界全体が食の安全や衛生面に対して、今まで以上に高い意識を持つようになっていくことが期待される。
もちろんISO22000やHACCPを取得するのは大変であるし、その後に資格を維持し続けていくことも大変だ。これは正直、個人店レベルでは出来ることではない。しかしながら、資格を取らなくとも同じような意識を持って厨房を清潔に保ち、調理上での安全面に留意していくことは出来るはず。業界全体がそうなっていけるよう、私たちラーメン評論家にも何が出来るか考えていきたいと思っている。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は今月3日、中野にオープンした日本初となるラーメンバーガー専門店、RAMEN BURGER TOKYOの「THE WORKS」を山路と山本が食べて、語ります。
「THE WORKS」1,100円