■「ラーマガ」本誌に載せきれなかったレビューを掲載する「ラーメンレビュー増刊号」です
「ラーマガ」本誌では、各号で最大8件の個別レビューを掲載しています。遠征や連食などで、そこに収まらない私のレビューを、随時「ら~マニア共和国」で掲載します。
今回は巻頭コラムと、以下の13杯を掲載します。ラーマガ本誌と合わせてお楽しみください。
・8月にレビューした「静岡県日帰り」に入れきれなかった1軒。
・都内のつけ麺4軒。
・小岩の家系ラーメン3軒。
□目次
1.巻頭コラム「コミケで同人誌買ってみた」
2.静岡県日帰り:完全版
<本誌29号で「わんたんや@熱海」のレビューを掲載>
<本誌31号で「麺屋喜八郎@御殿場」のレビューを掲載>
<本誌32号で「麺工房海練@裾野」のレビューを掲載>
<本誌33号で「蔵一@箱根町」「麺まる井@清水町」のレビューを掲載>
・はごろも@御殿場<地元密着のやさしい一杯>
・ひこ星@片浜<濃厚豚骨魚介つけ麺の人気店>
3.都内のつけ麺4軒
・雷一家@立川<まもなく卒業。地雷源系列のこってりつけ麺>
・ムサシヤ@吉祥寺<吉祥寺武蔵家のつけ麺専門店>
・六厘舎TOKYO@東京ソラマチ<あの六厘舎、ソラマチに>
・夢うさぎ@葛西<開店12年、葛西に馴染んだ味>
4.小岩の家系ラーメン3軒
・作田家<「一本氣」が家系にリニューアル!>
・横浜家系01<増殖中の家系の目印は「1」なのか?>
・森松家<作田家の裏手に登場のあっさり家系>
■巻頭コラム
「コミケで同人誌買ってみた」
8/15~8/17、「コミックマーケット86」が東京ビッグサイトで開催された。漫画・アニメ・ゲームを中心とした世界最大の同人誌即売会だが、規模が規模なのであらゆるジャンルのサークルが出展している。中でも3日目には各種評論ジャンルが集っていて、ラーメン関係の同人誌を出しているサークルもあると聞いて、久々にコミケに行ってみました。
(実は私も15年ほど前、「高校文化祭評論本」を一人で作り、ついでに池袋近辺のラーメン屋情報をA3一枚の紙にまとめて販売したのですが…)
そんなわけで、評論本を出している一帯に出向き、ラーメンに関する同人誌を十数冊購入しました。その中から7冊を簡単に紹介します。
(1)「福島ラーメン組Wっ!」(REST OFF STUDIO)
福島県内のラーメン店を、そのラーメンからインスパイアされた擬人化キャラクター(いわゆる「萌えキャラ」)が説明するという、コミケならではのコンセプト。昨年の「東京ラーメンショー」、今年の「ふくしまラーメンショー」では、「福島ラーメン組っ!獅子奮迅隊」というコラボ企画のきっかけにもなった。面白さを出しながらもに、キャラクター設定に各店の特徴を盛り込むといった、批評性もある一冊。今回は福島県内の5軒と、東京と宮城から1軒ずつ、計7軒が紹介されています。
(2)「ラーメン二郎データブック」(夢風)【写真左】
コミケでラーメン本が売られているサークルの中でも多かったのが「二郎本」。こちらはバイクで食べに行く二郎・二郎系・インスパイアのレビューを「バイク二郎」として発行しているサークル。この本では、ラーメン二郎38店舗の店舗情報、メニューやローカル情報をまとめた1冊。地図がバイク用に道順を丁寧に説明していたり、「ラーメン二郎用語集」も加えていて、勉強になります。
(3)「盛りの技法2014夏~二郎のつけ麺特別編」(ラブメソ生郎(いくお))【写真右】
コミケの二郎本としては歴史があるこちら、今回は夏という事で「ラーメン二郎でつけ麺がある店」22軒を紹介。中でも、この夏初めてつけ麺を販売した「桜台二郎」もレビューしていて、その丼が、閉店した「べんてん@高田馬場」で使っていたものである事も紹介している。写真と文字だけの構成ながらも、ジロリアン歴の長い方ならではの情報もしっかり書き込まれています。
(4)「別冊ラーメン四季報"汁なし主義"」(早稲田大学ラーメン部)【写真左】
汁なし特集として、油そば・まぜそば・汁なし担々麺を各6軒、他に韓国麺・うどん・タイ料理・そして「ピザそば」の汁なしを紹介。それぞれのレビューが適度なボリュームと豊富な写真でまとめられている。商品情報が明記されているとよかったかも。特集では閉店した「べんてん@高田馬場」の行列レポートも2ページにわたり掲載されています。
(5)「関西二郎系ラーメンver.2014」(マシマシ1000%)【写真右】
「コミケの二郎本」の一つだが、関西と石川、愛知の二郎系・インスパイア店16件を11人でレビューしている。白黒だが写真は大き目なので、ボリュームがある様子は分かりやすく掲載されている。
(6)「地元作家が行く!吉祥寺ラーメン案内完全版」(超兵器科学研究所)【写真左】
こちらはいわゆるグルメ系サークルではなく、軍事関連がメインらしいが、多作らしい著者が様々な本を販売している中にこの本もあった。作家だけあって文章量は豊富で、84ページの個人誌はすごい(その分値段も安くはないのですが…)、。地元吉祥寺のラーメン店をひたすら紹介している。ただ、目次がなく書式が統一されてないので、どこから始まっているかが読みづらい。また、事実関係の調査不足かな、という記述もいくつかあった。値段が高いと、読む方も細かくチェックしてしまいますね…。
(7)「人妻肉包丁慶子 ラーメン二郎死闘編 復讐の二郎 前編」(ガラダ堂)【写真右】
最初に言っておきますがエロではないです(笑)。「二郎系サークル」の中にあったんですが、ラーメン情報は全く関係なく、二郎がネット上で面白おかしく語られる時に使われる「ロットバトル(早い話が早食い)」をモチーフに、「女性同士の二郎ロットバトルがショーアップされ、勝者が"ジロドル"と呼ばれる」という架空の世界をベースにした完全創作漫画。実在のラーメン情報は一切ない。ネット掲示板のネタだった「ロットバトル」から、更なる創作がされていくところに、面白さがある…かもしれません(汗)
(8)終わりに
私がサークル参加した15年前に比べると、外食系評論サークルの数が増えたと思います。デジカメやスマホで写真が撮りやすくなる一方で、ネットのレビューサイトには出ないような本音が出ていたりするのが面白いところです。そして「ラーメン」を一つのコンテンツとして、様々な創作物が作られている、というところも今後チェックしていければと思います。
□ラーメン実食レビュー
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