北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
ZOOT@浜松町「味玉らーめん」
■異論激論!
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「花月嵐の船橋ソースラーメン」山路力也
知る人ぞ知る、千葉県船橋市の地ラーメン「船橋ソースラーメン」は、戦後まもなく船橋駅前の中華食堂「花蝶」が考案したとされる、ソース味のラーメンです。私が初めてソースラーメンを食べたのは、もう十年以上も前の事になりますが、正直その時は美味しいとは全く思いませんでした。その頃は花蝶をはじめ、老舗数軒でしか出されていなかったソースラーメン。しかし、逆に言えば船橋駅界隈の複数店舗で出されていたのです。
しかし、残念ながら戦後間もなく作られたソースラーメンは、今の感覚で食べたらかなり見劣りしてしまいます。でもソースという調味料をラーメンに使うのはかなり面白い。ならば、老舗のソースラーメンはリスペクトしつつも、今のラーメン店が今の手法で再構築したら革新的なものが出来るのではないか?そう思った私は船橋市内の人気ラーメン店主さんに声掛けをして、新しいソースラーメンを作ろうと提案したのです。それが「船橋ソースラーメンプロジェクト」。2011年よりその活動を開始して以来、テレビや新聞、雑誌など数多くのメディアに取り上げて頂き、昨年よりふなっしーに応援団長にもなってもらい、カップ麺の全国発売と、大つけ麺博や東京ラーメンショーへの出店も果たしました。
そんな風に、プロジェクトメンバーの頑張りやメディアの皆さんの後押しもあって、少しずつ全国にその名を知られつつある「船橋ソースラーメン」ですが、現在全国のらあめん花月嵐にて、期間限定メニューとして販売されています。私も試作段階から関わらせて頂き、先日実店舗でも食べて来たのですが、これがまぁ良く出来ているのです。
船橋ソースラーメンは共通のレシピや具材の縛りなどは一切なく、スープがソース味である事が必須条件。よって、店の数だけ船橋ソースラーメンはあります。花月嵐が創った船橋ソースラーメンは、プロジェクトメンバーでもある中華料理大輦のソースラーメンを若干参考にして作られた、言わばソースラーメンの基本形、入門編的な味わい。しかし、子供からお年寄りまで万人に愛される味にまとめあげて来ました。味に関しては感想を伝えたり意見はしましたが、あくまでも花月さんのソースラーメンなので花月さんの考えたイメージのままで商品化されていると思います。
ラーメン好きの方からすれば、花月嵐?チェーン店でしょ?とお思いかも知れません。しかし、これだけの店舗数を抱えたチェーン店ながら、常に斬新なチャレンジをし続ける姿勢は凄いと思っていました。いわゆるベジタリアン対応のラーメンも十年程前から販売していますし、人気店とのコラボレーションやご当地ラーメンの再現力も実に高い。しかもそれをちゃんと全国の店舗のオペレーションに落とし込んでいる凄さ。これはね、ちょっと尋常じゃないですよ。
さらに、今回お仕事をご一緒させて頂いて、開発や企画の方達のぶっ飛びぶりに驚きました。皆、真剣に遊んでいるのです。休む間もなく限定ラーメンや創作ラーメンを次々と開発し、その中では面白がれることを真剣に商品に落とし込む。そして他の店がやっていないことに挑み続ける。これはラーメン界でもっと評価されていいアクションだと思うのです。
こうやって書くと「山路は花月嵐と一緒に仕事してギャラを貰っているから提灯記事を書いているのだろう」と下衆の勘繰りをされるかも知れませんが、それは本当に勘繰りですし、ギャラ分の責任や義理はとっくに果たしていると思います(笑)。純粋にこの会社凄いなぁ、ぶっ飛んでるなぁ、楽しそうだなぁと思うのです。機会があればまた一緒に仕事をしてみたいなぁと素直に思いました。だって、とてもワクワクするんだもの。
さぁ、そんな花月嵐の船橋ソースラーメン。かなり面白い一杯になっていると思いますので、興味のある方は一度は話のタネにチャレンジしてみて下さい。あ、でも僕が一番花月嵐で好きなラーメンは、やっぱり基本のげんこつらあめんですけれどね(笑)。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は3月6日にオープンした、つけめんTETSU系列の新業態、ごま金の「担担麺」を山路と山本が食べて、語ります。
「担担麺」800円
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